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菅野由弘



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菅野 由弘(かんの よしひろ、1953年10月6日 - )は日本の現代音楽作曲家。東京都出身。
1980年、東京芸術大学大学院修了。1979年に「弦楽四重奏曲」がモナコ・プランス・ピエール国際作曲賞に入賞して以来、現在に至るまで活発な活動を行っており、海外でも多くの作品が演奏されている。
現在、早稲田大学理工学術院基幹理工学部表現工学科教授。

来歴

「弦楽四重奏曲」はモナコ・プランス・ピエール作曲賞(1979年)の3年前―1976年の芸大在学中に作曲されたものである。在学中にはこの翌年の「冬の神話?」他複数の作品を学内で発表しているが、1978年に「あぽろんの会」委嘱による「合唱と打楽器のための『冬の神話?』」を学外ではじめて披露し、自らはこれをデビュー作品としている。以後、国内外の幅広い依頼主からの委嘱を受け、精力的に作曲活動を行なう。

現代音楽の作曲家としては珍しい多作家であり、特に伝統楽器による音楽は1978年に国立劇場の舞楽法会において雅楽「総礼伽陀附楽」が演奏されて以来、重要な位置を占めることとなる。同劇場ではプロデューサー木戸敏郎を中心とする伝統音楽の見直しおよび再創造のためのプロジェクトに関わり、多くの作品を生んだ。また僧侶の歌唱による仏教音楽である聲明(しょうみょう)に早くから魅力を感じており、高校生の頃には国立劇場の鑑賞会である「あぜくら会」に入り、公演に通っている。

1986年にはNHK電子音楽スタジオの委嘱により「時の鏡 I ――風の地平」を作曲。プロフィールで紹介される菅野の音楽における3つ目の柱―<西洋楽器による音楽>、<伝統楽器による音楽>につづく<電子音楽素材>への取り組みを始める。1988年のスイス・チューリッヒ・コンピュータ・フェスティバル委嘱による、電子音楽「聲明による『綴れ織り I 』」は早くから関心を示していた聲明の(西洋音楽の合唱には無い)「個」の声の集積による音響美を、電子音響との合成によってさらに立体的にクローズアップすることに成功したと評される。

作品の対象は芸術音楽(自身の言う「シリアスミュージック」(後述)の方法論による音楽)の他、映画音楽(「天使のたまご」、「グスコーブドリの伝記」等)やNHK大河ドラマ「炎立つ」等テレビの音楽、「NHK・FMシアター」等ラジオの音楽、施設の空間環境音楽やリラクゼーション・能力向上のための音楽、映像美術やインターネットプロジェクトとのコラボレーション、ロボットの舞踊パフォーマンスのための音楽等、多岐に渡る。放送のための音楽ではNHKからの依頼が多く、ドラマやドキュメンタリー番組の音楽の他、NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作曲も担当した。

またこれらの多彩な対象、方法論は早稲田大学基幹理工学部表現工学科における表現工学の取り組みとも関係する。学内では芸術としての音楽の探究とは別の視点からも、多様な場面での人間に作用する音楽の在り方について研究を行なっている。

