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シライケイタ・佐藤B作


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葛飾を舞台に心のふれあいを描いた物語を、区民・一般キャストが楽しみながら演じる好評企画

人の心の隙間を襲う「邪気」に、主人公の女性と用心棒の「天」が立ち向かう!

東京都葛飾区が推進する文化芸術創造事業の一環で、葛飾を舞台にしたオリジナル文学作品を一般公募する「かつしか文学賞」。大賞作品は脚本化し、オーディションで選ばれた区民・一般キャストによって舞台公演を行っている。
その第3回目として7月に上演される作品『天のこと』(作:広都悠里)は、先ごろ第25回読売演劇大賞で杉村春子賞を受賞したシライケイタ(劇団温泉ドラゴン)が脚本を、そしてこの企画の第1回目から関わる佐藤B作が演出を担当。ある失意を抱えて葛飾区に引っ越してきたOLのもとに「天」と名乗る者が現れ、心の闇に入り込もうとする「邪気」から彼女を守るという、ちょっと不思議で心温まるこの物語、いったいどんな舞台になるのだろうか。


インタビュー写真

芝居の楽しさと大変さの両方を経験してほしい

――― B作さんはこの企画に最初から関わっていらっしゃいますが、どんな印象を持っていますか?

佐藤「演劇のプロではない、一般の方と一緒に芝居を作るのは初めてでしたが、まあ大変ですよ(笑)。自分が演劇を始めたときもそうだったように、演じるといってもどうすればいいの?っていう、まずはそういう素朴な疑問から始まりますよね。台詞があって、それを覚えて、本読みをやって、立ち稽古で演じるとなったとき、何をすればいいの?っていう、やっぱり皆さんそこで引っかかります。だいたい足かけ1年くらいかけて稽古していくんですけど、それでも時間が足りないくらいで、大丈夫かなこれ?っていう(笑)」

――― そういうプロセスを間近で一緒に体験すると、忘れていた感覚を思い出すようなところも……

佐藤「ありますね。中にはオオッ!って人目を引くような人もいるわけですよ。そこで、“いいな”と思うのはどうしてなんだろうって、逆に自分が発見することもあったりして。こういうことで“いいな”と感じるんだなって、自分も学びますよね」

――― まずは大賞作品を読むところから始まるわけですよね。

佐藤「そうですね。もちろん小説には歌も踊りもありませんが、それが芝居になったときは、歌とか踊りをなるべく多く入れてもらうようにしています。というのも、歌や踊りは、繰り返し練習すればできるんですよ。最初はみんな大変そうなんですけど、だんだん覚えていくうちに楽しい顔になってくる。そういう喜びや楽しみみたいなものも、キャストの皆さんに体験してほしいんです。毎年夏に太鼓の周りで盆踊りを踊って楽しむみたいな、そういう要素をいっぱい入れて、演技の方では各自悩んでいただく(笑)。その両方で、芝居の楽しさと大変さの両方を経験していただけるといいなと思っています」

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――― 今回シライさんが脚本を手がけることになったのは?

佐藤「鈴木裕美さんという演出家がいまして演出助手が見つからなくて困っていたとき、うちの元制作スタッフがシライさんの同級生で、彼にお願いしたんです。そうしたら最後までやってくださってね」

シライ「いやぁ、大変な現場でした(笑)。でもそれがきっかけで、B作さんも温泉ドラゴンの舞台を何回か観に来てくださったりして」

佐藤「何か恩返ししないとっていう気持ちになりましてね。それに、作家としてすごく伸びてきている感じもあったので、お願いしようと。声をかけたときより、今はさらにすごいことになっていますからね。そんな方にお願いするのは申し訳ないような気持ちもあります(笑)」

シライ「そんな、とんでもないです(笑)」


原作の大きなメッセージをシンプルに伝える

――― お二人は小説の『天のこと』を読んで、どんな感想を抱きましたか?

佐藤「芝居にするのは大変だろうなと。本当にあるような、ないような話なので、どのあたりから作っていったらいいんだろうっていうのがありました。人間を超えた存在が出てきたり、鬼との戦いがあったり……僕はやっぱりリアルな感じが好きなので、たとえフィクションでも、リアルに思えるところの基盤をどの辺に置けばいいんだろうという難しさや不安は感じました」

シライ「僕は……途方に暮れました(笑)。B作さんがおっしゃったように、リアリティのある話ではないし、小説の登場人物は少ないけど、舞台では30人くらいは出られるようにしたいという話もあったので、どうしようかなと。そこで、これなら大勢のキャストが出られて、歌も踊りも入れられるというアイディアを思いついて、割と大胆に翻案しています。もちろん原作で描こうとしているものの魂は活かしながら、どうすれば演劇として面白くできるかなと考えました」

