
博士(以下、博)* きの子くん、この前の原稿じゃが・・・・・・ん?ピ、ピカ●ュウ?
きの子(以下、き)* へっへーかわいいでしょ! 昨日お祭りで買ったんでチュウ♪
博* まったくいい大人が・・・・・・わしゃ情けないぞ。
き* 大人はお面買っちゃいけないんでチュか?!
博* せめてそのチュウチュウ口調は止めたまえ!
き* ちゅう〜・・・・・・
博* さっ、仕事仕事! 今回もとっておきの作品をご紹介するぞ!
き* もちろんでチュウ! 今回ご紹介する作品は、音楽座ミュージカル『七つの人形の恋物語』です。
博* 「ポセイドン・アドベンチャー」、「雪のひとひら」などで有名なアメリカの作家ポール・ギャリコ原作の作品じゃな。
き* 主人公は田舎からやってきた身寄りのないひとりの少女。特別器量が良いわけでもなく、貧相な身体をした彼女は、周囲からムーシュ(蝿)と呼ばれて蔑まれていました。
博* その人生は挫折の連続。ある時、行くあてのなくなったムーシュが河に身を投げようとしていたところ、不意に赤い髪の人形に呼び止められる。
き* ムーシュの前に入れ替わり立ち替わり現れる魅力的な人形たち。やがて彼女は死のうとしていたことも忘れ、人形たちとの会話に没頭していきます。
博* そんな様子を人形舞台の裏側でじっと見つめる男がいた。人形一座の座長で人形遣いのキャプテン・コックじゃ。
き* ムーシュの不思議な魅力を見出したキャプテン・コックは、彼女を一座の仲間に入れることにします。
博* しかしこのキャプテン・コックという男、天涯孤独で冷酷な男じゃった。ムーシュは、その無垢な心に憎しみを募らせたキャプテン・コックに身体を奪われ、夜毎屈辱を与えられてしまう。
き* しかし、そんな残酷な夜が明けると、七つの人形たちはムーシュに生きる喜びを与え、様々な物語をつむいで彼女との愛をより一層深めていくのでありました。やがてムーシュと人形たちの舞台は大評判を呼び、有名な大劇場で興行できることになって・・・・・・。
博* 無垢な魂の少女と悪魔のような心の人形使い、そして七つの人形たちが織り成すドラマを、美しい音楽と躍動感あふれるダンスで綴った感動の作品。そして日本初の独占ミュージカル化権を獲得しての、音楽座待望の新作じゃ。
き* もうこれだけでも気になってしょうがありません! あぁムーシュは幸せになれるのかしら・・・・・・。待ちきれないでチュウ!
博* だからチュウは余計でチュウ!

博士(以下、博)* どうしたんじゃ、きの子くん。元気がないのう。
きの子(以下、き)* こう毎日雨続きじゃ元気もなくなりますよ・・・・・・。もぅ、梅雨なんてキライ・・・・・・。
博* きの子くん、君は一体何年この仕事をしておるのかね!そんな時こそ劇場に足を運ぶチャンスではないか。劇場に天候は関係ない。いつでもそこには無限の別世界が広がっておるのじゃからな。
き* そおっすね・・・・・・。
博* むむむ、このやる気のない態度。これはかなりの重症じゃな。
き* 博士、ここは一つ、梅雨を吹き飛ばすようなでっかいスケールの作品をお送りしましょうよ!
博* よしよし、舞台に対する情熱はまだ湿気ってないようじゃの。今回はきの子くんのリクエスト通り、どーんとスケールの大きい作品を紹介しよう。
き* いよっ、さすが博士!
博* 今回紹介する作品は、日中平和条約30周年記念『宋家の三姉妹』じゃ。
き* 宗家の三姉妹とは、第二次世界大戦の激動の時代を駆け抜けた靄齢、慶齢、美齢。この姉妹、三人が三人とも、それこそ激動の人生を送った女性たちなんですよね。
博* 孔子の子孫の財閥と結婚し、中国一の金持ちになった靄齢。中国革命の祖・孫文と結婚し、後に共産中国の精神的支柱となった慶齢。そして、蒋介石と結婚し、中国のファーストレディとして政治の檜舞台で活躍した美齢。中国、そして世界の歴史に大きく関わった三姉妹の物語じゃ。
き* 実はこのチラシ、実際の三姉妹の写真なんですよね。
博* そうなんじゃ。深い愛情のもとに成り立っていた姉妹の絆が、戦争や時代の変化の中で翻弄され、揺れ動いていく。そのような姉妹の絆というものがどのように描かれているのかも見所の一つじゃのう。
き* そしてこれは、単なる中国の物語ではなく、世界の物語といいかもしれません。
博* 今、我々が存在している世界は、どんな歴史の上に成り立っているのか。そんな目で観てみると、また色々と違った発見があるかもしれんな。
き* 北京、上海、天津の京劇団の名優たちが集結し、新京劇・当方オペラとして初めて中国で劇化されたこの『宋家の三姉妹』。この貴重な機会を見逃すわけにはいきません!
博* どうじゃきの子くん、少しは元気になったかね?
き* はい、博士!なんだか舞台の話をしただけで、元気になってきちゃいました。観たい舞台があると、毎日頑張ろう!って気になりますね。今日は早退でお願いします!
博* ・・・・・・なぜ相変わらず、仕事にその力を出そうとしないのじゃ?

きの子(以下、き)* 博士、どうですか、この帽子。友達に子どもが生まれたから、お祝いに買ったんです。ね、かわいいでしょう?
博士(以下、博)* うむ、確かにかわいい。って、何であげるものをかぶっとるんじゃ!
き* だって、ちゃんとかぶり心地を確かめておかなきゃと思って。最近周りが結婚&出産ラッシュなんですよね。あーん、わたしも早く産みたいなぁ。
博* 相手もいないのに気が早いのう。
き* むむむ、失礼な!
博* 今回紹介する作品も、そんな“出産”にまつわる物語じゃ。
き* そうなんです! 今回ご紹介する作品は、演劇界注目度No.1の作・演出家、田村孝裕の新作、プリエールプロデュース『おしるし』です。
博* ところできの子くん、“おしるし”とは何かしっておるかな?
き* お産が始まるひとつのサインのことですよね。この“おしるし”があると、数日以内に陣痛が始まるとか。
博* おお、よく知っておったのう。
き* ええ、いつ産んでもいいように、知識だけはたくわえてますんで!
博* ウォッホン。一人の赤ん坊が誕生するとは本当に大変なことじゃ。赤ん坊の父親、母親、親戚を始めとする周囲の人々・・・・・・。
き* 生まれてくる赤ちゃんはもちろん大変ですけど、周囲の人たちもそれと同じぐらい大変だったりしますよね。
博* 一人の人間が生まれてくるということは、言うまでもなく、誰か一人の問題ではないということじゃな。
き* もちろん、生まれ方も色々ですし、生まれて生きていく環境もそれぞれですけど、でもやっぱり一つの命が誕生することって感動的ですよね。
博* いかにも。まさに“やっと会えたね”と、この世に迎えられる赤ん坊たち。しかし、その裏には様々なドラマが隠されておるのじゃ。
き* 赤ちゃんをあやす時って、ほんとに不思議とこのチラシみたいな顔になっちゃいますよね。赤ちゃんから見ると、こんな風に見えてるんだなあ。
博* 優しく温かい顔あり、赤ん坊にまけないくらい無邪気で無防備な顔あり・・・。こんな顔をさせてしまうのも、きっと赤ん坊の力じゃろうな。
き* プリエールがお届けする“出産物語”。お子さんがいる方は生まれた時のことを思い出しながら、そうでない方は、自分の生まれた時に思いをはせながら観ていただくのなんてどうでしょう。
博* うむ。色々な楽しみ方ができそうなこの舞台、必見じゃ!
き* ところで博士、この帽子、けっこうわたし似合ってません? 私の心がまだまだ無垢な幼子の証拠ですね!?
博* ・・・・・・それはそれで問題だと思うぞ。

