お得な公演チケットサイト Confetti(カンフェティ)

チケッツトゥデイ3周年

PICKUP

青蛾館


キメ画像1

寺山修司さえ実現し得なかった寺山修司を、今、実現する。

最も新しい寺山修司が、ここにある。気鋭の新進演出家による“ネオアングラ”開幕。

偉大なる前衛・寺山修司の遺志を受け継ぎ、氏の遺した傑作戯曲を現代に広め続ける寺山演劇の伝道者・青蛾館。その次回作が、総勢34名の女優陣による男装音楽劇『くるみ割り人形』だ。演出には、ダンスカンパニー・CHAiroiPLIN主宰にして、今最も熱い視線が注がれている若手演出家・スズキ拓朗。音楽は時々自動の朝比奈尚行。そして主演は数多くの演出家に愛される女優・宮下今日子。青蛾館主宰にして女優・のぐち和美が、「この座組みだからこそ『くるみ割り人形』をやろうと決めた」という最強の布陣で、奇想天外な寺山ワールドに挑む。


インタビュー写真

85年生まれのスズキがつくる、寺山修司の世界。

――― 演出のスズキ、そして音楽の朝比奈は、前作『星の王子さま』からの続投となる。のぐちを含む世代を超えたトライアングルは、のぐちからスズキへの熱烈なラブコールから始まった。

のぐち「拓朗さんの『FRIEND〜踊る戯曲〜』を観させていただいて、それに惚れてしまったんです。普通、観客は役者の発する台詞でその世界を理解するじゃないですか。けれど、拓朗くんの作品はそういう無駄なものが一切排除されていて、安部公房が書いた言葉のひとつひとつが彼のパフォーマンスによって届いてきたんですね。ちょうどその頃、次はシアターウエストでやることだけ決まっていて、演出家も演目もまだ決まっていなかった。青蛾館としても初めてのシアターウエスト。この人と一緒にステップアップしたいと思ったのが、拓朗さんだったんです」

――― 85年生まれのスズキは、いわゆるアングラ演劇世代ではない。しかし、もともと彼は寺山修司の描く世界に激しく心惹かれていた。

スズキ「寺山さんの作品はファンタジーというか、世界がどんどん飛ぶじゃないですか。僕は日常とは違ったものが好きなので、ずっとやってみたいと思っていたんです。だけど、寺山作品はハードルが高くて何かきっかけがないとできない。きっとのぐちさんと出逢わなければ、僕が寺山さんの作品を演出する機会はなかったと思います」

――― そんなスズキがのぐちのオファーを受ける上で唯一提示した条件が、音楽に朝比奈を迎えることだった。

朝比奈「拓朗くんのことはだいぶ前から知っていて。うちの芝居を観に来ては“面白かったです”とよく感想をくれていたんですよ。彼はまだとても若いんだけど、今の若い演出家とは“居方”が違う。僕らのようなアングラ第二世代と呼ばれる人たちとよく一緒に仕事をしていて、それを面白がれる感覚を持っている。そんな演出家が今の若い世代にいることが嬉しいし、彼からオファーをもらったらもう頑張るしかないぞ、と。実は寺山作品ってほぼ観たことがなかったけど、やってみることにしたんです」

――― そうして生まれた『星の王子さま』は工事現場をベースにした幻想的な舞台美術、大量の羊を登場させた摩訶不思議な集団パフォーマンスで、スズキ曰く「おもちゃ箱をひっくり返したような」賑やかで美しい世界をつくり上げた。

のぐち「『星の王子さま』って一幕劇なのですごく薄い台本なんですね。それを拓朗さんは私たち凡人が想像し得ないような戯曲の読み方をして、壮大な世界に膨らませてくれた。それも、ひとつひとつの言葉を大切に描き、いろんな人のいいシーンを持ってきて戯曲を構築する寺山から、さらに素敵なものだけを選ぶようなやり方で。だから、次もまた拓朗さんとやりたいと『星の王子さま』の時からずっと熱望していました」

インタビュー写真

スズキ拓朗には、独自の身体性がある。

――― 再びシアターウエストの舞台を踏む上で、野口が新たにキャスティングしたのが、宮下だ。のぐちと宮下の付き合いは長い。けれど、なかなか共に仕事をする機会はなかった。

