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田中正彦・森田成一・村田元史


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没後10年を迎えるハロルド・ピンターの2作品を同時上演

いよいよこの作品に手をつけたか。そんな印象もあるまさに最終兵器

俳優、声優として活躍する田中正彦が、所属していた劇団昴から離れ「自分の演りたい戯曲を、一緒に演りたい俳優と舞台を作る」ためにつくったT-Project。13回目となる次回公演に声優としても人気の森田成一とふたりで、イギリス演劇界の巨匠ハロルド・ピンターの『ダムウェイター』『ヴィクトリア駅』の2本を同時上演する。田中、森田、そして演出の村田元史に話を聞いた。


インタビュー写真

――― 田中正彦の個人プロジェクトとして2011年から活動しているT-Project。13回目の公演で採り上げるのはイギリスを代表する劇作家の一人であり、2005年にはノーベル文学賞を受賞したハロルド・ピンターの『ダムウェイター』と『ヴィクトリア駅』の2作品。
 前者は二人の殺し屋、後者はタクシー運転手と無線で行き先を指示する配車係の二人。どちらも登場人物が二人だけというシンプルな芝居だ。このほかにも『管理人』『いわばアラスカ』など数多くの作品を現代演劇界に送り出したピンターは2008年にこの世を去り、今年は没後10年の節目に当たるが、田中がピンター作品を選んだのもそういった節目を意識したものなのか。そこから話を聞いた。


田中「別にそこを意識したわけではないです。ハロルド・ピンターの作品は初めての挑戦なんです。ちょっと手強すぎるから避けていた部分があるかもしれません。T-Projectではわかり易くて良質な作品、面白い作品を手がけるのがポリシーですが、今回はだいぶ毛色の変わったものになると思います。自分がどこまでできるかの挑戦でもありますね」

―――ここでちょっと補足をしておこう。ハロルド・ピンターはサミュエル・ベケットやウジェーヌ・イヨネスコらと並ぶ不条理演劇の代表的な書き手だ。物語の設定が抽象的であったり、登場人物の関係性がわかりにくかったりと、はっきりした物語(ストーリー)に沿って進めるいわゆる「普通の」演劇とは対極にある不条理演劇の世界は、観る側にとっても演じる側にとってもちょっと敷居の高いジャンルだといえよう。

田中「『ダムウェイター』は僕が所属していた劇団昴の前身の劇団雲が、昔新宿にあったアートシアターで映画が終わった21時半過ぎから上演していました。確か日本での初演だったはずで、キャストは小池朝雄さんと名古屋章さん。当時は題名が「殺し屋」でしたね。僕はその後研究生の頃に、先輩たちが演じるのを観ていました。
 そんなこともあって今回考えているうちに、これもやっておきたかった作品だなあと思って。ある意味では最終兵器みたいなもの。いよいよかっ!てね(笑)ちょうどそのときに森田君の舞台、俳優二人による朗読劇でしたが、それを見て、彼となら実現できるから一緒にやってみたくなったんです」

インタビュー写真

―――そんなわけで田中に見初められたのが森田成一。アニメファンにはいわずと知れた人気声優だがもともとは舞台俳優出身。声の仕事のボリュームが増えたことで俳優としての活動が止まっていたが数年前から再開しているが、森田もまたこういったタイプの芝居は初めてだという。

森田「台本を読んでみましたが、早速どこからかかればいいのかというのが正直なところです。不条理劇は劇場で見ていても“ワカラン”という印象ですね。でもね、世界観としてはとても好きな世界なんです。田中さんから「一緒にお芝居やりましょう」とは言われていたのですが、作品までは聞いていませんでした。まさかこれが来るとは(笑)。早速全集や文庫本など都合6冊も買い込んで読み始めたんですけど、始めたとたんにわからなくなって(笑)、諦めました」

―――物語のタイトルになるダムウェイターとは荷物や料理を運ぶ小型のエレベーターのこと。厨房が1階にあるレストランで、料理を2階に運ぶあれだ。舞台には田中と森田が演じる二人の殺し屋。そしてダムウェイターが一台あるだけの設定だ。仕事の指令を待つ二人に、ダムウェイターを通して指令が送られてくるのだが、その指令がまたトンチンカンなものばかり……ざっと紹介するとこんなあらすじの物語。
 同時上演される「ヴィクトリア駅」はタクシー会社の配車係と運転手による無線でのやり取りが話を進めていく。普段ならスムースに行くはずの指示が、ここではどうもかみ合わず、おかしな方向へ進んでいく。しびれを切らした配車係は他のタクシーを呼び出そうとするが、どうしたわけかこの運転手しか応答しない。そして二人の会話はますます混乱していく、といった話だ。


