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TOKYO PHANTOM ORCHESTRA


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「協奏」をテーマによさこいチームの精鋭が集結、 新たな演出と世界観でお届けする圧倒的ショウ 空間

“本気の趣味”だからこその熱気に満ちたよさこいパフォーマンスは圧巻!

高知県の伝統的な踊りを発祥とし、近年は日本全国に広がっている“よさこい”。各地に数多くのチームが存在し、民謡に合わせて踊るだけでなく、より自由な創作ダンスまで振り幅を広げる中、作品性の高い演舞表現を追求しているのがTOKYO PHANTOM ORCHESTRAだ。2014年の結成以来、毎年1つのテーマを掲げて創り上げる圧倒的なパフォーマンスが注目され、昨年12月には、複数のチームやダンサーを集めたホール公演『Amazing Synfonia』を主催し大成功を収めた。
 その発展形として来年2月に行われる『Amazing Synfonia 第2幕〜幻想大祭 Beatopia!!〜』は、公演全体を1つの統一された世界観で見せる新たな試みに挑むという。代表の藤本竜大と、振付を手がける吉田快の2人に、チームの成り立ちから公演への意気込みなどを聞いた。


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新しいよさこいを、東京らしく追求していく

ーーーまず基本的な質問になりますが、よさこいチームというのはアマチュア有志が集まって活動しているのでしょうか?

藤本「そうですね。学生もいれば社会人もいたりとさまざまで、それぞれ余暇を使ってチーム活動するというのがメインです。中にはファミリーチームだったり、スポンサー企業のついたチームもありますが、我々の場合は、普段仕事をしながら、空いた時間でよさこいをやっているメンバーがほとんどです」

吉田「社会人の本気の趣味、みたいな感じですね(笑)」

ーーーTOKYO PHANTOM ORCHESTRA結成のいきさつは?

吉田「もともと藤本と僕は別のチームで活動していたのですが、どちらも解散してしまい、お互い次の活動を模索していたんです。ただ、僕はずっと振付師として活動していたので、組織運営があまり得意ではなくて。よさこいチームって本当にいろんな人たちが集まるので、それをまとめるのはある程度能力がないと絶対無理なんですよ。そういう人間を探していたところ、共にチーム結成を企てていた友人に藤本を紹介いただき、一緒にやらないかと僕から声をかけました。」

藤本「吉田とは別のチームにいた頃から同じ祭りに出たりしていましたが、ちゃんと話をしたのはそのときが初めてでした。よさこい自体には長い歴史がありますが、それにあやかるのではなく、新しいよさこいを追求するスタンスを突き通していこうという考えが一致し、TOKYO PHANTOM ORCHESTRAを結成しました」

吉田「常にちょっと変わったことをやり続けているので、だいぶ異端視されているのですが(笑)、決して色モノで終わらないように、それに見合うクオリティを目指して練習はけっこうハードに行っています。よさこいというのは地域性がすごく大事で、関東のチームでも、本場の高知や、盛り上がっている北海道風のよさこいをやろうとしているところが多いんです。それに対して、僕らは東京らしさを出していこうと」

藤本「常に新しい文化が入ってきて姿かたちを変えていくのが東京らしさだと思っているので、僕らはよさこいに新しい風を入れていきたい。『Amazing Synfonia』のようなイベントをやりたいと思ったのもそれがきっかけです。普通、よさこいは屋外で太陽の下で踊るものなのですが、それをあえて屋内で、照明や音響も加えて、なおかつジャズダンスや楽器演奏などを入れたり、お芝居のようなストーリー性を持たせたり……そういうエッセンスを加えて新しいものを生み出す場として、このイベントを立ち上げました」

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ーーーお祭りの一環として行うよさこいと違って、劇場に足を運んでもらうのは簡単ではなさそうですね。

吉田「最近のよさこいはすごく進化していて、趣味の域を超えているチームがたくさんあります。実際、劇場で上演されることも増えているのですが、僕らはそこに演出をつけて、開演から終演までトータルで1つの作品として見ていただけるように作るのがポイントです。それぞれのチームの演舞もありますが、それらを宝箱のようにギュッと配置して、統一感のある作品として劇場に出せたら新しいんじゃないかなと。去年はそれに初めて挑戦しましたが、今度はそこにストーリー性を加えて、TOKYO PHANTOM ORCHESTRAが手がけるからこそのイベントだねって言われるものにしたいと思っています」

ーーー自分たちだけではなく、他のチームを巻き込むところもポイントですね。

藤本「普段お祭りに出るときは、だいたいコンテストのようなものがあることが多いんです。でも『Amazing Synfonia』が目指すのは、“競争”ではなく“協奏”。チームの垣根を超えて、共に奏で合うことで新しい一体感が生まれたらなと思っています」

吉田「どのチームも普段はけっこう独立して動いていて、強い思いを持ってやってらっしゃるので結束力があるんです。でもこのイベントは、お芝居で言うと個々の出演者のような気持ちで一緒に作ってもらいたい。去年もそういう空気が少しずつ作れていった実感があるので、今回は一緒に“仕掛けていく”という感覚を目指したいですね」

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観る人との距離が近く、自由度が高いのがよさこいの本質

ーーーそもそも、お2人はどうしてよさこいを始めたのですか?