博士(以下、博)* 何じゃきの子くん、やけに今日は元気がいいのう。
きの子(以下、き)* えへへへ。ジャーン! 朝早起きして、お昼作ってきました! ほら、桜も見頃ですし、お花見しましょうよ。
博* ・・・とってもうれしいのじゃが、・・・きの子くん、いくらなんでもわしら二人でこんなに食べきれんじゃろう。
き* うちの母親、お花見の時は必ず、ありったけのご馳走を用意してたんですよ。なんだかそれに慣れちゃって。でも楽しかったなー、家族でお花見。
博* うむ。家族との思い出というものは、いつまでたっても忘れがたいものじゃ。実は今回紹介する芝居も、「家族」をテーマにした物語なんじゃ。
き* 早速ご紹介しちゃいましょう! 今回の舞台は、劇団離風霊船『IRDX-F』です。
博* 劇団離風霊船といえば、今年で結成25年目。ユニークな発想と奇想天外な舞台仕掛けで注目を浴びておる劇団じゃ。
き* 2人の座付き作家を有する離風霊船。今回は、現実におきた出来事をモチーフに「時世」にきりこんでいく社会派的な作風を特徴とする大橋泰彦の書き下ろし作品をお送りします。
博* 今回は「家族の絆」をテーマに、小説より怪奇な現実の事件を背景に、独特の視点で切り込んだ渾身の新作じゃ。
き* 物語は、ある日父親が家族に「明日から一緒にこの家で同居することになった」といって、ある家族を紹介するところから始まります。
博* しかし、実は新しくやってきたこの家族、父親が開発した「人間型ロボット」じゃった。この奇妙な共同生活は、ロボットたちが「普通の家族」として生きるためのプログラムだったんじゃ。
き* 父親への協力を申し出た家族。しかし、幸せそうに見えたそこには、過去を隠蔽しようとする父親の恐ろしい計画があったのです!
博* 笑いのあるスピーディーな展開の中、心に突き刺さる深いテーマを観るものに突きつけてきた劇団離風霊船がお届けする、一味も二味も違った「家族」の物語。これは間違いなく必見じゃな。
き* とってもおかしい、でもとっても怖い物語。この奇妙な同居の顛末、ぜひその目で確かめてみてくださいね!
博* ではきの子くん、早速花見へ行くとするか。
き* あっ、ちょっと待って下さい、えーっと、ハンディカラオケに、ウノにトランプ、人生ゲーム……
博* ちょ、ちょっと待ちたまえ! これも全部持っていくのかね?!
き* 父親がいつも遊び道具を沢山持ってきてくれてたんですよ。だからないと落ち着かないんです。
博* まったく、「家族」は恐ろしいわい。

博士(以下、博)* きの子くんか?! 怪しげなサングラスに、バカでかいマスク、どこからどう見たって不審者じゃの。
きの子(以下、き)* 不審者なんて失礼な! 花粉症の予防対策です。あ、博士、ちゃんと花粉落としてから部屋に入ってくださいね。さ、博士もマスクをどうぞ。
博* そんなものせずともわしは花粉症なんて・・・ハ、ハ、ハーックションッ!!
き* そのくしゃみはもしかして・・・
博* ち、ちがうぞ! 断じてこれは花粉症では・・・ハ、ハックションッ!
き* これから大変ですね・・・
博* むむむっ、このわしが花粉ごときに負けてなるものか! わしは認めん! 認めんぞ!!
き* 博士、残念ですが現実を受け止めましょう。
博* うるさーいっ! 花粉など吸った先から吐き出してくれるわ! さ、きの子くん、花粉なんぞにかまけておる暇は無い。今回の作品にいくぞ!
き* まったく負けず嫌いなんだから。
博* 今回の作品は、「安寿ミラ ダンスコンサート FEMALE vol.9」。チラシを見ただけでも、何とも吸い込まれそうな感じがして、幻想的な世界にいざなってくれそうじゃ。
き* 安寿ミラさんといえば、元宝塚歌劇団花組の男役トップスター。退団後は、ミュージカル、ストレートプレイ、ショーなどに出演、女優として活躍されています。
博* また、宝塚歌劇団の振付をはじめ、振付家ANJUとしての顔ももっておられる。
き* 「FEMALE」は、そんな安寿ミラさんが自ら構成・演出を手がけ、毎年意欲的に取り組んでいるダンスコンサートなんです。
博* 宝塚で男役を極めた安寿さんが、女性を追及するために始めたという「FEMALE」は、女性のあらゆる部分をダンスで表現するものなんじゃ。
き* そんな「FEMALE」も今年でなんと9回目!今回は、安寿さんの後輩にあたる、同じく元宝塚歌劇団花組トップスター、匠ひびきさんを迎えてお送りします。
博* 宝塚時代からのファン、ミュージカル・ファンはもちろん、このチラシのヤンさんの凛とした美しさに釘付けになった人には是非足を運んでもらいたいの。
き* あ、ちなみにヤンさんというのは安寿さんの愛称です。退団後も女優として多くのファンを惹きつけて止まないヤンさんこと安寿ミラさん。今年は一体どんなステージになるのか、本当に楽しみです!
博* まったくじゃ! 大体、毎年一つのことを続けるというのは・・・ハ、ハ、ハックションッ!
き* だから博士、そのくしゃみは花粉症ですってば。

博士(以下、博)* きの子くん、さっきから何を食べておるのじゃ。
きの子(以下、き)* 豆ですよ豆。2月といえば節分!年齢の数だけ、さ、博士もどうぞ。あ、でも博士の年の数だけ食べたらお腹壊しちゃいますよ!お手伝いしましょうか。
博* 失礼な!まだそんな年じゃないわい!
き* わたしったらぁーまだまだ若いからぁー、食べ足りないんですよぉー。
博* むむむっ、嫌味な発言。豆をよこしたまえ!さっ、きの子くん!今月も張り切っていくぞ!!
き* まったくしょうがないなぁ。後でどうなっても知らないですよ!今月の作品は、OM‐2「作品No.5」です。
博* OM‐2は、真壁茂夫を中心に1980年に結成された、映像などを使ったマルチパフォーマンスグループじゃ。
き* 前衛的で実験的な作品を発表し続けているOM‐2。今回は2年ぶりの新作ということです。
博* OM‐2は、1994 年から海外公演を始め、シンガポール国際芸術祭、フランスのシグマフェスティバルなどなど、他にも国内外の多くの演劇祭に招聘され、カイロ国際実験演劇祭でのオペラハウス公演では「最優秀作品賞」受賞しておる。
き* 今回の作品も、すでにベルリン、プラハ、上海で好評を博してきました。それが遂に、東京へ上陸とあっては、見逃すわけには行きませんね!
博* 「OM‐2の創る舞台は、演劇の仮面を被っているだけで、演劇と呼べるようなものではないのかもしれない」。それは観るものにとっても“演劇”の概念や価値を問われるものかもしれん。
き* 観客が好む分かりやすさや心地よさ、テンポの良さ、特別な展開、それとは離れたところで展開される舞台。一体どんな作品になるんでしょう。
博* きっとこれまでの“演劇”に慣れてしまった人、それでは飽き足らない人に、新しい刺激を与えてくれることうけあいじゃ!
き* チラシにも独特の雰囲気がありますよね。赤い糸が印象的。何だかチラシを見てるだけでもワクワクしてきちゃいます。
博* 前衛的、実験的な作品に興味がある人はもちろん、そうではない人も、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがかな。
き* その通り! なんだか難しそう、なんて思って躊躇するのは損ですよね。一本の舞台が人生を変えることだってあるんですもの。
博* 今まで見たことのないジャンル、雰囲気の芝居をあえて選んでみることで、思いがけない発見があるかもしれぬ。
き* チラシはその案内人、なんですよね。
博* きの子くん、成長したのう!わしはウレシイ・・・あっ、うっ、ち、ちょっとわしの腹具合も前衛的な状況になったようじゃ。ト、トイレ・・・
き* もう!だから言わんこっちゃない!

