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外波山文明・松本紀保


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椿組2018年夏・花園神社野外劇

お顔が見たい。唯一目。千歳百歳に唯一度、たった一度の恋だのに。

 新宿にある花園神社の境内には、年に何度か大きなテントが姿を現す。ほんの数日間姿を現し、そこで様々なドラマを魅せつけたかと思うと、忽然と姿を消す。そんなテント劇場の野外劇が行われている。
 そして毎夏、蝉時雨の中に建つのが外波山文明率いる椿組のテントだ。今年の演目は泉鏡花の代表作「天守物語〜夜叉ヶ池編」。主演するのは自身のプロデュース公演など多彩な活動を展開している女優の松本紀保。外波山の拠点でもある新宿ゴールデン街・クラクラで、2人に話を聞いた。


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――― 毎夏の花園神社での公演は、もう何年目になりますか。

外波山「野外劇を花園でやるようになって33年になります。以前は「はみ出し劇場」という名前でやっていましたが、96年にこの「天守物語」を最後に椿組になりました。他意は無かったんですが、劇団という形でやっていると多少は客演を呼ぶとしても、基本は同じメンバーで、そこに閉塞感を感じたんですね、だから作・演出も外部から呼ぶなど、もう少し自由な形、ある種のプロデュース公演をイメージして体制を変えました。

――― 今回の公演はその「はみ出し劇場」最終公演の再演となるわけですね。

外波山「泉鏡花の原作を前回は高取英さんの脚色。そして僕の演出でしたが、今回の演出に花組芝居の加納くんをお願いしました。彼とはお互いの作品を観たり飲みにいったりとお付き合いが深いんですよ。実は以前にも声をかけたことがあるんですが、なかなかタイミングが合わなくてね」

――― ようやく実現というわけですね。いわゆる小劇場の歴史でみると、加納さんはだいぶ下の世代になりますか。

外波山「いわゆるアングラと呼ばれる世界だと、僕らの上が寺山(修司)さんや鈴木(忠志)さん、そして唐(十郎)さんがいて、僕と同時期なのが流山児祥とか。さらにその後につかこうへいとかが続くわけで。加納くんはもっと下の世代」

――― でも外波山さんも加納さんもすでに演劇界の大御所ですから、あまり世代の上下は感じませんが。

外波山「そうですね。それに僕らの世代といっても70過ぎてますから、現役が少なくなってきていて(笑)。今はむしろ若い連中と一緒に作るのが面白いですね。2年前に松本さんに出てもらった「贋・四谷怪談」では、今一番のっている若手の西沢(栄治)くんと組んだりね」



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――― さて、松本さんが椿組のテント劇場に登場するのも初めてではないようで、もう何回目ですか。

松本「2011年の『けもの撃ち』が初めてで、それから3回出演してますから、今回は5回目になります。」

――― 4月に2度目のプロデュース公演を終えられるなど、多彩な舞台に参加されていますが、野外劇の印象はいかがでしょう。

松本「肌に合うというか、初めて参加したときから(野外劇は)好きですね。外波山さんはいつも稽古場で「自分の遊び場は自分で作るんですよ」とおっしゃるんですが、まさにその通りだと思います。通常の劇場の稽古だと稽古の終わりから劇場に入るまでの間、俳優陣は基本的に休んでいて裏方さんがセットを作っている。そして準備ができたところで俳優が入るわけです。でも椿組のテントでは、稽古が終わると今度は全ての俳優がスタッフになって一週間くらいかけてテントを建てる。それも好きです」

外波山「11日間だよ(笑)」

松本「衣装にしても小道具にしても、役のイメージを考えながら汚しをかけたり使いやすい仕掛けを作ったり、なにかしら手を加えるんです。出演者同士で意見を聞いたりもしますね。だから一人一人が作ったものに愛情がこもっているきがします。
 さらに野外劇ならではなのが、自分たちで建てたテントや舞台を公演が終わったら自分たちの手でバラして更地にする。最後まで見届けるということの面白さと愛おしさを参加する度に感じますね。だから自分が出ていないときに(野外劇を)見に行くと「あ、ここのパイプのつなぎを皆でやったのかな」と思ったり、屋根の汚れを見て作業を思い浮かべたりしちゃいます」

――― おそらく外波山さんが松本さんを特別扱いすることは無いと思いますが。

外波山「しないですね(笑)。いや、怪我も怖いから無理をしないで体調も考えながらね、というんだけど、けっこう仕込みにも来てますよ。」

松本「衣装の汚しとかテントの撤収とか。結構な力仕事もありますが私も一緒になってやってます。いかに楽しんで参加するかですね」

外波山「テントの舞台だと役者が出入りするのも左右の袖幕からだけではなくってね。俺は天井からでたいとか、上からするする降りたら面白いんじゃないかと考えるわけ。そう来るとこっちは「だったら自分で作れ」というわけで。まあ普通の劇場のような部屋ではないので、いかようにもなるわけです


インタビュー写真

――― 松本さんのプロフィールを拝見すると、お父様(松本幸四郎)の『ラ・マンチャの男』で演出助手をされているなど俳優ではない関わり方もされて、演じる側と作る側の両面から作品に関わっていますね。