藤本「高校時代まではずっと球技をやっていて、自分が踊るなんて全く考えたこともありませんでした。でも大学時代にそのスポーツから離れることになって、少しフラフラしていたのですが、僕より少し前によさこいを始めた友達から誘われて練習に参加したんです。踊りながら声を出すし、パワーに溢れているし、いろんな人の前で踊れるから楽しいぞって言われて。それがよさこいとの出会いでした」

吉田「僕も同じで、大学に入るまで踊ることには全く興味はなかったです。もともと弁護士になりたくて法学部に入ったのですが、たまたま『3年B組金八先生』でおなじみの南中ソーランという、よさこいとは違いますが少し似ている踊りをを見る機会があって。そこで自分と変わらない大学生が生き生きと踊っている姿に、ちょっと嫉妬を覚えたんです。どうしてこんなにいい顔で踊れるんだろうと。それで無性に“いいな”と思ってしまって、司法試験の勉強そっちのけでよさこいサークルを立ち上げて、いろんなお祭りに出るようになりました」

ーーー吉田さんは振付師/ダンサーとして舞台や映像作品にも関わっているそうですね。

吉田「最初はよさこいも趣味で続けるという漠然とした意識でやっていたのですが、途中から少しずつ振付も手がけるようになって、この道でやっていきたいと魔が差して(笑)。それで大学も辞めて、よさこいだけでは食べていけないのでプロの世界に入ろうと思い、ダンススタジオを回って先生を見つけ、舞台の世界に入りました。ですから、僕にとってよさこいは外せないルーツですけれども、そこに舞台の要素を持ち込めるのは自分の強みかなと思っています」

ーーーよさこいは、踊っている人と観ている人の間に垣根がない。お2人ともそこに惹かれたのですね。

藤本「そう、お客さんとの距離が近いんです」

吉田「そこがよさこいの本質だと思います。誰もが表現者になれるというのが、すごくいいなと。最近のよさこいはいろいろなダンスのテクニックが入っているのですが、それをダンスでやろうとすると“私そんなの無理”って尻込みしてしまうところを、よさこいっていうと不思議なことにみんなホイホイ踊ってくれるんですね(笑)」

藤本「決まりごとが少ないから自由なことができるというのはありますね。僕らのようなチームは“これをよさこいと呼んでいいのか?”って言われることもありますが、基本のスタイルとしては、鳴子を持って「よさこい節」と言われる曲の小節を使っていればよさこいになり得る。そういう自由なところも、よさこいがこれだけ広まっている理由なのかなと思います」

吉田「よさこいの人口はここ20年ほどでものすごく増えていて、日本における“踊る人間を増やすインフラ”としては、めちゃくちゃ貢献していると思います。EXILEのおかげでストリートダンスを踊る人が増えたように、それ以前からよさこいが日本人に踊りを解放したんじゃないかと。そういう意味で、よさこいにはまだまだ可能性を感じています」

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ーーーそんなよさこいをベースにした『Amazing Synfonia第2幕〜幻想大祭 Beatopia!!〜』は、演劇や舞台ファンの人も楽しめそうなイベントです。

吉田「先ほども言ったように、よさこいがメインなんですけど、いろいろな踊りがギュッと凝縮された舞台です。とても華やかで、後味も良くて、よさこいならではの生の元気をきっと感じていただけると思います。宝箱を開けてワクワクした気持ちになってもらいたいなと思って舞台を作っています」

藤本「みんな素人で、限られた時間の中、本気でやっている。社会人が本気を出すとこんなにすごいんだぞという、よさこいならではのパワーが詰まった舞台になればいいなと思っています。よさこいをよく知らない人も、よさこいって何ぞや?という気持ちでフラッと来てもらって、ワーッと満足して帰っていただけるものになるよう頑張ります」

(取材・文&撮影:西本 勲/舞台写真提供:TOKYO PHANTOM ORCHESTRA)

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PROFILE

藤本竜大(ふじもと・たつお)のプロフィール画像

● 藤本竜大(ふじもと・たつお)
1989年生まれ。幼少期からスポーツを好み、アイスホッケーやハンドボールなど踊りとは無縁の生活を送る。2008年によさこいと出会い、学生チーム・社会人チームと経験を重ね、2014年に代表としてTOKYO PHANTOM ORCHESTRAを結成。現在では本職のIT商社セールス業務に従事しながら、同よさこいチーム運営を担う。

吉田快(よしだ・かい)のプロフィール画像

● 吉田快(よしだ・かい)
1981年生まれ。早稲田大学在学中よりよさこいを踊り始め、2004年からは日本全国でよさこいチームの振付・楽曲設計・衣装デザインをトータルでプロデュースする振付師として250以上の作品を手がける。現在はR-ART-WORKSというよさこい総合プロデュースユニットを主宰する一方、ダンサーとしても数多くの舞台やCMなどに出演。

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