お得な公演チケットサイト Confetti(カンフェティ)

facebok公式ページへ X(旧Twitter)公式アカウントへ LINE公式アカウントへ
シアティ エンタメファンのアプリ

PICKUP

10・Quatre


キメ画像1

“活きた剣”で観客を魅了する殺陣集団が3年ぶりの新作舞台!

命を受けて敵地に潜入した2人の“間者”。刃先に見る正義とは?

内堀克利が率いる殺陣集団として2000年に結成された「10・Quatre(テンカトル)」の約3年ぶりとなる新作が上演される。時は激動の幕末。一命を受けて新撰組と長州藩に潜入した2人の間者(スパイ)は己の正体を隠し通すだけでなく、敵側の間者を見つけだす使命も受けていた……。 激動の時代に翻弄される2人の男を畠山遼と小野魁人がW主演で。そして共に運命に巻き込まれる坂本龍馬の妻、おりょうを杉本有美が演じる。「テンカトルにしかできない殺陣を披露したい」と語る代表の内堀と共に作品への意気込みを語ってもらった。


インタビュー写真

新撰組も坂本龍馬も悪役!?

――― 前作『今、一太刀〜赤穂浪人傳〜』から約3年ぶりの公演となります。

内堀「テンカトルを作ったのも、それまでは色んな劇団や団体さんなどで舞台をやらせてもらっていましたが、公演をする中でどうしても自分たちがやりたい事が出てきてしまって、ならば自分たちで作ってしまおうという理由からでした。
 『今、一太刀〜赤穂浪人傳〜』をやってから、色々試行錯誤をしていく中で、うちらもそろそろ良い年齢になったし、一度しっかりとした時代劇を作ろという話しになって、メンバーの1人で、劇団『PocketSheepS』の主宰をしている太田友和が脚本と演出を手がけることになりました。
 本作ではW主演として、畠山君と小野君に新撰組と維新志士がそれぞれ送り出したスパイを演じてもらいます。そこに杉本有美さん演じる坂本龍馬の妻・おりょうが加わるのですが、大きなポイントとしては、新撰組も坂本龍馬も両方悪役で描くことです。
 畠山君演じる維新志士の神谷耕一郎は、龍馬によって新撰組にスパイとして送り込まれたのですが、裏では龍馬に利用されていて、さらにおりょうも龍馬によって翻弄されるという展開ですが、悪い人間に利用されながらも、自分たちの信念をどこに置いて、どう生きるのかを問う物語に仕上がっています」

――― 今回のキャスティングについて教えてください。

内堀「杉本さんは7、8年前に2.5次元舞台でご一緒させてもらって、その頃から素敵な女優さんだなと思っていました。その後、舞台『銀河英雄伝説』を観に行ったときに、こんな芝居ができるんだと随分印象が変わりましたね。女優として興味が沸いてまた共演したいなと思っていました。
畠山君は杉本さんが出演されなかった舞台『銀河英雄伝説』でご一緒させてもらいました。立ち回りが少ない舞台でしたが、僕と畠山君は結構絡ませてもらって、稽古でも『もう1回お願いします』と何度も挑む姿に感銘を受けました。そういう思いで立ち回りをしてくれる若い子がいるのは嬉しいものですよね。すごく頼りになったし、是非一緒にうちの舞台で主役に立ってもらいたいなと思っていました。
 小野君は前作の『今、一太刀〜赤穂浪人傳〜』でアンサンブル出演してもらって以来の秘蔵っ子です(笑)。稽古でもまじめに立ち回りに取り組んでいて、元々格闘技をやっていたということで戦うセンスもあって、お芝居も頑張っているので、今回大きなチャンスにつなげてもらえたらと期待を込めています」


インタビュー写真

揺れ動く深い心情を表現したい

――― 本作への出演が決まって現在のお気持ちはいかがですか?

杉本「時代物は久しぶりという状況もあって、とても緊張もしていますが、内堀さんとまた共演できるという事でとても楽しみです。私は3年前に一度、お芝居の事で色々悩んでこの業界を離れようとした時がありました。
 でも最近はお芝居に対する意識が大きく変わって、私がやる役は私以外の人に演じてもらいたくないという強い気持ちと決意を持って舞台に挑めるようになりました。ですので、今回も私だけにしかできないおりょうを演じられたらと思っています」

畠山「僕は杉本さんとは舞台『銀河英雄伝説』の第二章で、内堀さんとは第三章で共演をさせていただきました。杉本さんとは同じ組織の役を演じていて、密にコミュニケーションを取っていたので、今回また共演できるということで嬉しかったですし、殺陣のシーンでお世話になった内堀さんからお話を頂いて是非!と二つ返事でお受けしました。内堀さんは僕ら若手のこうやりたい!という意見についても受け入れてくださったので、一緒に創り上げているという感覚になりましたし、新鮮で楽しかったですね。
 幕末を舞台にした作品を演じるのは僕自身、約7年ぶりなので率直に挑戦したいと思っていました。台本を読んで感じたことは、新撰組や維新志士に振り回される中で、揺れ動く深い心情をどう表現できるかということ。テンカトルさんならではの殺陣はもとより、芝居でも高い要求に応えられるように今から気持ちを高めていこうと思っています」

