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えのもとぐりむ・宮谷達也


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この世代ならではの目線を大事にしたい。第7世代のふたりが語る等身大の演劇論。

東京・名古屋の人気劇団が互いのホームへ殴り込み? アウェーだからできる新たな挑戦。

日本の小劇場界において、地域の壁は高く厚い。どれだけ人気の劇団もホームを離れれば、そこは完全な未開のフィールド。劇団間における地域交流も決して活発とは言いがたい。そんな巨大な壁を乗り越え、小劇場界に風穴をあけようとする劇団がいる。それが、主に東京で活動するぐりむの法則。そして名古屋を中心に展開する演劇組織KIMYOだ。
 ぐりむの法則は本拠地・東京を離れ名古屋市・ちくさ座へ、KIMYOは主戦場である名古屋から北区・花まる学習会王子小劇場へ。東名の垣根を超え、そのフィールドを自由気ままに広げていく。なぜ両者は敢えてアウェーへ打って出るのか。ぐりむの法則を手がけるえのもとぐりむと、演劇組織KIMYO代表・宮谷達也のスペシャル対談から、第7世代の演劇観を読み解きたい。


インタビュー写真

名古屋の俳優には、東京の俳優にはない熱がある。

――― 劇団にとって地方公演はリスクが大きい。集客の問題から移動費・滞在費などコスト面まで頭痛のタネは数限りない。そんな中、えのもとぐりむは「えのもとぐりむのやわらかいパン」から。一方、KIMYOも第11回公演『スウィーティドム』から定期的にホーム以外の場所で公演を打ち続けている。果たしてその狙いはどこにあるのだろうか

宮谷「最初の目的は、戦いでしたよ。俺たちの先輩にも20代のうちから東京に出てバンバン芝居を打っている方がいて、その姿がすごくカッコよかった。それで、俺らも20代のうちに東京でやりたいねって話をずっとしてたし、王子小劇場さんにも資料を一式送って、やらせてくださいってプレゼンをしていたんですよ。別に名古屋が嫌いってわけじゃないし、名古屋で認められていなかったわけでもない。ただやっぱり東京は広いじゃないですか。いろんな劇団がいて、お客さんもたくさんいる。そこで自分たちのお芝居がどれだけの人に見てもらえるか、どう評価してもらえるかっていうのを純粋に知りたかったんです」

えのもと「最初ってことは、今の目的は違うの?」

宮谷「今は逆になってて。昔は名古屋で育てたものを東京に持って行って戦う感覚だったけど、今はむしろ東京で話題にさせて、それでドカンと名古屋で花開かせようっていう計画ですね」

えのもと「なるほどね。俺が最初に名古屋で芝居をやったのは、プロデュース公演に演出として呼ばれたからなんですよ。で、やってみたら、名古屋楽しいぞ、と。名古屋の演劇は、東京にはないものがあるんです。何て言うんだろう、少し昔のスタイルって言うか。それが温故知新っていう感じがして面白かった。そこからこの名古屋という場所に自分のやっている東京の演劇を持ってきたらどうなるんだろうって興味が湧いて、定期的にやるようになりました。自分としては違う畑をつくりたいって気持ちがあったんですよね」

――― 東名を行き来するふたりだからこそ、東京・名古屋それぞれの演劇観の違いも肌で感じている。

えのもと「一緒にやってて思うのは、名古屋の俳優には、東京の俳優にはない熱があるなということ。東京の俳優ってわりと個人主義なんですよ。それはなぜかと言うと、常に“明日売れるかもしれない”という環境にいるから。有名なプロデューサーさんが自分の芝居を見に来てくれて、そこから一気に注目されるっていう可能性があるわけじゃない?」

宮谷「東京は、みんなが夢を持って行く街ですからね」

えのもと「そう。一人で乗り込んで一人で戦う街なんですよね。でも、名古屋の俳優には、団体を有名にしようとか作品を押し上げようとか、そういう想いが根底にある。だから、名古屋の俳優って台本の読み込み方が平均的に高いんですよ。それはやっぱり作品という視点で見ているからだと思うんだけど、その違いに面白さを感じています」


