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託児8周年

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ミクニヤナイハラプロジェクト


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前例のない身体表現は必見!

光のない部屋に閉じ込められた3人が描く、脱することのできない閉塞感

ダンサー、振付家でもある矢内原美邦が、演劇をするために立ち上げたソロ企画「ミクニヤナイハラプロジェクト」。2005年に旗揚げされ、圧倒的な情報量と運動量で高速演劇として知られている。その第11弾となる最新作は、『ガドルフの百合』(作・宮沢賢治)から着想を得て創作、2017年3月に大阪で上演された作品をブラッシュアップしたものになる。自分がいる世界から脱することのできない閉塞感を、光のない小さな部屋に閉じ込められた3人により描き出し、小さな島国に住む私たちの生き様を照らし出す。


インタビュー写真

一昨年度ミクニヤナイハラプロジェクトとしては10周年を迎えた。このカンパニーがなぜ高速演劇と言われるのか?激しい動きが特徴になったのは意外な所からだった

矢内原「2017年を振り変えると、主宰・振付をやっているダンスカンパニー・Nibroll(ニブロール)が20周年を迎えKAAT神奈川芸術劇場で大きな公演をしたのが一番心に残っています。20年もやっていけると思わなかったのに、20年はあっという間でしたね、良い経験でした。どんどん新しいことに挑戦したいと思った節目の年でした。ミクニヤナイハラプロジェクトとしては、10周年で『東京ノート』を上演しました。
 吉祥寺シアターのオープン当時、その時のプロデューサーにお声がけいただいて、はじめはダンスの新作を作って欲しいという依頼でしたが、ちょうどNibrollが海外ツアーをやりすぎてくたびれていて(笑)。こけら落とし公演として第1作目『3年2組』という作品を上演したのが、ミクニヤナイハラプロジェクトの演劇を始めるきっかけですね。そこからほとんど吉祥寺シアターで上演しています。
 脚本を書いてみると3時間くらいの膨大な長さになってしまいセリフを切るように迫られましたが、役者が早口でしゃべれば縮まるよなと(笑)。自分が書いた本なのでセリフは自分には聞こえていましたが、お客さまには聞き取れないということを、当時は上演するまで気が付かなかったんです。一回きりで好きなようにやってそれでやめようと思っていたので、ダンスの人にはこれはおかしいと言われ、演劇の人には演劇ではないと言われました。でも宮沢章夫(遊園地再生事業団主宰)さんをはじめ何人かは『こんなバカなことをする演出家はいないから、やっていいんじゃないか』と。さらに2作目で岸田國士戯曲賞の最終候補作品にノミネートされてしまい、井上ひさしさんから電話がかかってきまして『5割がた面白いが、構成があまりよくない。このまま君は書き続けなさい』と言ってくださって、そこからやってみようと思い10年ですね」

観客は常に傍観者で観ていますが、劇が終わった頃には実は傍観されていたのは自分じゃないのか?ということに気が付きます

矢内原「自分達は日本という島国で閉じ込められた感があり、海外に出れば出るほどそれを強く感じて、今作はその閉塞感を書き直したいと思っていました。なぜそこに居なければいけなかったのか?という理由が定かでないまま閉じ込められていて、常に監視されている状態です。観客は常に傍観者として観ていますが、劇が終わった頃には実は傍観されていたのは自分じゃないのか?ということに気が付きます。
 80年代の演劇はサブカルチャーから出てきたと思っていて、そのサブカルを超える演劇はまだ日本では出てきていないなと。そこを超えていく新しい方法が演劇の中にもあるのではないか、そういう物を書きたいなと思ってこの作品を書きました」


インタビュー写真

――― 矢内原作品の魅力とは?

菊沢「矢内原さんの作品は3作目になります。僕はエッジが効いてとがった物が好きなんですね。賞をとったり、指導者になってお金を稼ぐようなると、人間丸くなっていきますよね。ミクニさんが凄いのは、ずっとそのヘリを走り続けるというか、とがり続けることは凄いなと、そこが魅力だと思いますね。ヘリに居続ける事はとてもキツイことだから。僕はいつも一緒にやりたいと思っています」

細谷「『曖昧な犬』の大阪公演を拝見して、とても面白くて。ミクニさんはこんな作品も作るんだと、とても新鮮な印象がありました。もちろんいつも通り走ってジャンプして叫んでましたけど」

菊沢「そうなんだ!」

矢内原「ストーリーはいつも以上にあるかもね」

細谷「戯曲から具体的なイメージをたくさん受けました。今度の再演で更にどうなるかが楽しみです」

石松「『東京ノート』で初めてプロジェクトに参加しましたが『あ、これだな』という衝撃的な感覚がありました。突き抜けている作品でとがっていて、自分の身体を使って表現していく事に改めて目覚めた瞬間でしたね。ミクニさんの作品の魅力は、対岸の火事ではいられない感覚があり、観客をまるごと巻き込んでこういう作品にするという想いを強く感じます。強さを画面に出せる作品はなかなか無いと思っていて、アートや芸術の使命に迫っていく作品に出会えて幸せだなと思います」


インタビュー写真

――― 常に攻めていこうと?

