パチンコ・パチスロの情報サイト『パチ7』の企画支援室採用企画の第二弾として、劇団た組。とのコラボ公演の上演が決定した。東京女子流の中江友梨や、元アイドリングのフォンチーといったキャストによって演じられる「運」と「命」とは? 出演のフォンチー、演出の加藤拓也、そして『パチ7』の編集長に話を伺った。
――― この企画はどのような経緯で出来上がったんですか?
編集長「僕は『パチ7』というサイトの編集長をしているのですが、うちのサイトでパチンコ・パチスロに関する企画を募集したんですよ。その募集を見て、応募してきたのが加藤さんで」
加藤「僕は以前から『パチ7』のサイトの中で連載されている鴻池剛さんの『つよパチ』っていう漫画を読んでいて、それで企画募集を知ったんです」
編集長「ぶっちぎりで加藤さんの企画がうさん臭かったんですよね(笑)。でも企画書として送ってきたのが加藤さんだけだったんですよ。それで、会ってみようということで、何度か面談したところ、しっかりしてるし、実績もあるしで、スタートしました。パチンコを題材にした演劇を、こちら側としても見てみたいと思いました」
――― 今のところ、どのようなストーリーになる予定ですか?
加藤「舞台はパチンコホールで、そこに4人の神様が住んでるんです。そこにまた新たに4人の神様がやってきて、ちょっと多いなってところから始まるんです。神様が見えるアルバイトもやってきて、常連のお客さんたちと、神様が絡み合って物語が進んでいく、コメディの群像劇になります」
――― この作品でフォンチーさんはどういう役をする予定ですか?
加藤「フォンチーさんは、マドンナ的な存在で、エロい店員になると思います」
――― フォンチーさんと加藤さんというのは、以前も一緒に仕事をされたことはありますか?
加藤「『走馬灯株式会社』という作品に出てもらいました。今回も出演する中江友梨ちゃん(東京女子流)とも共演していました」
フォンチー「私はその舞台の中では、『走馬灯株式会社主任』の肩書を持つ謎の女性の役だったので、ミステリアスでポーカーフェイスで通していたんですよ。今回は、またぜんぜん違う役になるんじゃないかと思います」
――― 演出するときの加藤さんというのは、どういう方でしたか?
フォンチー「最初は自由にやらせてくれて、そのあと徐々に、このほうがいいんじゃない?という感じで台本にない面白い要素がどんどん付け加えられていきました。でも、私の役は、原作からのキャラクターで、あまり稽古の中で変化できる役じゃなかったので、どんどん演出がつけられていく友梨ちゃんがうらやましかったんです。今回は、自由な役っぽいので、いろいろ面白い演出をつけてもらえるんじゃないかと思うと楽しみです」
――― 編集長は、第一稿の台本を読んでみて、どう思われましたか?
編集長「台本の読み方にまだ慣れてなかったので、最初はあまりわからなかったんですけど、キャストの方に会ったりして、イメージができてきたあと、二度目に読んだら、ほろっときてしまいましたね。ネタバレはできませんが、勝ち負けも神様がかかわってるし、加藤さんの観点が面白いなと思いましたね」
――― これから稽古に入ると思いますが、どんなところをお客さんに見てほしいですか?
加藤「今まで、パチンコを扱った作品ってネガティブなものも多かったし、僕がやるからには、これまでにいろんな人が切り込んできた角度とは違うものをやりたいと思います。だから、パチンコをしたことがない人も、お芝居を見たことがない人でも、先入観なく見に来てほしいと思いますね」
――― 編集長から、何か加藤さんに要望はありますか?
編集長「まったくないですね。お願いしたからには、加藤さんを信じていくだけなので。僕がお芝居に対しての意見をしても裏付けはないので、とにかく加藤さんが楽しいと思うことをやってもらえればと思います」
フォンチー「今回は、幼い頃から活躍されているベテランの俳優さんから、友梨ちゃんみたいなアイドル、グラビアをやっている方、吉本の芸人さんなど、ほんとにいろんな畑からキャストが集まっているので、すごく楽しみです。まだ稽古はこれからですけど、ひとつのエンタメとして新しいことをするし、面白いものになるという確信もあります。観に来られた方には、パチンコって面白そうだなとか、演劇面白そうだなとか、そういう発見をしてもらえたらいいなと思いますね」
(取材・文&撮影:西森路代)