公演内容 |
今、あらゆる舞台公演の形態は、変化を求められている。この先、いずれ演劇も以前の状態に戻れるかもしれない。では、このCOVID-19の世界的大流行の状況下にある現在、出来ることは何だろうか?客席の形態はどうするべきなのか?舞台上での俳優の演技は?どのような表現方法を持ちうることができるだろうか?折しも万有引力の本公演70回目の節目となる今回、我々はあらためて「関係性(引き合う孤独の力)としての演劇」を問い直すところから、これからの演劇の新たなる可能性を模索しようと考えている。 ●a◎疱瘡譚または伝染する劇◎ 疫病患者の出た家の扉は、すべて釘づけにされた。そして釘づけにされた扉の中では、新しい世界がはじまっていたのだった。 ーーーダニエル・デフォー 「疱瘡譚または伝染する劇」は、アントナン・アルトーの「演劇とペスト」と、その演劇論を寺山修司が大胆に意訳作品化した「疫病流行記」を題材に、疫病と演劇、観客と演劇、劇場と演劇との関係性(引き合う孤独の力)を改めて問い直そうというものである。この作品は、その過程に於いて現在の我々自身をも見つめ直し、そこから寺山演劇の普遍性と新たなる演劇世界の夜明けを目指そうとする《新奇な改革劇》となるだろう。 ○b◎眼球譚または迷宮する劇◎ 人は誰でも自分の映画を持っている。それはスクリーンも映写機もなしで、じっと壁を見つめているだけで映し出されてくる「時」の幻燈である。ーーー寺山修司 「眼球譚または迷宮する劇」は、これまでの万有引力の記録映像からアンソロジー的にまとめた、謂わば、「終わってしまった公演の『予告篇』」である。この作品もまた、映像と俳優、俳優と観客、観客と舞台との関係(引き合う孤独の力)を見つめ直す試みである。一夜から八夜までの8演目の構成、「何が起こるかわからない」予期せぬ演劇、あるいは劇場の・・・途中トーク・唄・解説・質問などを入れ込みながら、通常と一味違う眩惑的な劇の迷宮に誘うことだろう。 |
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公演ホームページ | https://banyuinryoku.wixsite.com/index |
出演 | 演劇実験室◎万有引力俳優陣 / ほか |
スタッフ | 言語: 寺山修司 / 演出・音楽: J・A・シーザー / 共同演出: 高田恵篤、小林桂太 |
公演スケジュール | <期間> 2020年7月23日 (木・祝) 〜2020年8月2日 (日) <公演日・開演時間> ●a=疱瘡譚または伝染する劇 ○b=眼球譚または迷宮する劇 7月 23(木) 19時●a 24(金)15時○b 25(土)15時●a/19時○b 26(日)15時●a/19時○b 27(月)15時○b/19時●a 28(火) 19時●a 29(水)15時●a/19時●a 30(木)15時○b/19時○b 31(金)15時○b/19時●a 8月 1日(土)15時●a/19時●a 2日(日)15時○b ※開場は開演の20分前 ※上演時間:60〜70分予定 |
チケット |
一般 3,500円 (税込) <カンフェティ取扱チケット> 一般 3,500円 (税込) |
会場 | 下北沢 ザ・スズナリ |
備考 | |
団体概要 | 演劇実験室◉万有引力とは 1983年7月31日、故・寺山修司主宰の演劇実験室・天井棧敷が解散。 1983年8月1日、天井棧敷時代そのほとんどの作品の音楽及び共同演出を担当したJ・A・シーザーと天井棧敷の劇団員31名とで結成。 「万有引力とは人間同士が互いに引き合う孤独の力のことである」という寺山修司の言葉(もとは谷川俊太郎『20億光年の孤独』からの引用である)に因み、 「演劇実験室◎万有引力」と命名。 旗揚げ当初万有引力の活動は天井棧敷と一線を画し、新作のみを上演する事により様式は継承しつつ独自の方法論を模索。 しかし次第に多くの他劇団・団体が寺山の戯曲を上演する様になった為、「寺山演劇」=「トータルシアターと評された天井棧敷の演劇」に誤解が生じることを懸念。 また天井棧敷の演劇をオリジナルに近い形で観たい、との観客の声にも応じ、「寺山演劇」の真髄を後世に伝えるべく寺山作品の上演を開始する。 同時にオリジナル作品も積極的に上演し、様々なアプローチで「演劇」という表現方法へ挑戦し続けている。 |