きの子(以下、き)* 聞いてくださいよ博士!実家に帰ったら、小5の甥っ子がきてたんです。いつもは「おばさん」呼ばわりなのに「おねえさ〜ん」なんて・・・
博士(以下、博)* お年玉じゃな。
き* そうなんですよ!全く調子がいいったらありゃしないっ!
博* それで肝心のお年玉はあげたのかね。
き* あげましたよ。しょうがないから、500円。
博* ・・・きの子くん、いくら小学生といえど、少々少なくないかね。
き* いいんですよ。1枚じゃ嫌だなんて贅沢言うから、全部100円玉にして5枚あげました。アハ!まぁポチ袋の中身を見たとたん、また「おばさん」呼ばわりですけどね。でもいつか、わたしの厳しい愛情を分かってくれる日がくると信じてます!
博* う〜ん、いい話なんだかそうじゃないんだか・・・。
き* さっ、博士!今年最初のチラシズム、張り切って参りましょう!
博* そうじゃな。今年の初チラシズムは、BIGFACE PRODUECE『希望戦隊カルメンジャー第18話「嘘から出た真」の巻』じゃ。
き* 家族愛をテーマにお送りしてきた、笑いあり涙あり、誰でも楽しめるアットホームコメディー「笑う女。笑われる男」シリーズもついに第8弾。
博* 今回の主人公はヒーロー番組のメンバーとそのファンたちじゃ。
き* 20数年前、全国のちびっ子たちを夢中にさせた番組「希望戦隊カルメンジャー」。それから四世紀半が経ち、テレビの中で活躍していたヒーローたちも、夢中になっていた子どもたちも、皆、年を積み重ねました。
博* かつてのヒーローたちは今どうしているのか? なぜ、ファンたちは今でも応援し続けるのか? そして伝説の18話「嘘から出た真」の内容とは?元ヒーロー、ファン、そしてその家族が織りなすハートフルコメディーじゃ。
き* 作・演出は、ジェットコースターコメディーの担い手と称され、そのテンポの良さと笑いのセンスに定評がある伊沢弘。好評に好評を重ねたこのシリーズ、今度はどんな笑いと温かさを届けてくれるのか、楽しみです!
博* 力道山に鉄腕アトム、石原裕次郎、そして長嶋茂雄・・・。かつてヒーローと呼ばれた人々は、子どもたちだけでなく多くの人に夢や希望を与えてくれたものじゃ。
き* そういう意味ではヒーローって、常に時代や社会を元気にしてくれる源だったのかもしれないですね。でもわたしは、ヒーローに憧れるより、自分がヒーローになりたいな。
博* おっ、きの子くんにしては志の高いことを言うではないか。
き* とりあえずは手近なところから、甥っ子のヒーローになるために、お年玉の追加を渡してきます!
博* ・・・・・きの子くんのヒーローへの道は遠そうじゃの。

博士(以下、博)* どうしたんじゃ、きの子くん、相変わらずたるんだ顔じゃのう。
きの子(以下、き)* む、失礼なッ。もうすぐクリスマスだから色々妄想してたんですよ、ぐふふふ。
博* 妄想って、どうせ今年のクリスマスも一人なんじゃろう?
き* むむ、今のところはまだ何の予定もないですけど、クリスマスまでに素敵な出会いがあるかもしれないじゃないですか!
博* あと数日で?
き* むむむ、そうですよっ。もぉいいじゃないですか!楽しい夢でも見てないと、街中が浮かれるこの時期は独り身に寒さが沁みるんですっ!
博* まったく、同じ夢でも今回紹介する作品の「夢」とは大違いじゃ。さ、きの子くん、今回の作品にいくぞ!
き* ・・・結構真剣な悩みなのに〜・・・。
博* 今回の作品は、YOKO NARAHASHI+SHOW-GO produce「Dream of Passion」じゃ。
き* 演出・総合監修は、「THE LAST SAMURAI」を始め、ハリウッド作品への日本人のキャスティングを手がける奈良橋陽子さんです。
博* 舞台は幕末の日本。国を憂い、友を思い、まさに、夢と情熱をもって激動の時代を駆け抜けた男たちの物語じゃ。
き* かの有名な坂本竜馬が活躍していた時代です。日本は来るべき開国に向けて、大きな混乱の中にありました。
博* それは生きる事の意味、死ぬ事の答えが存在した時代でもあった。この物語の7人の男たちも、家族のため、仲間のために、本気で国を変えようと奔走したんじゃ。
き* 彼らがいたから、今の日本があるんですよね。
博* そんな志士達から、夢さえ曖昧になってしまった現代の日本人達は何を感じるんじゃろう。同じ日本人として深く考えさせられる作品じゃ。
き* 「仲間が死なんでもえい国に日本を変えるぜよ」かあ・・・・・・。それぞれ根本に抱く思いは一緒のはずなのに、時にすれ違い、ぶつかり合う。
博* それでも大きな夢は、人から人へ受け継がれていく。
き* 確かに、国や政治が大切なことは間違いないと思います。でも彼らが戦った理由、本当に守りたかったものっていうのは・・・・・・
博* おっと、きの子くん、ここから先は、是非劇場で見て頂かないとな。
き* そうですね博士!なんだか昔のお話じゃなくて、今を生きるわたしたちにとても大切なことを教えてくれるような・・・・・・そんな予感がする作品です。
博* 大きな夢を抱き、ひたむきにつき進む若者の姿にあやかって、きの子くんも、小さくまとまらず大きな人間になってほしいものじゃの。
き* そうですね、博士。わたしも今日、誰かから告白される気がしてきました!
博* ・・・わ、わかっとらん・・・。

きの子(以下、き)* うぇ〜ん、博士ぇぇぇ〜。編集長に、叱られちゃいましたぁ。
博士(以下、博)* すごい鼻水よのう。どうせまた何かやらかしたんじゃろう。
き* 確かに、ファックスを間違えたり、領収書をなくしちゃったり、お客さんに出したコーヒーの中に卵のカラが入ってたり・・・
博* ・・・どうやったらコーヒーに卵のカラが入るんじゃ?
き* 極めつけは、仕事の愚痴メールを間違えて編集長に送っちゃったんですぅぅ〜(涙)
博* そりゃ叱られるわな。まあ、そんなことはさておき、きの子くんの小さな悩みが一気に吹き飛ぶような作品を、今回は紹介するぞ。
き* 小さいとは何ですか!こっちは真剣ですよ!
博* 今回の作品は、大駱駝艦・天賦典式創立35周年公演「カミノベンキ」「カミノコクウ」じゃ。
き* 大駱駝艦といえば、1972年創設、麿赤兒主宰の舞踏カンパニー。今年で創立35周年を迎えたんですよね。
博* 数多くの舞踏グループ、舞踏手を世界中に送り出し続けている大駱駝艦。その様式を天賦典式(てんぷてんしき)と名付け、観客に衝撃と感動を与えておるんじゃ。
き* 博士、天賦典式って何ですか?
博* 天賦典式とは、「この世に生まれ入ったことこそ大いなる才能とする」という意味。大駱駝艦は、その天賦典式を実践し、常に忘れ去られた「身振り・手振り」採集、構築し、すでに60を超える作品を生み出しておるのじゃ。
き* 常に忘れ去られた「身振り・手振り」とは、我々が無意識に受け継いできた「ヒト」の身振り・手振り、その無作為の行為そのものなんですよね。
博* うむ。それらのものを麿赤兒独特の振付方法である“鋳型”に封じ込めると同時に、近代という時空に、時にそっと、時に激しく屹立させる。それが麿赤兒の創作なんじゃ。
き* 今回の作品は、「ヒト」の歴史を何百年から何千年と更にさかのぼり、人類誕生、ヒトが大地にヒトという意識なく立ったその一瞬を生捕りにしようという“魂胆”なんです。
博* 我々はなぜこの地球という惑星に降り立ったのか。2007年最後を締めくくる観劇に、是非お勧めしたい一本じゃ。
き* それにしても、ものすごい迫力のチラシですね。一体どんなステージになるのか、このチラシだけでわくわくしちゃいます!
博* いかにも。チラシでピンときた劇団にふらりと足を運んでみる。これこそチラシズムの極意。舞踏鑑賞未体験者の諸君も、この迫力満点のチラシにピンときたら、是非劇場へ!
き* 天賦典式かぁ。そうですよね、なーんだか悩んでたのがバカらしくなっちゃった。さ、仕事頑張ろっと!
博* やれやれ。