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――― 人間には良い部分と悪い部分があって、その悪い部分や心の闇に「邪気」が入り込むと、やがてその人を「鬼」にしてしまう。小説ではその逆のことが起きる場面も描かれていたりして、人間の本質をついた物語でもありますね。

シライ「そこがこの作品の肝だと思います。「邪気」は心のわずかな隙間に入り込んでくるけれど、明るい気持ちでいれば「邪気」は寄ってこない。そういう1つの大きなメッセージをシンプルに描いた作品だと思っています」

佐藤「毎日生きていると、嫌なこと多いですから。そういうときにもクサっちゃいけないって思えるようになったのは60歳過ぎてからですけどね(笑)。若いときはしょっちゅう喧嘩していたけど、最近はなんでも許せる人間になってきて……って、俺個人の話をしてもしょうがないか(笑)」


この現場だからこそ味わえる感動がある

――― そんな作品を、オーディションで選ばれた区民・一般キャストの皆さんが演じるわけですね。

佐藤「みんな本当に楽しんで、頑張ってやってくれています。今回は90歳のおじいちゃんも出演されるんですけど、もう立ってるだけですごい(笑)。そんな人が演技をなさる姿を見たら、周りのみんなもすごいなって思うし、公演を観に来られるお客さんも“自分も負けちゃいけないな”って、元気をもらうんじゃないかと思います」

シライ「オーディションで、B作さんが“絶対この人を出したい”っておっしゃったんですよね。体力的なリスクなども考えると、僕は正直さすがに難しいんじゃないかって思ったんですけど、“圧倒的に良かった、こんな人を残さないでどうするんだ”ってB作さんがおっしゃるのを聞いて、ちょっと感動したんです。そういうことにこそ市民劇の意味があるんだって。だから本当に楽しみです」

佐藤「素人の方っていうと失礼かもしれないけど、その役に無邪気に入って演じてくだされば、何があってもOKなんですよ。今までも、どうしても台詞が覚えられない方がいたりとか、いろんなことがありましたけど、でも最後にはちゃんとやってくださる。それを見て僕の方が感動させられるんですよね。千秋楽が終わると、みんな泣いてますから。この現場は、そういう良い体験をさせてくださるんです」

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――― そんな皆さんが演じるこの舞台は、演劇を観慣れている人にもきっと新鮮に映るでしょうね。

シライ「純粋に舞台に立ちたいとか、楽しむためにやっている。これって演劇の原点のようなものだと思うし、プロの演劇人が観ても、きっと得るものがあると思います。プロであるB作さんが本気で演出されて、僭越ながら僕も一生懸命書かせていただいたこの作品は、ただ面白いっていうことだけじゃなくて、きっと何かが心に残るものになると思うんです。そういうのを観ていただけたら嬉しいです」

佐藤「生きていくことが大変な日常の中で、ちょっとお茶を飲むようにというか、やすらぎたいという思いがあったら、葛飾の人たちが一生懸命汗を流して作り上げる「お祭り」に、皆さんも参加しませんか?と、今はそういう気持ちですね。そしてシライくんもおっしゃったように、本当に邪気のない人たちが演じる演劇というのがどういうものか、ぜひ一度体験していただきたいです」


(取材・文:西本 勲 撮影:友澤綾乃)

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PROFILE

佐藤B作(さとう・びーさく)のプロフィール画像

● 佐藤B作(さとう・びーさく)
1949年生まれ、福島県出身。大学在学中に早稲田大学の演劇サークル・劇団こだまに入る。大学を中退後、1973年に劇団東京ヴォードヴィルショーを結成、現在も座長を務め、誰にでもわかる喜劇を追究し続けている。劇団として『その場しのぎの男たち』『パパのデモクラシー』の舞台成果に対し、第48回紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞した。

シライケイタ(しらい・けいた)のプロフィール画像

● シライケイタ(しらい・けいた)
1974年生まれ、東京都出身。1998年、蜷川幸雄演出『ロミオとジュリエット』で白井圭太の名で俳優デビュー。2010年、劇団温泉ドラゴン旗揚げ公演に初の脚本を提供し、その後全作品の脚本・演出を担当。社会的なテーマのオリジナル作品から、映画や小説の舞台化など幅広い創作活動を行う。2018年、第25回読売演劇大賞にて杉村春子賞受賞。

公演情報

『天のこと』

2018年7月28日(土)13:00 /18:00開演、29日(日)14:00開演 ※開場は開演の30分前
かめありリリオホール
HP:公演ホームページ
一般2,000円 中学生以下1,000円(全席指定・税込)

5月18日(金)13:00よりカンフェティWEBでもチケット発売開始!