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俺たちは、生身のヒーローに憧れて育った世代。

――― 活動拠点こそ異なるものの、えのもとと宮谷は共に1986年生まれ。同時代を生きてきたふたりにとって、互いの演劇にシンパシーを感じる部分も大きい。

宮谷「これは俺の持論なんですけど、俺たちの世代って大きいものより等身大のものを描く傾向があるんですよね。と言うのも、小さい頃から見てきたカルチャーと言えば、『ドラゴンボール』に『‎幽☆遊☆白書』。『機動戦士ガンダム』じゃないんですよ。どれも生身の肉体に特別な力を宿したキャラクターばかり。そういうヒーローに憧れて育った世代だからこそ、等身大の男の子がヒーローイズムを持って頑張る作品を描くことが多いんじゃないかなって」

えのもと「確かにそれはそうかも。俺の芝居も綺麗で可愛い男の子が成長していくっていうものが多いし」

宮谷「俺の場合、主人公は不細工なんですけどね(笑)。弱者を主役に下剋上を狙っていくアッパー系の物語っていう共通点はあるかもしれない。何と言っても俺たちは『(週刊少年)ジャンプ』黄金世代じゃないですか。今のように深夜じゃなく、ゴールデンタイムにアニメがバンバンやっていた世代。テレビをつけたら、そこにヒーローがいたんです」

えのもと「自分の作品を振り返ってみても、確かにヒーローの流れを汲んでると思う。今回の『コウの花嫁』も男の子が葛藤して成長していく物語だし」

宮谷「少し上の世代を見ると、ちょっと対象がデカい感じがするんですよ」

えのもと「それは、国とか組織がフィルターになっている作品が多いってこと?」

宮谷「そうですね。何かの本で読んだんですけど、“世界を守る世代”と“愛する人を守る世代”の違いなんだって。そういうのは確かに感じるところはあるし、だからこそ俺たちの目線で描こうよっていう気持ちは常にあります」


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この国に漂う危機感を、等身大の目線で描く。

――― そんなふたりがそれぞれ自信作を引っさげ、アウェー戦へと乗り出す。演劇組織KIMYOが上演するのは、新作『ハロウザディップ』だ。

宮谷「ちょっと過激に聞こえるかもしれないけど、一言で言うと若者がテロリストになるお話です。舞台は近未来。今まさに戦争が起きるかもしれないという状況下で、若い会社が丸ごと巻き込まれちゃうっていうストーリーですね。戦争って遠くの出来事のように見ている人が多いと思う。でも、本当は自分のすぐそばで起こり得ることなんだぞって。そんな気づきを与えられるお話になればと思いながら、今、書いているところです」

えのもと「もうまさに今の日本の状況ですよね。この間の参院選も結局投票率は60%にも届かなかったわけじゃないですか」

宮谷「やっぱり大きいものに興味がないんですよ、俺たちの世代って。この作品の主人公も、日頃から“別によくね?”って適当に周りに合わせているような男の子。それがどんどん大きいものに巻き込まれていくさまを、歌と踊りを混ぜながら、どうエンターテイメントに落とし込むか。それが今回のポイントです」

――― ぐりむの法則が上演するのは『コウの花嫁』。2013年以来の再演作品となる。

えのもと「これも戦争の話です。キツネ軍とタヌキ軍が争うっていうファンタジーなんですけど、その中に絶対リアルはあるなと思っていて」

宮谷「俺、この『コウの花嫁』はちょっとビックリした記憶があるんですよ。ぐりむさんって、どちらかと言うと病気とか身近な人の死とか、そういうのを書くイメージがあったから、こういうホンも書くんだなあって」

えのもと「確かに国っていう的のデカい話を書くのはわりと珍しいかもしれない。やっぱり俺も宮谷くんも同世代だから、アンテナが一緒のところがあるんですよね。今の日本に対する危機感がある。その危機感が、この作品を書くきっかけになりました」