博士(以下、博)* おや、きの子くん、今日も昼飯はパンの耳かね。
きの子(以下、き)* はい、博士・・・観劇しすぎで、今月お財布が苦しいんですぅ(涙)。おかげで朝昼晩、パンの耳ですよ。
博* まぁまぁ、きの子くん、「人はパンだけで生きるのではない」、じゃぞ。
き* なんですか、それ?
博* 聖書の言葉じゃ。食費を削って得た舞台の感動は、食べ物以上にきっとこれからのきみの活力になるじゃろう。
き* そんなカッコイイこと言われたってお腹いっぱいにはなりませんよ!うわ〜ん!お肉が食べたいぃぃ!!
博* ・・・褒めたわしが間違っておったわい。
き* 博士!もたもたすればお腹が減るばかりです!今回の作品にいきましょう!
博* うむ。今回の舞台は、★☆北区つかこうへい劇団『二代目はクリスチャン』じゃ。
き* 白い肌に赤い刺青。シンプルな中にも強烈な印象のあるチラシですね。つかこうへいさんといえば、「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」。他にも数々の作品を発表していらっしゃいます。
博* 清楚可憐なシスターが、ヤクザの若頭にほれられてしまったがために、神戸を取り仕切る神竜組の二代目を襲名してしまう。『二代目はクリスチャン』は、1985年に「野性時代」に小説が発表され、同年井筒和幸監督・志穂美悦子主演で映画化された。
き* 舞台では、1999年に、東海村の原発事故、オウム事件、保険金殺人など、様々な社会問題を取り上げ、「二代目はクリスチャン〜東海村緊急特別バージョン」として上演されました。それから8年。ついに待望の再演が決定されたんです!
博* しかも本公演は初演の「特別バージョン」からは離れ、原作である小説・映画をベースにした、初のオーソドックス・バージョンじゃ。
き* 今回、構成・演出の大役に挑むのは、役者としてつかこうへいの舞台に出演する傍ら、数多くの有名舞台の脚本を手がけてきた渡辺和徳。そして、つかこうへいの下で長年鍛えられてきた劇団員、高野愛・北田理道・逸見輝羊らが出演します。
博* 一体、自分の父親を殺した相手と恋に落ちたシスター・今日子をどんな運命が待ち構えているのか。
き* 劇場に足を運ぶ前から、早くも気になってしょうがありません!あ〜早く観たいっ!
博* きの子くん、いいのかね?またパンの耳生活じゃぞ。
き* 何言ってるんですか博士!「人はパンだけで生きるのではない」っていう言葉、知らないんですか?パンの耳を食べ続けるくらい何てことありません!
博* ・・・幸せというべきかゲンキンというべきか・・・。

博士(以下、博)* こら!きの子くん、何で仕事中にサングラスをかけておるのじゃ。そんな恰好でいい記事が書けるわけないじゃろう!
きの子(以下、き)* うるさいなあ・・・ブツブツ・・・、外しますよ、外せばいいんでしょ!
博* ん?き、きの子くん、どうしたんじゃその顔は?
き* 日焼けどめ塗るの忘れて海行っちゃったんですっ!おかげで逆パンダなんですっ!も〜ぉ!だからサングラス外したくなかったのにぃ!うぇ〜ん!!
博* きの子くん、分かった!分かったから、涙をふいてサングラスをかけたまえ。君の笑顔あってのこのコーナーじゃ。さぁ今日も、いつもの笑顔で選りすぐりの作品を紹介しておくれ。
き* ヒック、そうですね、逆パンダだからって、凹んでる場合じゃないです!
博* ホッ。そうそう、その意気じゃ!
き* 今回の作品は、モダンスイマーズ「楽園」です。
博* 骨太な作風に定評があるモダンスイマーズ。作・演出は、話題作「東京タワー」の舞台脚本、映画「ピアノの森」を始め、幅広い活躍を続ける蓬莱竜太じゃ。
き* その人気の所以は何といっても、劇団内の絆の強さが反映される舞台づくりだと言われています。そんなモダンスイマーズが今回お送りするのは、幼少の頃を共に過ごした“仲間”の物語。登場人物は小学5年生の男女です。
博* 舞台は廃屋となったホテル。いつもそこで一緒に遊んでいる四人の男子生徒。でも彼らは決して仲がよいわけではなかった。何となくいつの間にか一緒に遊んでいる、そんな関係じゃった。
き* そこは彼らの秘密の基地。でもある日、その基地を最近転校してきた女子生徒に見つけられてしまいます。足をひきずるその女の子はクラスの嫌われものでした。
博* 我々大人は、ついつい子どもたちの世界をまるで無邪気な楽園のように考えてしまいがちじゃ。しかし、子どもの世界とは果たして我々が想像するような「楽園」なんじゃろうかの。
き* そうですね。自分も大人になった今だから思うけれど、子どもって意外と平気で残酷なことを言ったりしたりするような・・・・・・。
博* 朽ち果てた不気味な観光ホテル。子どもたちの「楽園」。それが果たしてどんな「楽園」なのかは、是非、劇場に足を運んで確かめていただきたい。
き* わたしも、もし今が子どもだったら、このサングラス焼けのせいでヒドイあだ名つけられたんだろうな、逆パンダとか。
博* うむ、もしくは妖怪パンダとか。きの子くんの言うとおり、子どもは残酷じゃからな。
き* よ、妖怪って・・・・・・博士が一番残酷です・・・。

博士(以下、博)* き、きの子くん、どうしたんじゃニヤニヤして。もしやついにこの暑さで頭が・・・
きの子(以下、き)* むふふふふ。実はわたし・・・結婚するかもしれないんですっ!
博* なぬ?!つい先日まで彼氏いない歴2●年を誇っておったきの子くんが、いきなり結婚?!!まぁおめでたいことじゃが…その物好きは一体どこの誰かね?もう付き合って長いのかね?
き* 昨日、合コンで知り合ったんですけど。でも、時間なんて関係ないと思うんですよね〜。要するに、フィーリング、っていうか。
博* ・・・きの子くん、念のために聞くが、その彼とそもそもお付き合いしておるのかね?
き* だって言われましたもん!「君みたいな人と結婚できたら幸せだな」って。
博* ・・・きの子くん、今回紹介する作品がこれでよかった。きっと君の目を覚ましてくれることじゃろう。今回の作品は『プリティー・ガール』じゃ。
き* “この秋一番のラブ・アクシデント”。まさに今のわたしにピッタリですねっ!
博* ・・・もう何を言っても無駄かもしれんな。
き* マジシャンに憧れて広告代理店を辞めたものの、なかなか芽が出ない構治。いつものように飲み屋で潰れたその翌日、目覚めると部屋には見知らぬ女、ユカリが。
博* 唖然とする構治に「昨日、お店で何度も『一緒に暮らさないか』って言ってくれたじゃない」と返すユカリ。それからユカリに押し切られる形で二人の奇妙な共同生活が始まる。
き* 一方、構治には8年間付き合っている元同僚の章子がいました。その章子に結婚を申し込もうと思った矢先、ある日突然「自分たちはただの友達であり、他に結婚を考えている人がいる」ことを明かされます。その上、仕事でも窮地に立たされ・・・
博* そんな時でも構治に尽くし続けるユカリ。しかし構治は章子に対する気持ちを断ち切れず、頑なにユカリを拒み続ける。
き* そして同居を始めて一ヶ月、ユカリが構治のためにとった行動とは・・・!主演に浅野温子と赤井英和を迎えてお送りするメルヘンのような男と女の恋物語、必見です!
博* 恋というものはいつでもアクシデント、運命のいたずらかもしれん。この恋の結末、見届けるしかないな。
き* わたしなんて早くも気になってしょうがありませんよ。どうかハッピーエンドでありますように!
博* きの子くん、わかったじゃろう。つまり、君もこのユカリと同じように・・・
き* 家に押しかけて居座っちゃえばいいんですね!よぉっし、いっちょやってみるか!
博* ・・・もう何を言ってもムダじゃ・・・。