小野「僕は長州志士の観月誠之助という役を演じます。倒幕の志士たちを助け、支援するのですが、実は新撰組局長の近藤勇から命を受けてもぐりこんだ間者(スパイ)で、真の目的は無実の罪で処刑された友人の仇を取るために、長州藩の滅亡を望むという役です。W主演の畠山さん演じる神谷耕一郎とは互いの正体を必死で隠しながらも、内部にもぐりこんだ敵の間者を探し出すという緊張感の中で対峙するのですが、お互いの思いも刀に込めてぶつけあうシーンが見所になるかと思います。初の主演ということもあり、楽しみと緊張が入り混じっている状況ですが、それもまとめてエネルギーにして良い物を作れたら思っています」

インタビュー写真

刀はジュラルミン製を使用

――― 殺陣集団という言葉通り、剣術には並々ならぬ思いを込めておられます。

内堀「通常、殺陣のシーンでは刀が当たる音をSE(音響効果)として入れるケースが多いですが、うちは一切入れません。斬った、斬られたというのは声やリアクションで表現していますし、使用する刀も竹光ではなく、ジュラルミンで出来たものを使用しています。金属だからこその質感は竹光には出せない重厚感ですね。蜷川幸雄作品に多数参加されていて、昨年亡くなられた殺陣師の國井正廣さんに僕が10代の頃に『お前らは竹光なんて使うな』と釘を刺されて以来、ずっとジュラルミンの刀を使用しています。僕らはいつもどおりですが、初めて参加される役者さんには大体驚かれますね。でも絶対に怪我はさせません」

畠山「それを聞いて驚いています(笑)ジュラルミン製の刀なんて持ったことがないので、あくまでも想像ですが、より本物に近い感じなのかなと」

内堀「そんな重くないよ。大丈夫、大丈夫!」

小野「僕もそんなアドバイスできるような立場ではないですが、腰を低く落とすと良いです!」

内堀「うちではワークショップを通じて子供たちへの殺陣指導も行っているのですが、僕は殺陣自体を相手とのコミュニケーションだと思っています。言葉がうまくでなかったとしても、目と目を合わせてジャンケンするのと同じで、誰とでも意思疎通を図れる手段だと思うんですね。
 そんなに喋っている訳でもないのに、殺陣の稽古をした役者同士はとても仲良くなる姿を見てきました。それはジュラルミンの刀でやる以上、より息を合わせないと危ないのもありますが、それだけ関係が密になるということでしょうね。ですので、役者の方にも手段として使って欲しいのはもちろん、そうでない一般の方にも僕は伝えていきたいと思っています。」

小野「2.5次元で展開される殺陣はまるで舞うような流れで、観ていても華やかで美しいなと思います。一方、テンカトルさんで勉強させてもらっている殺陣は、過去の侍たちが実際にこうやって刀を交えてきたんだろうなという独特の緊張感や重厚さがありますね。
 1つの太刀筋にも思いがしっかり込められているというか、それぞれの登場人物が色んな思いを持って戦うことで、それが色濃くなっていくというすごく深い殺陣だと感じています」

インタビュー写真

主役は大人に振り回される若者

――― 特に注目してもらいたい部分はありますか?

内堀「和物って、ちょっとした仕草で意味が違ってくるシーンが多いわけですよ。例えば、雪駄を脱いだり、刀の鞘を投げ捨てたりして戦う際には侍の決死の決意を意味します。気づく人は気づくと思うのですが、それがなんとなく伝えられるエッセンスを入れたいですね。そういうのってお洒落じゃないですか。そういったものを若い役者たちにも伝えたいですし、観ている人にもこんな意味があったんだと、掘り下げて作品を楽しんでもらえるような作品を作りたいですね。
 あとはカッコいいイメージのある坂本龍馬や新撰組が悪役だというところが何よりのポイントだと思っています。主役は“大人に振り回される若者達”であり、その姿が今の時代にも投影されているのではないかと思います。その若者達がどの様に振り回されて、どう生きていくのかという所を是非観てもらいたいです」

――― 最後に読者の方へのメッセージをお願いします。

畠山「剣術の殺陣は本当に久しぶりなので、内堀さんの下でスキルアップしつつもお客様に楽しんでもらいたいですね。とにかく楽しんでやろうと思っています。個人的に本の中で印象に残っているシーンが、おりょうに『心が無くなった』と言われる一幕です。独白っぽく心の葛藤と幻想に悩まされるシーンがあって、今からどう演じてやろうかとワクワクしています。芝居も殺陣もしっかりやりきって、内堀さんの下、座長としてみんなを引っ張っていこうと思います」

