公演内容 |
オーストリアを代表する伝統的なコメディの鬼才、ヨハン・ネストロイの「昔の関係」と「酋長"夜風"」、一時間程度の喜劇作品二本を、幕を挟んで上演する。時代と空間を超越して、あまりにも生々しく現代の日本に通じるネストロイの喜劇世界。オーストリアでは定番とも言うべきこの世界観を、今、日本の観客に伝えたい。私たちは、ネストロイの喜劇を、その観点から翻訳、脚色、演出し、舞台を現代日本に置き換えて、より明確に伝えたい。この試みは、日本の演劇界では例を見ない実験となる。どんなときに、私たちは、喜劇を求めるのだろう。職につけず、不安いっぱいのとき。安全で安定した生活に、憧れているとき。自分を、大きく、良く見せようと、嘘をつくるとき。自分の力ではどうにもならない運命に対して、なんとかがんばるとき。せめて文化的な最低限度の生活をしていると自分に言い聞かせたいとき。ネストロイ作品には、文明への皮肉や、人間本来の価値・ルーツの価値が見失われた状況が登場する。しかしこれは喜劇である。私たちは、観客に、明るいパワーを返したい。画一的な生き方を人間に強要する、コンピューター時代の仮面をはぎとるために。 【作品内容・あらすじ】 ◆「昔の関係」 家柄の良さを誇る妻、もとは下男の身だったことを妻にだけは知られたくない成金の夫、もとは妻のメイドだったが舞台の世界の華やかさにひかれて女優になった挙句、その世界に失望して再び女中をしたいと願う女、その女の女優時代の恋人で、実は夫の元雇い主だったが下男に身を持ち崩した男。このややこしい四人が、それぞれの思惑とそれぞれの”昔の関係”を胸に秘め、誤解と勘違いを積み重ねていくドタバタ喜劇。うんざりするほど生々しく薄汚い人間関係の行き違い、しかしどこか四人とも生き生きして映る、”人間らしさ”を喚起する傑作。 ◆「酋長"夜風"」 太平洋の片隅に浮かぶ二つの島。一方は未開、一方は文明社会に与している。二つの島に暮らすそれぞれの部族は、互いに微妙な距離感での交流を保っている。両者に共通の習慣が、人間の肉を食べること。それぞれの酋長は共に寡夫である。なぜ妻が死んだのかはわからない。実は、どちらも気づかぬうちに、相手の妻を食ってしまったのだが。酋長”夜の風”の娘が、浜辺に漂着した白人男性と恋におち、他人に食われるのを恐れてかくまう。もう一方の島の酋長は、ヨーロッパに遊学していた息子が帰るのを待ち焦がれている。食卓に、新しい肉が上がり、それを食べた父親は急に気分が悪くなる。果たして真相は? 生きるために他者を必要としながら、他者の存在に無関心な現代社会を痛烈に皮肉った異色作。 |
---|---|
公演ホームページ | http://uzumenet.com |
出演 | 真那胡敬二 / 大月秀幸 / 見上裕昭 / 松尾容子 / 後藤まなみ / 荒牧大道 / 御所園幸枝 / 里奈 / 大桃千佳子 / 神尾勇志 / 小寺悠介 / 鈴音彩子 / 笹野茂之 / 荒井孝彦 / 地曵宏之 / ジョディ / 大橋あをい / 奥田晃平 / 浜嶋将裕 / 印田彩希子 / 近藤那美 / 井山順子 / 尾引浩志 / 詩優子 / アイケイイチ / 青山利恵子 / 島田未来 |
スタッフ | 音楽指導・ピアノ: 林絵理(「酋長"夜風"」原曲:ジャック・オッフェンバック) / ヴァイオリン: 田島朗子 / 衣装: 桜井久美 / メイク: エイミー前田 / 舞台美術: 石原敬 / 特殊美術: 長峰麻貴 / 製作指導: 高橋知子 / 文芸担当: 藤澤友 / 台本協力: 林周一 / 振付: スズキ拓朗 / 舞台監督: 伊東龍彦 / 照明: 桜井真澄 / 音響: 富田健治 / 宣伝美術: 郡司龍彦 / チラシイラスト: アマノテンガイ / 演出助手 : 大桃千佳子 / 制作: RealHeaven / 主催: うずめ劇場 / 助成: 芸術文化振興基金 / 後援: オーストリア大使館 |
公演スケジュール | <期間> 2014年12月11日 (木) 〜2014年12月14日 (日) <公演日・開演時間> 12月 11日(木) 19時 12日(金) 13時 / 19時〜 13日(土) 13時 / 19時〜 14日(日) 13時 ※上演時間 約2時間30分を予定 ※途中休憩を含む |
チケット |
全席自由(一般):3,800円 全席自由(学生):3,000円 ペアチケット:6,800円 当日:一般4,300円 学生3,000円(税込) <カンフェティ取扱チケット> 全席自由(一般):3,800円 全席自由(学生):3,000円(税込) |
会場 | シアターΧ |
備考 | ◆カンフェティ冊子掲載中のお得なチケットはコチラ! |
団体概要 | ペーター・ゲスナー (Peter Goessner,1962年〜) 旧東ドイツライプツィヒ生まれ。国立ベルリン俳優学校エルンスト・ブッシュで学び、ハレのターリア劇場で4年間演出、俳優を務める。1993年に来日し、北九州市を拠点に劇団「うずめ劇場」を旗揚。 2000年、第1回利賀演出家コンクールにおいて「紙風船」(岸田國士作)で最優秀演出家賞を受賞。2008年〜2011年、調布市せんがわ劇場芸術監督。現在は桐朋学園芸術短期大学演劇専攻科教授を務める。2009年より、「プロジェクト・ナッター」プロデュースによる演劇活動を展開。ザ・スズナリなど都内複数箇所で公演を行ってきた。また、近年ではオペラの演出も行うなど、活動の範囲を広げている。 前作「砂女←→砂男」では、少年王者舘の天野天街氏と共同演出。街ぐるみの企画を複数プロデュースし、伝統ある下北沢ザ・スズナリで記録的な観客動員を実現した。 |