――― まだ自分たちのことを知らない顧客層が多く潜在するアウェーの地へ。ふたりは意気揚々とその一歩を踏み出す。

宮谷「俺たちの芝居は、名古屋で育った名古屋のエンターテイメント。今は東京に住んでいても、片田舎で育った経験がある人ならきっと共感していただけるところがあると思う。ぜひ名古屋から出てきた俺たちの芝居を、たくさんの東京のお客さんに観てもらいたいですね」

えのもと「映画のスクリーンのように冷たいものではなく、温度のある人間が舞台に立って、同じ温度を持ったお客さんと楽しい時間を共有する。それが演劇の良さ。ぜひ家族や仲間、恋人、いろんな人をお誘いして、劇場で同じ時間を共有してもらえたら嬉しいです」


(取材・文:横川良明)

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≪PICK UP★注目公演≫

ぐりむの法則『コウの花嫁』
2016年8月11日 (木・祝) 〜2016年8月14日 (日)
名古屋市千種文化小劇場 ちくさ座
HP:公演ホームページ

えのもとぐりむ率いる”ぐりむの法則”が本拠地・東京から名古屋へ。
チケット完売続出につき、8/14追加公演も決定!!
えのもとぐりむ流ロミオとジュリエットは恋、殺陣、舞踊、笑いも
ふんだんに盛り込んだ総合的エンターテイメント!

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PROFILE

えのもとぐりむのプロフィール画像

● えのもとぐりむ
1986年5月3日生まれ。長崎県出身。【ぐりむの法則】主宰。代表を務める「劇団居酒屋ベースボールは06年に旗揚げし、下北沢を拠点に活動。15年11月から異例の3ヶ月22作品ロングラン公演を行い、話題を集めた。脚本家としても多数のラジオドラマを手がける他、NHK ETV『東京特許許可局』脚本、映画の脚本協力・各局ドラマの企画協力など幅広く活動。ワタナベエンターテイメントカレッジと渡邊高等学校では演劇教師として教鞭をとる。14年に文芸社より『フクロウガスム』を全国出版した。

宮谷 達也(みやたに・たつや)のプロフィール画像

● 宮谷 達也(みやたに・たつや)
1986年9月9日生まれ。東京都出身。04年に同級生の山本一樹と共に高校演劇ユニットとして結成し、07年に演劇組織KIMYOとして活動を開始。以降、作・演出を手がける他、俳優としても活動。その他、外部の出演作に刈馬演劇設計社『マイ・フェイバリット・バ――――――ジン』、アトミック☆グース『SPAMリマインダー』『スポンジドライバー』などがある。

公演情報

「ハロウザディップ/王子小劇場」のチラシ画像

演劇組織KIMYO 第16回公演
ハロウザディップ/王子小劇場


2016年9月8日 (木) 〜2016年9月11日 (日)
花まる学習会王子小劇場
HP:公演ホームページ

16名限定!2,800円(全席自由・税込) → 2,200円さらに1,800Pゲット!(9/8 17時25分〜ポイントUP中!)

詳細はこちら

「ハロウザディップ/王子小劇場」のチラシ画像

演劇組織KIMYO 第16回公演
ハロウザディップ/王子小劇場


2016年9月8日 (木) 〜2016年9月11日 (日)
花まる学習会王子小劇場
HP:公演ホームページ

全席自由(前売):2,800円(税込)

詳細はこちら

「ハロウザディップ/名古屋市東文化小劇場」のチラシ画像

演劇組織KIMYO 第16回公演
ハロウザディップ/名古屋市東文化小劇場


2016年9月29日 (木) 〜2016年10月2日 (日)
名古屋市東文化小劇場
HP:公演ホームページ

全席自由(前売):2,800円(税込)

詳細はこちら

「コウの花嫁【一般販売】」のチラシ画像

ぐりむの法則
コウの花嫁【一般販売】


2016年8月11日 (木・祝) 〜2016年8月14日 (日)
名古屋市千種文化小劇場 ちくさ座
HP:公演ホームページ

S席 一般 4,900円
  学生 4,400円
  G.I.B FC 3,900円
  高校生以下 3,900円
A席 一般 3,900円
  学生 3,400円
  G.I.B FC 2,900円
  高校生以下 2,900円(税込)

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