のぐち「宮下さんには、どこにいても人目を引く圧倒的な存在感がある。この『くるみ割り人形』は総勢33名の女優による男装音楽劇。その座組みを引っ張ることができるだけのオーラを持った女優は、宮下さんしかいないと思いました」

宮下「アングラに対する憧れと同時に、コンプレックスがあって。入りたいけど入れない、手が届かないような。でもいつかと思っていました。だから、オファーをもらった時はすごく嬉しかったですね。しかも演目は『くるみ割り人形』。子どもの頃からバレエをやっていた私には、『くるみ割り人形』はとても大切な作品。この寺山修司版との出会いにとてもワクワクしています」

――― 『くるみ割り人形』は、78年、サンリオの人形アニメーション映画のシナリオとして寺山が書き下ろしたものだ。しかし、最終的に実現に至らず、寺山作品の中で唯一の“お蔵入り”となった。ゆえに、戯曲そのものが演劇ではなく、アニメーションを想定して書き上げられている。

のぐち「拓朗さんに朝比奈さん、宮下さん、そして映像作家の青山健一さん。この顔ぶれが揃ったら、寺山修司が実現できなかったこの戯曲を実現できるんじゃないかと思ったんです。この映画シナリオを拓朗さんがどう味つけしてくれるか本当に楽しみ。この間のミーティングでもワクワクするような演出プランを早速持ってきてくれましたから」

インタビュー写真

――― “独創的”という言葉では表し尽くせぬ若き才能に、演劇界の先輩たちも手放しで賛辞を贈る。

朝比奈「彼には、すごく独特の身体性がある。どういうダンスのベースがあって、どういう経験をしてきて、今こういうスタイルがあるというのがわからない。実際に出来上がってくるものも見たことがないものばかり。僕はそこがすごく好きだね」

宮下「どういうことになるかとても楽しみです。クラシックバレエの『くるみ割り人形』しか知らないという方にぜひ見ていただきたいんです」

のぐち「彼の中にはまだまだ私たちでさえ知らない無限の微粒子みたいなものがあるような気がするんですね。そんな彼が、寺山さんでさえ実現できなかったアニメーションの一部を美術家の青山健一さんの協力のもと実写にしようとしている。それが、今回の最大の魅力です」


寺山修司を引き継ぐ新しい開拓者として。

――― 周囲の期待を楽しむように、若き演出家はすでに偉大なる巨匠の戯曲を分析し始めている。

スズキ「アニメーションの台本だからこそ、そこを面白がろうって朝比奈さんと話をしていて。ただ演劇でやったらこうなる、ダンスでやったらこうなる、ではなくて。映像でやったらこうなるんだろうなというところまで見えるものにしたい。そのためには、青山さんの映像の力がかなり必要だろうと思っています。
 今考えているのは、映画館でやるような楽しみ方を演出に盛りこめたらなということ。寺山さんもスクリーンの裏で過ごしていたという話を聞いたことがあるので、映画というものを真ん中に置いて、表と裏の世界ができればいいなと。盆舞台だったらできるけど、そうではないので。それをどうやったら面白くなるのかを考えています。僕は、制限をチャンスに変えるのが好きなんですよ。だからそこをここから閃いていけたら」

インタビュー写真

のぐち「音楽に関してもホフマンの原作からバレエになって、寺山になったこの200年の『くるみ割り人形』の歴史を見られるものになると思う。朝比奈さんにも、チャイコフスキーのバレエの名曲を寺山修司の言葉に乗せて青蛾館のオリジナルの曲として提供していただけないかってお願いをしています」

朝比奈「しかと承っております(笑)。楽器の編成は時々自動の編成なんで、管楽器とか打楽器とか普通とは違う編成になる。その中で、正統のチャイコフスキーもあれば、チャイコフスキーもどきというか、裏チャイコフスキーというような感じの音楽ができればなと考えているところです」

スズキ「映画が好きな人、演劇が好きな人、ダンスが好きな人、くるみが好きな人、人形が好きな人。きっとみんながいろんな方面から楽しめるものになると思います。だから一歩踏み出せずに臆している人もぜひ来てほしいですね」

朝比奈「もちろん寺山作品を好きな人もね。きっと寺山さんのいちばん新しいタイプのものが観られると思う」

宮下「寺山修司が苦手だったという人に観てもらいたいです。こういう寺山修司もあるんだなって発見をしてもらえたら」

のぐち「拓朗さんのような演出家が寺山修司をつくるということも、寺山修司が天国で望んでいることのひとつだと私は思ったりするんですね。私たちはこれからも寺山を引き継いでいかなくちゃいけない。でも、引き継いでいくのは私たち古い世代ではなく、彼らのような若い世代。スズキくんは新しい開拓者。私は彼のつくる寺山修司を、“ネオアングラ”と呼んでいます」