矢内原「攻めてはいないですね。私は大学時代から舞踊学科にいてダンスを勉強してきましたが、シェイクスピアやチェーホフなどそういったものを全く勉強してきませんでした。演劇の流れを全く知らないまま演劇を始めたので、やり方が分からないというのが正直なところで、身体とセリフの可能性というところが一つの方向だと面白くないし、誰かがやらなければならないんだということを亡くなられた太田省吾さんが言っていたので、その出会いが大きくて、そのまんま誰かがやっているような劇はやらない、役者を含めて自分たちの劇を探していくという旅をしていかないと忘れられる存在になってしまうという思いで“覚悟を決めてなる”ということをいつも心に命じてやっています。今回自分たちの戯曲を自分たちでやるのは久しぶりなので、ちょっと観客がどう受け取るか心配です」


本当にこの3人は面白いので見ていただきたい

矢内原「今作のこの3人がいかに面白いかということを伝えたいですね。実は出演者が男性だけになる芝居は初めてなんですよ」

――― 前回から役柄は変わりますか?

矢内原「はい変わります。初演は初め2人芝居を予定していましたが、ひとりがケガをして松葉杖になってしまい、稽古で代役をやっていた若者を入れて3人でセリフを割り振り乗り切りました。それを下敷きにする予定です。あて書きはいつもやるのでやっていきます。稽古の中でもセリフは生まれてきます。私は役者が何かを演じることが好きではなくて、なるべく演じないでそこにいて演じることを目指したいので、その人が普段どういう生き方をしているのか現れるような舞台にしたいと。この人達がこの人達で居られるような演出をやりたいと思います」

――― そして走る……

矢内原「走りますね、走るということはその中から逃げ出したいという今作のテーマでもあるので、今回もみんな体力をつけないといけないかもしれません」

――― ではミクニヤナイハラプロジェクトの作品の入り方として、体力づくりから始めるのですか?

矢内原「いえいえ台詞は覚えてきてもらって入ります。本当はそういうところからやれればいいんですけど、なかなか予算の問題でトレーナーを呼んでトレーニングを積むことができないのでアップして稽古に入ることを続けています。本当だったらハリウッドみたいにトレーナーをつけたいですけどね(笑)」


インタビュー写真

――― このカンパニーに入るために心掛けていることはありますか?

石松「走ってますね、『東京ノート』を始める時もそうでした。体調管理を整え、しっかり積み上げて体を丈夫に作り、本番をピークに持って行けるようにしたいですね」

細谷「そうですね。走れないとセリフも言えないのでとにかく走って走って、そして稽古の後は血になる物を食べます。マグロとか。普段のそれまでの食事量のまま稽古に入るとどんどん痩せてしまうので、消耗した分がトントンになるように食べています。体を壊さないように心がけています」

矢内原「そんなキツくないと思うけど(笑)」(全員爆笑)

菊沢「自分もやっぱり走る事と、この間実家に帰ったとき甥っ子と縄跳びをしたのです。縄跳びは大人になってやるとこんなにキツいんだと。2重跳びがうまくできなくなっていたのでボクサー並にやるのが目標です」

矢内原「縄跳びいいね。ダンサーは稽古に入る前に1時間くらいアップしますが、舞台の人たちは体をひねることぐらいしかやらないんです、ちょっと驚いちゃって(笑) 体操みたいなものをするようになりました。あと自分で自分をハグすると自律神経が整えられていいみたい、特に舞台前にやると落ち着いて立てるから良いみたいですよ」

菊沢「年齢が上がると無駄に激しくやらないで効率的に筋肉をつけたいですよね」

矢内原「ストレッチって、稽古前にするのは筋力低下を起こすんですね。あまりストレッチはよくなくて、それなら走った方がいいみたい。いまトレーナーさんに色々教えてもらっているので、みんなでできれば」