博士(以下、博)* きの子くん、素麺は茹で上がったかね?
きの子(以下、き)* はい、博士!ゆで具合もバッチリですよ!はい、博士の分のつゆと、ねぎ、わさび、大場、海苔、あ、錦糸たまごもつくりましたよ!
博* うむ!!いただき……ん?きの子くん、それはなんだね?
き* 何って、はちみつですよ。あと、いちごジャムと、バニラアイス、ヨーグルトと……。素麺だから、何にでもあうんじゃないかと・・・、たぶん。
博* うっ、想像しただけで胸焼けが……
き* ほらほら博士、しっかりしてください!素麺の前に、今回の作品を紹介しなくちゃなんないんですから。
博* そ、そうじゃな。気を取り直して……今回の作品はスタジオライフ7月公演・The Other Life vol.7「孤児のミューズたち」じゃ!
き* スタジオライフは、このコーナーでも何度かご紹介した男性のみで構成された劇団です。
博* The Other Life とは、いまだ知られていないロンドンやニューヨークの小劇場の傑作を日本へというコンセプトの元97年に誕生した、スタジオライフの“もう一つの顔”じゃ。
き* 今回はカナダ最高の人気作家であり劇作家でもあるミシェル・マルク・ブシャールの「孤児のミューズたち」を本邦初上演します。
博* 舞台は1965年、カナダのケベック州、ラク・サン・ジャン地方の小さな村。小学校教師として勤めるカトリーヌは弟妹の行動に日々頭を抱えておった。
き* 周りから知恵遅れと白い目で見られている三女・イザベル。母親の格好を真似してスカートを履き続け、10年間も小説を書きつづけている自称作家の長男・リュック。それぞれの勝手気ままな言動に振り回されながら、長女・カトリーヌは諦めにも似た心境を抱いていました。そんな時、カナダ軍大尉でドイツに駐屯中の次女・マルティーヌがリュックの葬式に出席するために突然帰ってきて……。
博* それぞれが心に孤独を抱く家族。彼らが別離の道を選ぶ時、それは家族の崩壊なのか、新たな出発なのか。
き* 何もない平原にのびる一本の道を描いたチラシが示すものは、未来への静かな希望なのか、それとも深い孤独なのか。「孤児のミューズたち」、この夏必見の作品ですね!
博* さてそろそろ落ち着いて素麺を食べるとするかの……って、きの子くん!なんでわしの素麺を食べておるのじゃ!
き* だってやっぱりはちみつ素麺はイマイチだったんですもん。博士にあげます。やっぱり素麺はわさびと海苔だわ〜♪
博* わ、わしの素麺〜(涙)

博士(以下、博)* お、どうしたんじゃ、きの子くん。
きの子(以下、き)* ハァ……。なんだか最近梅雨のせいでストレスが溜まっちゃって……。
博* なーにがストレスじゃ!そんなもの、劇場へ行ってバーンと素晴らしい作品を見れば一発でふっとぶぞ!第一、これだけぐうたらしておいて一体なんのストレスやら。
き* ストレスの原因は目の前にいるんですけどねー。
博* 何じゃと!
き* まぁ博士、今回の作品に行きましょうよ!今回の作品は、enji「観覧車のみる夢」です。
博* おお、まるで真夏の太陽を髣髴とさせるようなデザインじゃな。
き* チラシのイラストは、これまで数々のアートワークを手がけてきた切り絵作家兼イラストレーター、そしてVJでもあるムートンチャック氏が担当しました。本格的な夏が待ち遠しいこの季節に一足先に夏を届けてくれる、そんな一枚です。
博* そしてenjiといえば、今年で結成10周年。“家族の絆”を主なモチーフに描いてきた劇団じゃな。
き* 今回の話も家族の話なんですよね。3兄弟と遊園地をめぐる物語。
博* 閉園が決まった遊園地に久しぶりに集まる3兄弟。そこはかつて子供の頃遊んだ場所であり、また別れた母が働いていた場所でもあった。
き* そんな思い出がつまった遊園地に、ある事件が起こります。家族や遊園地の職員、近くの住民も巻き込んで、それぞれの思惑がぶつかり合っていく……。
博* メッセージを伝えることよりも、観る側の心に染み込むような、誰もが持っている不変的な感情や『温度』を表現したい、というenji。爽やかな初夏に、くすっと笑えてホロリと泣ける、そんな物語を届けてくれるはずじゃ!
き* また「劇団員の多くも現在30代後半にさしかかった今、それを生かした等身大な『家族』を取り巻く風景を描いていきたい」とのことですよ。
博* 家族とひと言で言っても、ずっとひとつの形でありつづけるわけではない。自分はもちろん、それぞれが年を重ねることで常に変化し続けるものじゃ。
き* そうですね。そして人の数だけ家族の形がある、ですよね。
博* いかにも。「家族」とは、誰もが抱える最も身近なテーマかもしれんな。
き* あー、なんだかこのチラシ見てると、ウジウジしてるのがバカらしくなりました!じゃんじゃん取材して、素敵な舞台を伝えなくっちゃ!!・・・あ、でもその前に博士、取材にはいていく素敵なレインブーツを買いに行ってきまーす♪
博* うむうむ、それがいい……って、きの子くん!元気になった途端サボリおって!

きの子(以下、き)* 博士〜、わたしの机の上に、何やら怪しい包みが乗ってるんですけど…
博士(以下、博)* 怪しいとは失礼な!わざわざ人が、ゴールデンウィークで行った北海道のお土産を買って来てやったというのに。
き* えっ、嬉しい!ありがとうございます!!北海道と言えば、白い●人、ロ●ズ、バターキャラメル……あ〜何だろう♪…………ん?何コレ?
博* どうじゃ!立派な木彫りの熊じゃろう!!北海道といえば木彫りの熊!見たまえきの子くん、熊のくわえているこの鮭の躍動感!・・・ん?どうしたきの子くん、何か不満そうじゃな。
き* えっ?あ、と、とんでもないですよ、博士!ありがとうございます!気に入りました!毎晩抱いて寝ます!!
博* うんうん、そんなに気に入ってくれてわしも嬉しいぞ!何ならあと2、3体持って行くかね?
き* ・・・いや、結構です・・・。ほ、ほら、博士、そろそろ今回の舞台をご紹介しないと。
博* おぉそうじゃった。今回は、音楽座ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』をご紹介するぞ。
き* 『坊っちゃん』。夏目漱石の代表作ですね。
博* うむ。この物語は、文豪・夏目漱石が、『坊っちゃん』を書き上げるまでの11日間を描いた物語なんじゃ。
き* 時は明治三十九年初春。前年、雑誌「ホトトギス」に『我輩は猫である』を発表して好評を博した漱石は、小説家としての一本立ちを願ってはいるものの、なかなか踏ん切りがつかずにいた。その苛立ちを妻の鏡子に向け、女中にまで神経病扱いされる中、亡き正岡子規に代わって「ホトトギス」を編集する高浜虚子が訪れる。
博* 正岡子規。明治を代表する文学者じゃな。結核のため、若くして亡くなってしまったが、夏目漱石とは深い親交があったそうじゃ。
き* 漱石は虚子に小説『坊っちゃん』の構想を打ち明けます。そして、自分自身の思い描く理想の姿を坊っちゃんに、そしてその友となる山嵐に病死した親友・正岡子規の姿を重ね合わせ、二人の痛快な冒険を書き進めていきます。
博* この『アイ・ラブ・坊っちゃん』は、「日本のオリジナルミュージカルの到達点」と絶賛された音楽座ミュージカルの記念碑的作品。今回再び、新たな歴史を刻むために帰ってきたのじゃ!
き* そして文学作品のお堅いイメージを打ち壊すようなこのチラシ。一体どんな舞台になるのか、わくわくしますね!
博* うむ。一体その作品が書き上げられるまでにどのようなドラマがあったのか。それもまた、文学作品の一つの楽しみ方と言えるかもしれんな。

き(以下、き)* はぁ〜る゛のォ〜う゛らぁら゛ぁのォ〜♪♪♪
博士(以下、博)* きの子くんっ、何があったんじゃ!!
き* わっ、博士!びっくりしたぁ、いきなり大声出さないでくださいよ。
博* いや、動物が首を絞められているような声がしたんで飛んできたんじゃが。
き* し、失礼なっ!滝廉太郎の「花」ですよ。こんな天気がよくて気持ちいい日には、つい口ずさみたくなっちゃうんですよね!
博* 「花」なら、わしも小学校の頃はよく歌ったものじゃ。しかし、何たるひどい有様じゃ。滝廉太郎も草葉の陰で泣いておるわい。
き* むむむむっ。ところで博士こそ、わたしが埃にまみれて資料整理している間、どこに行ってたんですか?
博* ぎ、ぎくっ・・・、つ、ついウトウトと昼寝し・・・、す、すまん!その代わり、今回はとっておきのオススメ舞台をわしが紹介するぞ!H・アール・カオスダンス公演『DropDeadChaos』じゃ!
き* H・アール・カオスといえば、演出・振付家の大島早紀子とダンサー白河直子によって設立された日本を代表するダンスカンパニーですよね。
博* うむ。独自の美意識と哲学に支えられた大島の空間感覚溢れる作品と、衝撃的な天才ダンサー白河の究極の身体造形とにより、国内外で圧倒的支持を集めておるカンパニーじゃ。
き* 何でも、今回の『DropDeadChaos』では、何やら必見のコラボレーションが実現するっていう噂を耳にしたんですけど。
博* おっ、耳が早いな、きの子くん。今回は何と、天才舞踊家白河直子と、幅広い活躍で今大注目のダンサー新上裕也、そして日本が世界に誇るブレイクダンサー群青、この3人のコラボレーションが実現するんじゃ!
き* ダンサーとしても振付家としても注目を浴びている新上裕也、そして数え切れないタイトルを手にしてきただけでなく、ダンサーという枠を超えて活躍している群青。一体どんなステージになるんでしょうね!今からワクワクします!
博* H・アール・カオスがお送りする“究極の白日夢”。見逃す手はないぞ、きの子くん!
き* もちろんです!じゃあわたし、これから舞台の予習として白日夢を見てきますね!博士、あとよろしくお願いしますね。
博* な、なにっ?きの子くん、サボる気か?!
き* 博士が気持ちよーくお昼寝している間に半分以上済ませましたから、このくらいはどぉってことないですよねー博士?
博* ・・・は、はい。あぁ、わしも今すぐ白日夢の世界に帰りたいわい(涙)