――― 没後33年を経て、なおもこの世界に拡張し続ける寺山修司。若き革命児がつくり出す “ネオアングラ”はきっと新時代の扉を開くこととなるだろう。



(取材・文&撮影:横川良明)

キメ画像2

PROFILE

 スズキ拓朗(すずき・たくろう)のプロフィール画像

● スズキ拓朗(すずき・たくろう)
1985年6月10日生まれ。新潟県出身。桐朋学園芸術短期大学演劇専攻を経て、07年、ダンスカンパニー・chairoiPURiN(CHAiroiPLIN)を結成。MITAKA”Next”Selection 16thに選出され、15年10月には『三文オペラ』を上演。平成27年度 東アジア文化交流使にも選出され、16年2月には文化庁と独立行政法人国際交流基金との協力の下、韓国ソウルなどで活動が予定されている。また、11年より学ランで踊るダンス集団・コンドルズの一員としても活動。

 のぐち和美(のぐち・かずみ)のプロフィール画像

● のぐち和美(のぐち・かずみ)
10月31日生まれ。東京都出身。桐朋学園芸術短期大学演劇科在学中に寺山演劇を通して美輪明宏に魅せられ、女形・野口和彦としての第一歩を踏み出す。卒業後、青蛾館を旗揚げ。寺山作品のみならず、劇作家・岸田理生と親交を深め、多くの作品を発表。近年の外部出演作品として、蜷川幸雄演出『皆既食』『ハムレット』や谷賢一演出『ロミオとジュリエットたち』、木村龍之介演出『カクシンハン版ジュリアスシーザー』などがある。

 宮下今日子(みやした・きょうこ)のプロフィール画像

● 宮下今日子(みやした・きょうこ)
1975年8月14日生まれ。東京都出身。3歳よりクラシックバレエを始め、その抜群の身体性を活かして、96年より演劇活動を開始。NODA・MAP『ローリングストーン』、KOKAMI@network『ものがたり降る夜』などで注目を集め、以降も松村武、長塚圭史、木野花、岩松了などの演出家の舞台に出演し研鑽を積む。小野寺修二のカンパニーデラシネラ、井手茂太のイデビアン・クルーにも参加している。

朝比奈尚行(あさひな・なおゆき) のプロフィール画像

● 朝比奈尚行(あさひな・なおゆき)
1948年8月9日生まれ。神奈川県出身。幼少時から音楽と踊りに異常な興味を示し、桐朋学園芸術短期大学演劇科を経て、70年代は劇団自動座を主宰。唐十郎のエピゴーネンに徹する。85年、劇団時々自動を立ち上げ。時々自動では全作品の構成・演出・出演を担当してきたが、14年、『生まれて初めて出すフォルテ』で初めてプロデューサーに回り、新境地を開いた。

● 青蛾館(せいがかん)
1984年、桐朋学園芸術短期大学演劇科の卒業生を中心に、寺山修司の見世物の復権、初期一幕物の美学を再現すべく結成。「妖」「艶」「美」の世界と多彩な企画で寺山ファンならず多くの観客の支持を受けてきた。90年以降は岸田理生と共に作品をつくり、寺山・岸田の没後は、両作家の作品を継承する団体として精力的な活動を展開している。

公演情報

「男装音楽劇「くるみ割り人形」」のチラシ画像

青蛾館公演
男装音楽劇「くるみ割り人形」


2016年3月25日 (金) 〜2016年3月31日 (木)
東京芸術劇場 シアターウエスト
HP:公演ホームページ

18名限定!4,800円(全席指定・税込) → 4,050円さらに250Pゲット!

詳細はこちら

「男装音楽劇「くるみ割り人形」」のチラシ画像

青蛾館公演
男装音楽劇「くるみ割り人形」


2016年3月25日 (金) 〜2016年3月31日 (木)
東京芸術劇場 シアターウエスト
HP:公演ホームページ

一般前売:4,800円
22歳以下割引:3,500円※22歳以下割引は身分証明書の提示が必要です
(全席指定・税込)

詳細はこちら