小野「皆さんが知っている坂本龍馬や新撰組からは別視点で描かれた作品の中で生きる架空の新しいキャラクターとして、何を感じて何を表現できるのか葛藤しながらも、周りの方々とコミュニケーションをしっかりとって良いものを作り上げていこうと思っています。とにかく精一杯頑張ります!」

杉本「おりょうは強い女性であり、芯のある部分を持ちながらも女性でしかできない表現を出したいなと思っています。大役に加えて、内堀さんからご指名を受けて期待を感じている分、プレッシャーではありますが、今まで経験してきたことと、新しく経験することをプラスにして演じていけたらなと思っています。やっとこの年齢になって演じられるのかなと思うところもあり、着物は昔から良く着る家だったので、所作ももう一度勉強しつつ、演技にも反映できたらなと思っています」

内堀「舞台は観に来るのになかなかハードルが高いものと思っていますが、この記事を通じて折角皆様とのご縁を頂いたので、そのご縁を劇場での再会に結び付けられたらなと思っております。この記事を読むだけでは伝えられないことが山ほどありますので、是非劇場にお越し頂いて、舞台の世界を楽しんで頂けたらと思っております」

(取材・文&撮影:小笠原大介)


キメ画像2

PROFILE

杉本有美(すぎもと・ゆみ)のプロフィール画像

● 杉本有美(すぎもと・ゆみ)
1989年4月1日生まれ 大阪府出身。2001年、雑誌「りぼん」でモデルデビュー。2007年、テレビ東京系の連続ドラマ「BOYSエステ」ヒロインで女優デビュー。2010年にNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で新人編集者松川冴子役を好演。翌11年にはNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』で、豊臣秀頼の側室役として大河ドラマ初出演を果たした。舞台では、ミュージカル『アニー』(2013年)でリリー役に抜擢。2019年『銀河英雄伝説 Die Neue These』〜第二章 それぞれの星〜で、アンネローゼ・フォン・グリューネワルト役を演じた。

畠山遼(はたけやま・りょう)のプロフィール画像

● 畠山遼(はたけやま・りょう)
1991年10月20日生まれ。秋田県出身。2012年に俳優デビュー。『BROTHERS CONFLICT-BROTHERS ON STAGE!-』(2014-2016年)朝日奈昴役、舞台『黒子のバスケ』(2016-2019年)緑間真太郎役、ミュージカル『スタミュ』(2017・18年)柊翼役など人気作に出演。2019年には舞台『OUT OF FOCUS!』で単独初主演を務めた。『銀河英雄伝説 Die Neue These』(2018・19年)では、オスカー・フォン・ロイエンタール役を演じている。

小野魁人(おの・かいと)のプロフィール画像

● 小野魁人(おの・かいと)
1996年12月10日生まれ。福島県出身。2016年舞台『今、一太刀〜赤穂浪人傳〜』で10・Quatre公演でアンサンブルとしてデビュー。以降、10・Quatreのワークショップ生徒として通い、『イケメンヴァンパイア』『関ヶ原2019』『超高速関ヶ原』等舞台を重ね、殺陣集団10・Quatre期待の若手俳優である。

内堀克利(うちぼり・かつとし)のプロフィール画像

● 内堀克利(うちぼり・かつとし)
1974年10月1日生まれ。東京都出身。殺陣集団10・Quatre代表。10・Quatreの本公演においては、殺陣振付はもちろんのこと、脚本・演出も行う。2015年『RE-INCARNATION RE-SOLVE』孫堅文台役、2018年『SaGa THE STAGE〜七英雄の帰還〜』レオン役、2019年『ミュージカル「アルスラーン戦記」カーラーン役、「銀河英雄伝説 Die Neue These 〜第三章〜」オフレッサー役で出演などがある。他、『ウルトラセブン』、『氣志團氣志團』、映画『ラスト・サムライ』、映画『サンタスモークス in TOKYO』、ひかりTV『深すぎてゴメンナサイ』メインMCなどもこなす俳優。

公演情報

「長雨と伽藍」のチラシ画像

10・Quatre
長雨と伽藍


2020年4月8日 (水) 〜2020年4月12日 (日)
中野 ザ・ポケット
HP:公演ホームページ

22名限定!一般席5,000円(全席指定・税込) → 4,100円 さらに300Pゲット!

詳細はこちら

「長雨と伽藍」のチラシ画像

10・Quatre
長雨と伽藍


2020年4月8日 (水) 〜2020年4月12日 (日)
中野ザ・ポケット
HP:公演ホームページ

全席指定(前売):5,000円
全席指定(学生):3,000円
プレミアム席(前売):6,500円
プレミアム席(学生):6,500円
(税込)

詳細はこちら