博士(以下、博)* きの子くんっ!・・・また居眠りしおって!まったく温かくなってきたとたんにコレじゃ!
き(以下、き)* だって昨日、徹夜で原稿書いてたんですよぉ。だから眠くって眠くって・・・ふわァ・・・
博* あくびをするでないっ!仕事中に日向ぼっこなぞしておるから眠くなるんじゃ!
き* 博士、お日さまの光をあなどってはなりません。太古の昔から人間を照らし続けた大自然の恵み、あなどると恐ろしいことが・・・・・・
博* きの子くんの顔の方が恐ろしいわい。
き* むむむ、失礼なッ!本当なんですよ!太陽の光は温かくて気持ちがいい、それだけじゃないんです。太陽の日差しが当たらない、そんなオフィスでは、人の心も変わってしまうんですから!
博* なぬ?どこかで聞いた話じゃな。
き* さすが博士!今日ご紹介する劇団離風霊船の『光あれ!』。もちろん博士もチェック済みですよね。
博* むろんじゃ!大きな窓から太陽の光がさんさんとふりそそぐ、とあるオフィス。しかしある時、隣接する空き地に高層ビルの建築が始まったことで、昼間でも明かりをつけなければならないほどになってしまう。
き* それを機に、活気に満ちていたオフィスは一転し、暗く陰湿なものに様変わりしてしまいます。そして、一見幸せそうに見えていた社員たちがそれぞれに抱える問題、その虚栄や繕いが次々に暴かれていってしまうんです。
博* そんな時、それぞれの胸に去来したのは、本来あるべき自分たちの姿だった。暗いオフィスからの脱却を決意した社員たち。さぁ、その運命はいかに!
き* 劇団離風霊船は、今年で結成24年目。今回の作品は、これまで「家族」を中心に、世相や現代社会の問題を浮き彫りにしてきた大橋泰彦が、舞台をオフィスに変えてお送りするブラックコメディーです。
博* 大胆な舞台転換にも定評がある劇団離風霊船。劇団員自らの手で製作されたこだわりのからくり舞台装置にも注目じゃ!
き* 人は誰だって心の中に闇をもっている。でもそれ以上に、太陽に向かってぐんぐん伸びるひまわりの様なパワーを持っているんだって信じたいですよね。
博* たまにはいいことを言うではないか。このオフィスの人々は、再び笑顔を取り戻すことができるのか。その結果は、ぜひ、劇場で確かめていただきたいのぅ。
き* さ、博士、わたしたちのオフィスにも、もっと太陽の光を入れましょうよ!そしてお休みなさーい。
博* まったく、きの子くんはひまわりというより、ウドの大木じゃ!
き* zzzz・・・・・・
博* ・・・・・・聞いてない。

博士(以下、博)* おお、きの子くん、おはよう…ってなんじゃ!その・・・、そのメイクは!!
き(以下、き)* えっ、ダメですか、コレ。確かうちの会社の就業規則にはメイクのことは何も…
博* 社会人としての常識というものがあるじゃろう!それに……なんでレオタードなんじゃ!!
き* あっ、今日は朝一でダンスのレッスンだったんですよ〜。間に合いそうになかったからそのまま上にコート着て来ちゃいました、アハ。
博* アハじゃない!全く態度だけはどんどんでかくなりおって…。とりあえずその化粧を落としてきなさい!
き* えーっ、いいじゃないですかぁ、たまには。今日は紹介する作品のために気合入れてきたんですよぉ。
博* なんじゃ、今日紹介する作品というのは?
き* シルク・ドゥ・ソレイユ『ドラリオン』です!!
博* おぉ“世界が恋したドラリオン”じゃな。まぁきの子くんのいでたちは「恋」されるには程遠いが……。
き* むむむ、失礼なッ!
博* そもそもきの子くん、『ドラリオン』とはどういう意味か知っておるか?
き* もちろんですよ博士。『ドラリオン』とは、東を代表する龍、ドラゴンと、西を代表する獅子つまりライオンからなる造語です。
博* 中国が誇る伝統芸術と現代の西洋文化を代表するシルク・ドゥ・ソレイユの驚異的パフォーマンスが融合した作品、それが『ドラリオン』じゃ。
き* ちなみに、人類と自然の共存を求める東洋的哲学からインスピレーションを受けて生み出されたんですよね。
博* いかにも。『ドラリオン』は、生命と自然界の秩序を保つ4つの力、「空」「水」「火」「土」を賛美し、この4つの要素がショーの重要なキーワードとなっておるんじゃ。これらは自然界に欠かせない要素であり、そこにある生命は、過去、現在、そして未来へと永遠に続いていく。
き* 空気のように澄み、水のように柔らかく、火のように素早く、地がどっしりと構えている……東洋哲学の要素をダイナミックに取り入れたこのショーは、そんなイメージを連想させます。
博* 何といっても見所は、人間の限界を超越した目を見張る神業の数々じゃな!
き* わたしは、衣装が楽しみです!
博* 東西の素晴らしい文化を融合し新たな境地を切り開いた演出や音楽、光と影が織りなす幻想的なステージ、全てが一体となった時、きっと今まで見たことのない夢と幻想の世界が現れること間違いナシじゃ!
き* このチラシみたいな世界が本当にあるなんて、夢みたいですよね!博士!!

きの子(以下、き)* 博士!あけましておめでとうございます!!
博士(以下、博)* お、きのこくん、おめでとう。ところで、新年早々大荷物じゃな。いったい何を・・・どれどれ、おぉ、コマに羽子板、凧にカルタ、すごろくに福笑いまであるではないか!
き* 今日は伝統的なお正月の遊びを博士に教えてもらおうと、持ってきたんですよ。ザ・お正月っていう感じの過ごし方をして、そんな新しさを見つけてみようと思って。年賀状までメールで済ましちゃう人が増えてきましたしね、特に若い人たちの間では。
博* 時の流れとはいえ、味気ないのう。
き* でも博士、そういった古い伝統って、逆に今見てみると新しく見えたりするんですよ。
博* きの子くんにしては殊勝な心がけじゃ。この調子だと、今日紹介する舞台も期待できるのう。
き* もちろんです!2007年の幕開けに相応しい作品をご紹介しますよ!今回の作品は、ヤン・ファーブル「わたしは血」〜中世妖精物語〜です。
博* 国際的に活躍している芸術家、ヤン・ファーブルが、テキスト、振付、舞台美術を担当。これはきの子くんの言うとおり、新年に相応しい豪華な一本じゃな。
き* ヤン・ファーブルは、1958年ベルギーのアントワープ生まれ。その活動は、パフォーマンスや演劇、ダンス、オペラ、脚本、造形美術と広範な領域にわたり、 ベルギーのみならず海外でも最も多才な前衛アーティストとして知られています。
博* ちなみに豆知識じゃが、ヤン・ファーブルの曾祖父は『ファーブル昆虫記』で有名なアンリ・ファーブルじゃ。
き* 人間の本質は、中世以来、変わっていない!ヤン・ファーブルが、「血」をテーマに人間の本性を描き出します。
博* ヤン・ファーブルの美術家としての才能が遺憾なく発揮されるこの作品、どのシーンをとっても絵画のように美しい、そんな舞台に期待が膨らむな!
き* 色々なフィールドをまたにかけて表現活動を行なっている方ですからね。きっとわたしたちの想像を超える舞台が繰り広げられるに違いありません!
博* じゃあきの子くん、わしからのお年玉じゃ。チケットをプレゼントしよう。
き* ええっ、本当ですか、博士?!!熱でもあるんじゃないですか?
博* むむむ、失礼な!わしとて弟子を可愛がる気持ちぐらい持っておるのじゃ。さあ、都合の良い日にちを言いたまえ。
き* えっ、えーっと・・・やっぱりいいです、自分で買って行きます・・・。いざ優しくされると大地震か何か起こりそうで怖いんですもん。
博* きの子くん!