外波山「先日のプロデュース公演の時も感じましたが、自分が役者モードになるときは違って、制作する側ではそれがどんなものか冷静に見る目がないといけないと思います。外側から目線を向けるということは、演出助手で学んだことですが、それはまた俳優として必要なことだと思っています。
 その意味では椿組のメンバーは役者でもありながら制作スタッフなんですね。稽古場には支度部屋と大道具製作部屋とが一緒にありますから、稽古の途中でも出番でないときには若い子たちがチケットの配券をしたり、衣装を作ったり(笑)、もう何でもやっちゃう。いつも頭が下がるばっかりです(笑)」

外波山「役者もね「私の衣装は?」なんていっているのではなくて、やっぱり自分で手がけないとね。それに衣装にしてもお仕着せでは嫌なときがあるんです。そんなときは自分で主張するようにいってます。小道具も借りてきた物と自分で作るもの、手を加えたものとは違います。それが芝居ですし、台本も作家のセリフをそのまま話す以上に、それに血肉を与えて膨らませるのが役者の才能でありそのための稽古です。紙に書かれた文字を立ち上げて立体にするのが役者の仕事ですから。

――― 初めてテント劇場に足を運ぶ人は、お客さんの整理をしていた人が、幕が開くと役者として舞台にいる。そこに驚くでしょうね。

外波山「唐組にしても新宿梁山泊にしても、花園神社で行われる芝居はたいがいそれやっていますよ。同じ神社のテント劇場でも椿組が他と違うのが、「土」、つまり地べたを使うことです。他はみんなステージを組みますが、僕らは野外の「土」を使って、上手下手の2方向と花道だけではなく、その花道が奥につながっていくとう「縦の空間」も使いたいんです。奥からずっと歩いてくるだけで絵になるというね。ただし今回は『天守物語』なんで。天守を作らなくてはいけないですけどね。」


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――― 今回は『天守物語〜夜叉ヶ池編』とあります。この2つは別の作品ですが。

外波山「もともと「天守物語」の中にも「夜叉ヶ池」の要素が出てくるんです。だから兄弟話みたいなところがあるんですが、この公演ではそれをくっつけた形になってます。あと高取さんの脚本では少年時代の泉鏡花が出てきます」

――― いろいろ興味深いですが、今回はその脚本に加納さんが色づけをすると……。松本さんのキャスティングですが、それが前提で作品が決まったんですか。

外波山「ええ。まず紀保ちゃんありきでした。「天守」をやろうといったとき、まず紀保ちゃんのスケジュールを確認して、大丈夫と返事をもらったから決めたんだもの。加納くんと一種にいるところで電話したんだから」

松本「演出の加納さんも上演している作品だし、歌舞伎の世界でいえばあの玉三郎さんがやっている作品だからもうねえ(笑)。だから胸をお借りするつもりで挑みたいです」

外波山「今回はだいぶ原作の文章そのままを使ってきたりしていますね。また以前のものとは全く違って面白いと思います。昔の演目は財産だと思っていますが、再演に耐えられるだけの作品かどうかは重要なことでね。だからウチだと中上健次が唯一書いた戯曲の『かなかぬち』。2年前に22年ぶりの再演だった『贋・四谷怪談』。あとこの作品ですね。そこの流れに新作を混ぜていくことで「椿組っておもしろいことやっているな!」と思ってもらえたら嬉しいです」

――― お二人の話は聞いているだけでワクワクが止まらない。この気持ちのまま、テント劇場に駆けつけることにしたい。


(取材・文&撮影:渡部晋也)


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PROFILE

外波山文明(とばやま・ぶんめい)のプロフィール画像

● 外波山文明(とばやま・ぶんめい)
1947年1月11日生まれ、長野県出身。1967年、演劇集団変身入団。街頭劇、野外劇を経て1971年にはみだし劇場を旗揚げ。 1985年、新宿花園神社にて立松和平作『南部義民伝』で野外劇を始める。現在は劇団椿組を主宰し、夏の花園神社野外劇と下北沢の劇場でプロデュース公演を行うほか、商業演劇やミュージカル、小劇場への客演も数多く行う。また、映画、テレビドラマ、アニメ声優など多方面で活躍。新宿ゴールデン街の商業組合理事長も務めている。

松本紀保(まつもと・きお)のプロフィール画像

● 松本紀保(まつもと・きお)
1971年10月15日生まれ。東京都出身。1995年TPT公演『チェンジリング』(演出:デヴィット・ルヴォー)でデビュー。主な作品に『マトリョーシカ』(作・演出:三谷幸喜)、ミュージカル『ラ・マンチャの男』、『虹を渡る女』(作・演出 岩松了)、グリング『jam』(作・演出:青木豪)、などがあり、様々な分野の舞台に出演する。また『アマデウス』、『ラ・マンチャの男』では白鸚(九代目幸四郎)の演出助手を勤める。  2013年劇団チョコレートケーキ『治天ノ君』(作:古川健/演出:日澤雄介)にて読売演劇大賞 優秀女優賞受賞。2014年初プロデュース公演『海と日傘』(作:松田正隆/演出:青山勝)を上演し主役も勤め好評を得る。2016年には『治天の君』の再演ではロシア公演を行い、三都市(サンクトペテルブルク、オムスク、ノボシビルスク)をまわった。

公演情報

「『天守物語』 -夜叉ヶ池編-2018」のチラシ画像

椿組2018年夏・花園神社野外劇
『天守物語』 -夜叉ヶ池編-2018


2018年7月11日 (水) 〜2018年7月22日 (日)
新宿花園神社境内特設ステージ(客席テント有り)
HP:公演ホームページ

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