田中「『ダムウェイター』自体が50分程の作品なので、もう一作品加えようと思って。イギリスでも2本とか3本立てでやっていますからね。そこでピンターの研究者である吉岩正晴さんに相談したり、作品を読みこんだりして色々考えました。女優を入れて三人芝居にするとかね。でもやはりバランスを考えて『ヴィクトリア駅』にしたんです」


インタビュー写真

―――そんな2作品の演出を手がけるのは村田元史。劇団昴時代から数々の作品を手がけ、田中がT-Projectとして活動を始めてからも、演出家として何度か公演に参加している。田中とは古い付き合いとなるが、この演目選びには助言などもあったのだろうか。

村田「いえ。この人(田中)がやりたいというのでね(笑)。僕も小池さんと名古屋さんの舞台は見ています。『ヴィクトリア駅』は私も初めてですが、いいバランスの組み合わせだと思います。5年前にNYでやはりピンターの『ノー・マンズ・ランド』を観たんです。キャストは映画「X-MEN」に出演しているイアン・マッケランとパトリック・スチュワートでしたが、さすがに名優が二人でやるとそれだけで面白くて素敵な舞台でした。
 だからこのお二人ならきっと同じことになるだろうと思いますよ。楽しみにしています。ただあんまり不条理劇だからって決め付けないほうがいいんですよ。そういったことにとらわれずに、素直に演じていけばいいと思うんです。あんまりひねくり回していろんなこと考えすぎないほうがいいと思いますね」

田中「あまり肩肘張らずに、丁寧に演じていきたいと思います。だって結末の解釈は考え方によっていろいろに取れる作品ですから。演じ方によっては喜劇になったりミステリーになったり。いろんな形に変わっていく。たとえばT-Projectで制作している朝倉は原作読んで大笑いしていたし、本当に受け取り方しだいです。だからきっちり演じてあとは観ている側に丸投げしてしまおうと」

森田「この手の芝居は最近少ないですから、お客さんも初めてみる人が多いと思いますし、観ているうちに置いてきぼりに逢った気になるかもしれませんね。僕のファンはなかなか理解しきれない気がする」

田中「逆に新鮮かもしれないよ。そうそう「ヴィクトリア駅」だけど、配役は僕がタクシー運転手で森田君が配車係ね」

森田「えーーーっ!? 本気ですか? それ。今日一番びっくりしましたよ」

田中「なんだかその方が面白いかと思ってね」

―――インタビュー中に飛び出した意外な発表に森田は驚きを隠せない。でもベテラン(のはずの)運転手に若い配車係が指示を飛ばす風景も、ある意味現代らしくていい気がする。果敢な挑戦だという二人の手でどんな舞台が生まれるのか、実に楽しみだ。


(取材・文&撮影:渡部晋也)

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PROFILE

田中正彦(たなか・まさひこ)のプロフィール画像

● 田中正彦(たなか・まさひこ)
1954年、大阪生まれ。劇団昴で活躍し、2014年に劇団を退団。下北沢の飲み屋で本多劇場をはじめとするいくつもの劇場を経営する本多一夫氏と出会いがきっかけで自己の公演ユニットであるT-Projectを立ち上げ昨年までに12作品を上演する。声優として映画俳優の吹き替えやアニメーションへの出演も数多い。

森田成一(もりた・まさかず)のプロフィール画像

● 森田成一(もりた・まさかず)
1972年、東京生まれ。NHKプロモーション所属の俳優として舞台、映画、テレビドラマなどで活躍の後、2001頃から声優としての活動が主体になる。数多くの作品に主役級として出演し、ラジオのパーソナリティやシンガーとしても活躍に幅を広げる。2008年から俳優としての活動も再開している。

村田元史(むらた・がんし)のプロフィール画像

● 村田元史(むらた・がんし)
東京外国語大学中国科卒業後、1977〜1978年にかけて文化庁在外研修員となる。国内外の学校にて講師を多数歴任。劇団昴での主な演出作品に『コリオレイナス』、『ナイチンゲールではなく』(演出・翻訳)、『転落』『肉体の清算』、その他『フユヒコ』『沈黙』『礼服』など。

公演情報

「『ダムウェイター』『ヴィクトリア駅』」のチラシ画像

T-PROJECT vol.13 ピンター没後10年特別企画2本立
『ダムウェイター』『ヴィクトリア駅』


2018年10月30日 (火) 〜2018年11月4日 (日)
下北沢 「劇」小劇場
HP:公演ホームページ

一般:3,800円
学生:2,500円
(全席自由・税込)

※当日、受付にて整理番号を配布いたします。

詳細はこちら

「『ダムウェイター』『ヴィクトリア駅』」のチラシ画像

T-PROJECT vol.13 ピンター没後10年特別企画2本立
『ダムウェイター』『ヴィクトリア駅』


2018年10月30日 (火) 〜2018年11月4日 (日)
下北沢「劇」小劇場
HP:公演ホームページ

12名限定!3,800円(全席自由・税込) → 3,100円 さらに100Pゲット!

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