博士(以下、博)* ん?どうしたんじゃ、ケーキなぞ用意して。・・・あっ、そういえば今月はわしの誕生日じゃ!きの子くん、覚えてくれておったんじゃのう。うんうん、わしは嬉しいぞ!どうもありがとう!!
きの子(以下、き)* えっ、ちがいますよぉ博士!この号で我らがカンフェティが2周年を迎えるんです!!あ〜めでたい♪ あ、博士も今月誕生日だったんですね。ついでにおめでとうございま〜す。
博* つ、ついでとは失礼な!
き* まあまあ博士、カンフェティあっての我々ですから、ここは素直にお祝いしましょうよ!
博* まぁ少々腑に落ちんが確かにそうじゃ!この2年間、チラシを通して舞台の素晴らしさを読者のみなさんにお伝えしようとしてきたわけじゃが、まだまだ舞台とチラシの世界は奥深い。
き* 今後とも、カンフェティをよろしくお願いいたします。そしてチラシズムも!あ、ついでに彼氏募集中です!!
博* きの子くん、職権乱用は止めたまえ!まったく、くだらんことばかり考えつくのは2年たっても全く変わらんのう。さ、今回のチラシの紹介を始めるぞ!
き* くだらないって・・・こっちは切実なのに。今回のチラシは、シアター1010劇場内劇場・ミニJ(イレブン)の企画第二弾、エドワード・オールビー作「動物園物語」です。
博* 大都会で孤独に生きる男・ジェリーと家族や仕事にも恵まれた男・ピーターという対照的な二人が偶然出会い、会話を交わし始める。それが進むにつれ、物質的には満たされた社会の中にあって、孤独感や疎外感、喪失感、ぶつけようのない不満など、精神的には満たされていない心の問題が明らかにされていく。
き* 約50年前の戯曲でありながら、現社会においても多くの人が抱えている問題を描きだしている作品ですよね。
博* そして、いまだからこそ上演する意味のある作品でもあるな。
き* 今回はピーター役に歌舞伎役者・市川段治郎、ジェリー役にロックシンガー・貴水博之という異色の組み合わせが実現しました。本格的なストレートプレイは初めてというこのお二人に注目です!
博* ミニJというのは、従来の劇場スタイルを使用せず、より身近に舞台を感じてもらうため、奥行きのある舞台上に客席を組み、その座席数を250席〜300席とタイトにするというもの。舞台と観客との一体化がより鮮明な感動を届けてくれるはずじゃ。
き* どこをとっても必見なこの舞台!あとは一緒に観に行ってくれる方、編集部まで是非ご一報ください!
博* だからきの子くん、自分の彼氏ぐらい自分で見つけたまえ!

博士(以下、博)* やぁやぁきの子くん、実に気持ちのよい秋晴れじゃ!
きの子(以下、き)* 博士、せっかく紅葉狩りに来たんですから、何かしましょうよ!
博* おお、そうじゃな!わしは趣味の俳句でも・・・ん?きの子くんは袋なぞ持って何をしておるのじゃ?
き* 松茸ですよ、松茸!この山では松茸が取れるらしいんです。
博* おぉ松茸か。土瓶蒸しに松茸ご飯、・・・そのまま焼いてもいいな!
き* 違いますよ、食べるんじゃなく、売るんですよ。国産の高級松茸をいっぱい売ったら、今月の生活費ぐらいは・・・むふ。
博* きの子くん!こんな雄大な景色を前に、なんとみみっちいことを!わしは情けないぞ!
き* だってぇ、景色じゃお腹いっぱいにならないじゃないですか。
博* 全く、美しいものを世に広めるチラシライターにあるまじき発言じゃ。
き* 博士、その点はご心配なく!今回もとびっきりの一枚を用意してきましたから。今回ご紹介するチラシは、スタジオライフ『銀のキス』です。
博* おぉスタジオライフか!以前『夏の夜の夢』でも登場していただいたな。今回はどのようなストーリーなんじゃ?
き* 今回は吸血鬼の青年と人間の少女との淡く切ないラブストーリーです。300年生きてもなお美しいヴァンパイアの青年と、淋しい目をした人間の少女の物語。ちなみにスタジオライフは脚本・演出の倉田淳さん以外全て男性で構成されている劇団です。一体どんなラブストーリーになるのか、本当に楽しみですね!
博* 明るい日差しのさす木陰、生き生きと茂る木立と、暗闇に生きる暗い目をした青年の対比が印象的なチラシじゃ。全く別の世界に生きる二人の恋物語。想像しただけでなんだか切ないのぅ・・・
き* スタジオライフが『DRACULA』『ヴァンパイア・レジェンド』に続きお贈りする「血の伝説シリーズ」第3弾公演となる『銀のキス』。現代アメリカを舞台に繰り広げられる、孤独な少女と美しい吸血鬼の青年の出会いと別れ。必見です!!
博* きの子くん、切なくなったらなんだか腹が減ったぞ。
き* しょうがないな〜。ちょっと早いけど、昼ごはんにしましょう。ハイ!さっきわたしがとった松茸です!ちょっとだけですよ、あとは売り物なんですから。
博* いつの間にこんなに沢山・・・って、きの子くん・・・これは・・・松茸によく似た毒キノコじゃ!
き* えっ、嘘!?さっき一本食べちゃった!!!
博* きの子くん!わしに隠れて一人で松茸を食べようとしたな!!
き* そんなことより、た、助けてぇ〜(涙)

博士(以下、博)* きの子くん!火事じゃ!!ゲホッ、す、すごい煙じゃ、早く逃げたまえ!!しかもいいにおいが・・・ん・・・いいにおい?!
きの子(以下、き)* あ、博士おかえりなさーい。博士もどうですか、サンマ。
博* き、きの子くんっ!室内で何をやっとるんじゃ!!今すぐ火を消したまえっ!
き* えーっ、まだよく焼けてないのにぃ。
博* きの子くんっ!!
き* じょ、冗談ですよぅ。そんなに怒んなくたっていいのに。あーぁもったいなーい。
博* 誰も食べるなとは言っとらんじゃろう。そういうことは外でやりなさい!
き* じゃ、博士、後で秋の星空でも見ながらサンマパーティしましょう!そしたら、いいにおいにつられてわたしの所にも星の王子さまがやって来るかも〜♪
博* そういえば今回のチラシは・・・
き* 音楽座ミュージカル「リトルプリンス」です!
博* 言わずと知れたサン=テグジュペリの名作『星の王子さま』じゃな。
き* わたし、小さい時から『星の王子さま』大好きだったんです!子どもの頃はかわいい絵とか、王子さまが色々な星を旅するのが面白いなぁって、単純にそれだけだったんですけど、『星の王子さま』のすごいところって、大人になって読み返した時に色々な発見や感動があるんですよね。
博* “心でみなくちゃ、ものごとは見えないんだ。かんじんなことは、目には見えないんだよ”かね?
き* まさにその通り!子どもの頃は分からなかった言葉の意味が今わかるというか。
博* きっときの子くんのような人は多いんじゃないかな。
き* この『星の王子さま』の挿絵も、見るたびに何となくホッとするんですよね。優しい気持ちになれるというか。そんな『星の王子さま』が原作のミュージカル、「リトルプリンス」。今からとっても楽しみです!!
博* 実は「リトルプリンス」が上演されるのは初めてではないんじゃよ。平成五年度には文化庁芸術賞を受賞しており、今回は全国のファンの根強い希望の結果、再演が実現したんじゃ。
き* “音楽座ミュージカルが本当に描きたかった物語”。60年前に書かれた『星の王子さま』は「リトルプリンス」に姿を変え、現代のわたしたちにとって大切なメッセージを届けてくれるはずです!
博* うむ。誰もが一度は子どもの頃読んだであろう『星の王子さま』。舞台に足を運んで、あの頃とはまた一味違う感動を手に入れてみてはいかがかな。‥‥さっ、今すぐ近所の河原に行って、星を見ながらサンマを焼くぞ!実はわしはサンマに目がないんじゃ!!
き* もぅ、さっきは怒ったくせに!