――― 最後にメッセージをお願いします。

石松「暑かったら汗が出るし疲れたら動きが鈍くなる、嘘がつけない身体をベースにして演技する俳優たちを見てもらって、そして映像美術照明と一体となって迫って来るものを感じていただけるようがんばります」

細谷「他のどこでも観られないような作品になると確信しています。そういう作品を創るんだという意気込みです。たくさんの方に観ていただけたら嬉しいです。本番は全員で一生懸命がんばります。是非、劇場へお越しください」

菊沢「2016年に自分が監督した映画が映画祭に入選したり、海外の演出家と一緒にやったりと環境に大きな変化があったので、2017年はいろんな決断に迫られ、考えることの多い年でした。また自分に何ができるのか常日頃考えています。自分がデモを先導するとか、選挙に立候補するとか、政治家になったところで何が変わるのかと思うんです。それを考えた時に、やはり自分は二十歳の時から演劇をやってきて役者であったし、役者をやるしかないんだと痛烈に考えているんですよね。自分は確かだと思っている人たちとずっとやってきたという所があって、それを突き詰めていかなければいけないと思っています。去年もそれを信じながら規模の大小に関わらず面白いなと思う人たちとやってきました。
 今年の3月にミクニさんとやれる、そして3人でやれるのは本当に嬉しいですし、自分にとっては集大成ではないですが、代表作になると思っています。観た人が打ちひしがれる、これを観たことが一生のキズになって残るようなものにしたいと思っています。是非それを目撃して欲しいです」

矢内原「本当にこの3人は面白いので見ていただきたい。これからどんどん出ていく人達だと思いますし、自分もみんなを押上げたりできるような人になりたいですね。舞台自体ももっとやっていきたいと思っています。この時代に生きている3人を是非ご覧ください」


(取材・文&撮影:谷中理音)

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PROFILE

石松太一 (いしまつ・たいち)のプロフィール画像

● 石松太一 (いしまつ・たいち)
1978年生まれ、埼玉県出身。フリーで活動後、2010年より劇団青年団に入団。主な出演作として、青年団『さよならだけが人生か』、『ソウル市民』『冒険王』『南島俘虜記』、映画 『STOP』(キム・ギドク監督)などがある。

菊沢将憲 (きくざわ・まさのり)のプロフィール画像

● 菊沢将憲 (きくざわ・まさのり)
1974年生まれ、北九州市出身。俳優・映画監督。野田秀樹の舞台を中心に活動。2016年にはアヴィニョン演劇祭初演のアンジェリカ・リデルの舞台に出演し、監督した映画「おーい、大石」がPFFアワードに入選。ダンスや音楽の世界でも独特の存在感を放つ。 http://kikuzawa1974.blogspot.jp/

細谷貴宏(ほそたに・たかひろ)のプロフィール画像

● 細谷貴宏(ほそたに・たかひろ)
1987年生まれ、大阪府出身。2010年度ENBUゼミナール演劇コース修了後、小劇場演劇を中心に俳優として活動する。2012年に自身の作品を創作するためのソロプロジェクト「ばけもの」を発足。近年の作品に、贅沢貧乏『テンテン』、東京ELECTROCK STAIRS『半永久的状況宇宙』などがある。

矢内原美邦(やないはら・みくに)のプロフィール画像

● 矢内原美邦(やないはら・みくに)
1971年生まれ、愛媛県出身。ダンサー、振付家、演出家、劇作家、Nibroll主宰、近畿大学准教授。1997年にダンスカンパニーNibroll結成。ダンス・演劇の両分野において高い評価を獲得し、国内外のアーティストとコラボレーションするなど世界中を舞台に活躍中。2015年文化庁文化交流使として東南アジア諸国に派遣され、活動の幅を広げている。

● ミクニヤナイハラプロジェクト
ダンサー、振付家でもある矢内原美邦が、2005年に「演劇作品」を制作するために立ち上げたソロプロジェクト。圧倒的な情報量と運動量で知られる舞台では、言葉と体をダンスするかのごとく高速回転させ、前例のない身体表現は世界中から注目されている。

公演情報

「曖昧な犬」のチラシ画像

株式会社precog
曖昧な犬


2018年3月22日 (木) 〜2018年3月25日 (日)
吉祥寺シアター
HP:公演ホームページ

一般(全席自由):3,500円
学生(全席自由):2,800円
(税込)

詳細はこちら

「曖昧な犬」のチラシ画像

株式会社precog
曖昧な犬


2018年3月22日 (木) 〜2018年3月25日 (日)
吉祥寺シアター
HP:公演ホームページ

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