公演内容 | 2017年の暮れから約2年の間に書いた作品を集めて、2度目の作品展を開催いたします。 このところ、一つの世界に閉じないで自在に変化していく、そんな音楽のかたちにこだわって曲を書いています。 今回のコンセプトの「軽み」は、俳諧の用語ですが、作為や過剰を斥けた句法のあり方という理念的意味合いよりも、むしろ、そのあり方をわきまえつつ、前の句の言葉や情景に想を膨らませ自由に句を連ねてゆく連句という形態における想像力のつながりや広がりの軽やかさに、狙いとする音楽の姿をなぞらえて使っています。「和風」を意識しているわけではまったくありません。あくまで様々なイメージが開かれた形で連鎖してゆく方法のモデルとして想いを寄せています。たとえば、音や仕掛けは決して大仰に重くしない。響きの素材や組み合わせは、重くならない音の色と質感、動きのフットワークの敏捷さ、動きの中で見せる音の表情の多彩さを旨とし、構成は並列的で劇的なつながりを作らない。そうすることで、多様な相貌の可能性が演奏者や聴き手に開かれていくのではないか、といった目論見につなげて音を具現化しています。 ひとつのアイデンティティや価値観を盾にして柔軟さを失いつつある昨今の世界の現状を前に、個々の感性は自由かつ多様であり続けなければならないという思いも込めて、今回の6作品が、いささかなりと音の楽しみ方の新たな広がりに資することができれば幸いです。(中野和雄) 曲目: あとがき Trailer (prepared piano) [2018] そよぐ Soyogu(sackbut)[2018] 遊糸 Gossamer(violin & 4 woodblocks)[2019] 色・走る timbre-run(2 guitars)[2019] 楚と Bagatelles(piano)[2019] 格天井ゆらり Gotenjo fancy(percussions)[2019] |
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公演ホームページ | http://www.monten.jp/20200205 |
出演 | 演奏: 井上郷子(p)、村田厚生(sackbut)、三瀬俊吾(vn)、齋藤綾乃(perc)、山田岳(gt)、土橋庸人(gt) |
スタッフ | 主催: 中野和雄 / 共催: 一般社団法人もんてん(両国門天ホール) |
公演スケジュール | <公演日> 2020年2月5日 (水) <公演日・開演時間> 2月5日(水)19:00 ※開場は、開演の30分前です。 ※上演時間 約2時間 |
チケット |
前売:一般3,000円、門天会員2,700円、学生2,000円、ペア券5,000円 当日:一般3,500円、門天会員3,200円、学生2,500円、ペア券5,500円 (税込) <カンフェティ取扱チケット> 全席自由(一般):3,000円 全席自由(学生):2,000円 (税込) |
会場 | 両国門天ホール |
備考 | |
団体概要 | 中野和雄 Kazuo NAKANO 1955年、名古屋市出身。作曲を松平頼暁に師事。クセナキスの著作『Formalized Music』をテキストに、数理的な手法を用いた作曲法について学ぶ。また、近藤譲、高橋悠治、戸島美喜夫からも作曲や音楽のあり方について学ぶ。1978年に、作曲家 伊藤祐二、湯浅誠一、関口昌樹とgroupFORを結成。90年までに11回の作品展を企画・開催。90年に、コジマ録音にてCD『作曲の自由』を制作・発売。2015年より作品発表活動を再始動。2017年12月に連作「些細の音楽」を中心とする作品個展を企画・開催。2018年5月「曽我部清典×山田岳 トランペット&ギターデュオ vol.7」、2019年6月「歪 土橋庸人×山田岳 ギターデュオ公演」にて委嘱新作初演。2019年1月「KibeDancer×森川あづさ pf.ミライシキ公演 聴こえてくるダンス−田中聰と中野和雄の作品による−」にて舞踏とコラボレート。 |