博士(以下、博)* き、きの子くん、なんじゃその顔は!火傷でもしたのかね?!
きの子(以下、き)* 違いますよぉ。パックですよ、美白パック。夏休みに行ったハワイですっかり焼けちゃったから、こうしてお手入れしてるんです。
博* なんじゃ、そういうことか・・・って、研究室で何をしよるか!
き* 博士!肌のお手入れっていうものはですね、一刻を争うんですよ!こうしてる今でも、肌は刻々と年をとっているんです。ケアの差が10年後に出るんです、10年後にっ!
博* ふむふむ、成る程な・・・って納得できるわけなかろう!さっさとその顔面シールを取りなさい!・・・ん?・・・そういえばひそかに期待していたハワイ土産は?
き* ぎくっ。まぁまぁ博士、心も身体もリフレッシュしてこそいい仕事ができるんじゃないですか。それが何よりのお土産ってことで。
博* 口ばっかり達者になりおって。
き* いやいや、今日はその成果を発揮すべく、とびきりのチラシを用意してきましたよ。
博* ほう、そのリフレッシュの効果を拝見するかの。
き* まかせてください!今回は歌舞劇「田園に死す」です。
博* 寺山修司じゃな。おっ、このチラシは、寺山とも交流のあった宇野亜喜良氏の作品ではないか。
き* そうです。幻想的で甘美、今なお文学少女たちを惹きつけてやまない宇野亜喜良のイラストレーション。本当にこれだけでうっとりしちゃいます。
博* そういえば去年も同じく寺山の「血の起源」が、今回と同様に安寿ミラ主演で上演されたのう。
き* はい。今回はその「血の起源」を発展させた作品だとか。さらに幻想的に繰り広げられる世界に要注目です!
博* 「田園に死す」といえば、同名の歌集や映画もあるが。
き* はい。映画「田園に死す」は歌集をもとに書き下ろされ、寺山自らが監督を務めました。
博* 自身の少年時代を取り扱った自伝的色彩の強い作品じゃな。
き* この歌舞劇「田園に死す」では、寺山少年の夢の中に、火を吐き、宙を舞い、百の顔をもち、変幻自在に肉体を変化させる中国からの不思議なサーカス団が現れる、という幻想的な作品になっています。
博* 『亡き母の真っ赤な櫛を埋めに行く恐山には風吹くばかり』。寺山という一人の天才が生み出した世界が、今度はどんな風に繰り広げられるのか。うむ、実に興味深い。きの子くん、なかなかよい「お土産」じゃったぞ。
き* ありがとうご・・・うっ・・・
博* どうしたんじゃ?!
き* 博士が素直に褒めてくれるなんてめったにないから、ちょっと気持ち悪くなっちゃいました・・・
博* きの子くん!

きの子(以下、き)* ・・・おはよーございまーす・・・
博士(以下、博)* おはよう。どうしたんじゃ、目の下にクマなどつくって。さてはまた、昨日夜遅くまで夜遊びしおったな。
き* ちがいますよぅ・・・テレビで稲○淳二の怖い話を見たら、よく眠れなかったんですよぅ・・・
博* まぁこの時期はそういう番組が多いからな。見なければよかろうに。
き* やってたらついつい見ちゃうんですよぅ。そして眠れなくなっちゃうんですよぅ。もぉいい加減にしてほしい!!
博* ・・・完全に八つ当たりじゃな。で、どんな夢だったんじゃ。
き* ・・・テレビの画面の中から・・・、白目をむいた博士がズリッ、ズリッ、っと這い出てきたんですぅぅぅ!!!!ほんっと怖かったんですよ!あの博士の顔!!
博* 人を勝手に夢に登場させるでない!
き* むっ、博士だって勝手に人の夢に出てこないでくださいよ!
博* まぁ今回紹介する作品は、同じ夏の夜の夢でもきの子くんの夢とは大違いじゃな。
き* むむむっ、残念ながらそれは認めます・・・
博* 今回紹介するのは、スタジオライフ「夏の夜の夢」じゃ。
き* 言わずと知れたシェイクスピアの名作ですね。
博* 劇団スタジオライフは男優のみで構成された劇団で、今年で創立21年目。これまでも文芸耽美作品や少女漫画を数々舞台化し、男優たちの織りなす美しい舞台は女性客のみならず多くの演劇ファンを魅了し続けておる。
き* ちなみに、シェイクスピアが活躍していた15〜16世紀も英国の舞台役者は全て男性だったため、スタジオライフと同様、男性が女性役も演じるというスタイルがとられていたそうです。
博* 今回の「夏の夜の夢」は、“人生の祝祭”がテーマ。若手キャストをメインに、歌あり、踊りあり、衣装も全てオリジナルデザインで全く新しいシェイクスピアの世界に出会えること間違いナシじゃ!
き* 幻想的なチラシが何か起こりそうな妖しくて美しい夜を思わせますね。それに何といっても・・・男優さんがステキっ!!
博* うむ、きの子くんもこの色気を少々見習った方がよいな。
き* 失礼なっ!でも博士〜、どの男優さんも素敵でどっちを見るか迷いますぅ〜。
博* そうそう、この舞台はダブルキャスト。気になる男優が出演する回を観るのもよいが、両方観て2倍楽しむという手もあるぞ。同じ作品であってもきっと違う楽しみ方ができるはずじゃ。
き* そうですね!じゃあ両方見ちゃお♪あ〜ステキな夢が見れそうだわ。
博* ま、きの子くんは常に夢を見てるようなもんじゃけどな。

きの子(以下、き)* タ〜タラリラリ〜ラリ〜ラ♪
博士(以下、博)* ど、どうしたんじゃ、きの子くん!具合でも悪いのか?!
き* ひ、ひどい、いきなり失礼な!ほら、見てくださいよタラリラリ〜♪・・・
博* それはもしかして・・・
き* そう、ズバリ、
博* 阿波踊り、かな?
き* ガクッ。も〜博士は舞台の専門家でしょう!何でわからないんですか。バレエですよ、バ・レ・エ!
博* あぁなるほど、そう言われれば・・・・・・阿波踊りにしか見えんのう・・・
き* むきーっ!!いいですよーだっ。いつの日か博士をぎゃふんと言わせますからねっ。
博* にわかにバレエなんてどうしたんじゃ、きの子くん。
き* それが、東京シティ・バレエ団の「白鳥の湖」について調べていたら、どうしてもバレエがやりたくなっちゃって、今バレエ教室に通ってるんですぅ♪
博* きの子くん、前屈してみなさい。
き* えっ、それぐらい楽勝・・・あれ、床に指先が・・・全然届かない。
博* よくそれでバレエなんてやれたものじゃ。さ、東京シティ・バレエ団の「白鳥の湖」について、きの子くん、報告を。
き* はーい。「白鳥の湖」は言うまでもなくバレエの代名詞といわれるほど有名な古典作品のひとつです。悪魔の呪いにより白鳥の姿にされてしまった王女オデット。王子ジークフリードはオデットと出会い、二人は恋におちます。オデットとの永遠の愛を誓った者だけがその呪いを解くことができる。しかし、王子はオデットそっくりな悪魔の娘にだまされ、愛を誓ってしまうのです。
博* うむ。この白鳥の湖、ストーリー展開やエンディングが、演出家によって様々な解釈がされる。オリジナルの台本は白鳥オデットと王子ジークフリードが湖に身を投げて心中する、というものじゃな。
き* はい。だけど、東京シティ・バレエ団の「白鳥の湖」は違います。私たちに、希望と感動を与えてくれる、そんな展開が用意されているんです。
博* 清らかな湖に映った白い羽、そして水面にきらめく輝く光。「希望」や「未来」が垣間見える、そんなチラシじゃ。
き* そして見所は、東京シティ・バレエ団が得意とする一糸乱れぬ群舞、黒鳥(オディール)のグラン・フェッテ・アン・トゥールナン、連続32回転!あ〜想像しただけでゾクゾクします。私もいつかは・・・
博* きの子くんは、三日坊主にならない程度にせいぜい頑張るんじゃな。
き* もーぉ、そんなこと言ってると本当に後悔しますからねっ!絶対上手くなってやるっ!!
博* “最高のバレエを身近な劇場で”。バレエファンはもちろん、今までバレエを観たことがない人にも、是非観てほしい作品じゃ。