教育・研究職として、1985年-洗足学園大学講師、1992年-早稲田大学講師、1997-早稲田大学助教授を経て、2004年から同大学教授を務めている。

作風

  • 音素材が持つ固有音の探究と響きの創造に注力する。パーカッションが多用され、複数の素材(楽器等)の異色な組み合わせが見られることも早い時期からの特徴である。初期には「冬の神話?」(1977年)に見られるトランペット+チャイムや「冬の神話?」(1978年)での合唱+打楽器 、邦楽では「八千矛の神の歌物語」(1987年)でソプラノ・テナー+箏・三絃が組み合わされる。2009-2011年の「ピアノの粒子3部作」では各々、ピアノ+南部鈴(「光の粒子」)、+明珍火箸(「水の粒子」)、+歌舞伎オルゴール(「虹の粒子」)がコンビネーションされており、「月夜の虹」(2012年)ではピアノとその上に置かれたトイピアノが1人のピアニストによって演奏される。古代祝祭劇「太陽の記憶―卑弥呼」(2014年)ではヴァイオリン、チェロ、コントラバス、パイプオルガンの洋楽器群と三味線、笙、龍笛、能管、尺八、琵琶、筝、十七絃の和楽器群および和洋打楽器からなるアンサンブルに声明が加わり、日本舞踊、歌舞伎の舞いと演奏家が一体となる劇中に「今まで聴いたことのない響き」が追求された。
  • 曲名および曲解説には「星」、「光」、「波」といった自然に関する言葉があり、変化しながらも存在し続ける自然への畏敬やその中にある生命への想い、輪廻の思想が見られる。「弦楽四重奏曲」(1976年)の自身による解説では「豊穣なはずの海からあらゆる生命が消滅したとしても、海は波打ち、風は吹き、砂には風紋が刻まれ、変化は永遠に続く―という光景を想像する時、弦楽器か雅楽の音が頭に浮かぶ」(要約引用)という。同様の解説は「ヴァイオリンと打楽器のための『風鐸』」(1992年)、「ピアノのための『光の残像?』」(1992年)でも述べられている。「砂の都市」(1991年)では「波の断片」と呼ぶ18音の音列が変化しながら「波状集積」されていく。この中心となる音列はほぼ同じ形で繰り返され、逆行形、反行形を見せることなく進行する。同様の音列は「星の死」(1983年)では星の死と再生の輪廻を、「光の残像?」では都市の闇に無言の行のごとく明滅するビル群の赤い点滅灯を暗示している。
  • 「すべての楽器は、自然界からの賜り物である。自然界のあらゆるメッセージを聞き、音楽にしてみたい、そんな夢を見ていた。」と述べる。「聲明とパルサー波によるコンピュータ音楽のための『虚空星響』」(1996年)他では超新星爆発の後に残された中性子星から発せられる電波(パルサー波)の数値を、音律、音列、リズム、音量、定位等の音楽の要素にあてはめ、電子音響により表現している。菅野は古代の人々が竹に穴を開け楽器にしていく時の感覚を想像し、パルサー波という自然現象から音を抽出する際の自らの感覚に重ねている。
  • 上野晃は、「菅野のシステマティックな作曲は、音楽が人間の情感を直接表すのではなく、客観と主観を仲介し、自然の摂理に従う営みであることを悟らせる。その特徴は大言壮語や威圧によらず、明快な響きと非和声的な、線的な構図にある」(要約引用)とする。一方、オーケストラ曲「崩壊の神話」(1995年)のライナーノーツにおいて自身は、邦楽器では伝統の中にある繊細な表現を大切にしたいが、この曲では大編成のオーケストラならではの怒涛の響きを意図した、と述べている。
  • 菅野は、音楽のジャンルの区分で使われる「クラシック系」と「ポップス系」に対し、用途で区分する場合には「シリアス・ミュージック」と「コマーシャル・ミュージック」の概念を使用する。「シリアス・ミュージック」とは個性と先進性を求めた創造的な音楽であり、「コマーシャル・ミュージック」は先進性よりも聞き慣れたものが求められ、既存のスタイルを踏襲する実用音楽である。自身にとっての「シリアス・ミュージック」はクラシック系だが、「コマーシャル・ミュージック」が求められるテレビの音楽でもクラシック系による曲を書き(大河ドラマ「炎立つ」等)、タンゴ(NHKドラマ「ふたりでタンゴを」)やジャズ(同「新・半七捕物帳」)による作曲もある。また、多くのポップス系アーティストによる音楽は個性と先進性が追求されており、「シリアス・ミュージック」でありながら商業的にも成功しているため、羨ましく感じているという。なお、シリアス・ミュージック、コマーシャル・ミュージックに関わらず、同じ姿勢、思い入れで取り組む、と述べている。

研究

  • 表現工学の取り組みとして、建築学、音響学との連携により、騒音への対処を含めた、音に配慮した空間づくりの研究を行なう。これには環境音楽の制作も含まれる。
  • テレビドラマの音楽は映像の影響により知覚されにくい場合がある。逆に音楽が出過ぎ、ナレーションや映像を妨げることがある。この調整の最適化は年齢等、視聴者の条件により異なるため、多チャンネルを利用した、条件によって最適な音声を選ぶ仕組みを基礎研究の対象としている。

 

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