お得な公演チケットサイト Confetti(カンフェティ)

PICKUP

山田百次・町田マリー


キメ画像1

大阪の劇作家・大竹野正典が遺した1988年の作品を、没後10年を記念して上演

績年の孤独に心を蝕まれたひとりの男の妄想と爆走、80年代のアングラを彷彿させる肉体のスペクタクル!

2009年、不慮の事故により48歳で世を去った大阪の劇作家・大竹野正典。その没後10年にあたる今年は、東京と大阪で多くの関連公演が企画されている。そんな中、昨年10月の『山の声』に続いてオフィスコットーネがプロデュースする『夜が摑む』は、1974年に神奈川県平塚市で起きたピアノ騒音殺人事件をヒントに描かれた作品。物語の中心となる男・山田百次とその妻・町田マリーの2人は、自身の配役について「意外だった」としながらも、「ぜひやりたいと思った」と口を揃える。不条理かつ、どこか滑稽でもある描写の行き着く果ては一体……?


インタビュー写真

不条理の一言では括りきれない何かがある

――― 山田さんは『山の声』に続いての出演となりますが、大竹野さんのことは以前からご存知でしたか?

山田「大阪に演劇をやっている知り合いがいるということもあって、大竹野さんの存在は知っていたんですけど、作品はまったく観たことがなくて。『山の声』のお話をいただいたときに、資料や戯曲、DVDなどでいろいろ調べたのが初めてでした。あと、2016年に『埒もなく汚れなく』という舞台(オフィスコットーネプロデュース/作・演出:瀬戸山美咲で大竹野の半生を描いたオリジナル作品)を観ていまして、それで大竹野さん自身の人生みたいなものはざっくりと知った部分もありました」

町田「私は瀬戸山さんが書かれた作品(『埒もなく汚れなく』)を観に行けなかったんですけど情報を見て、そこで大竹野さんのお名前を知りました。その後はオフィスコットーネさんが大竹野さんをずっと追いかけている印象があったので、すごい人なんだなと思って、いろいろと勉強している最中です」

山田「普通だったら、もっと自分の劇団を大きくしたいと考えるものだと思うんですけど、大竹野さんは全くそうではなくて、演劇は仕事をしながらやるのが当たり前なんだっていうことを言ってましたよね。そういうところがすごいなと。僕はもともと青森の弘前劇場という劇団で10年くらい芝居をやっていたんですけど、劇団員は主に公務員だったり学校の先生だったりしたんです。そこを僕は、芝居だけで食べていきたいと思って上京した部分もあるので、大竹野さんのように、頑なに仕事を持ちながらやるという矜持みたいなものはすごいと思ったし、そういう人の芝居にかける情熱は、芝居だけでやっている人とはまた違う強さがあるなと感じました」

――― 『夜が摑む』という作品についてはどんな印象を受けましたか?

山田「不条理というかアングラテイストというか……。僕は別役実さんの作品とかもけっこう好きだったりするので、そっちにもちょっと通じる部分があるなと。そういう方面の芝居は大好きなので、ぜひやりたいなと思いました」

インタビュー写真

町田「まず、タイトルの『夜が摑む』って何だろう?と思って。『夜を摑む』じゃなくて、『夜が』何を摑むの?ってずっと思いながら台本を読みました。そして、ト書きが面白いんですよね。これをどうやって表現するんだろう?というようなことが書かれているんです。言葉の選び方に文学性があって、そういうところにすごく惹かれました。山田さんがおっしゃったように不条理性みたいなものも感じましたけど、不条理という言葉だけでは追い切れない、最終的に作品の世界をすべて包んで食べてしまうような何かを感じて、何だろうこれは?って思いました」

会話やエピソードがおかしさに満ちている

――― 本作は実際の事件を基に、団地の階下から聴こえるピアノの音で正気を失っていく男が描かれます。

山田「僕が演じるコスギは誰にも助けを求めるわけでもなく、ただずっと自分で孤独を抱えていった結果、そこに妄想みたいなものが生まれてくる。その中である種の哀しさが浮かび上がってくるようにやれたらいいなと思ってます」

――― こんな人が団地に住んでいたら、と考えると恐ろしくなります。

山田「電車の中とか公園でずっと独りで喋っているような、ちょっと様子がおかしい人のことも考えますね。でも近隣住民もコスギと同じくらい様子がおかしいというか、ちょっと変わった感じで描かれていて、そこは大竹野さんのユーモアだろうなと思います」

町田「去年出演した瀬戸山さん作・演出の『たまたま』という作品が団地を題材にしていて、団地に住む方々に取材して作ったんですけど、それとの共通性も感じました。もともと大竹野さんが実際の事件を基に書く方だというのを知らなかったので、最初はそんなことを考えずに読んだんですけど、事件のことを知ってから読むと、あれをこういうふうに戯曲化するんだ、というのがまったくもって……」

インタビュー写真

山田「そうそう。いったいどうなって大竹野さんはこの本にたどり着いたんだろうって、本当に不思議に思います」

町田「会話が面白いというか、おかしさに満ちているんですよね。出てくるエピソードや単語が本当におかしくて。あと、最初に戯曲を読んだときは、自分がどの役をやるのか知らずに読んだんですけど、キャスティングを聞いたら、想像していたのと全然違って仰天したんです。そのときは自分のこと以上に、“この人がこの役をやるの!?”って。特に塩野谷さんなんて、もう“どうしたの?”って感じ(笑)。山田さんがコスギというのも意外でした」

山田「台本をいただいたときは、たぶん住民の一人とかなのかな?って思っていたんですけど、後でコスギだと聞いて、“ええっ!俺がこれをやるの!?”って(笑)。チラシもあなただから、って言われてすごく不安だったんですけど、デザインを見たらだいぶ乗り気になりました(笑)」

町田「私、このチラシを送っていただいたとき、“かわいいチラシが届いた!”って思っちゃって(笑)。よく見たら、どうしてこれをかわいいって思ったんだろう、私頭おかしいのかな?って思ったんですけど(笑)。色使いとか文字の書体とか、あの戯曲からはちょっと想像できない、意外な感じがしました」

山田「写真撮影のときは、カメラマンの方も“声出していいので”と言っていたので、実際にワーッ!って叫びながら撮りました。ちょうど『山の声』の稽古中だったので、ヤバイ、声枯れちゃうとか思いながら(笑)」

堅苦しい感じではなく、楽しくやりたい

――― 演出は詩森ろばさんですが、これまでにご一緒したことは?

山田「初めてです」

インタビュー写真

町田「私も初めてです」

――― 取材をしている今は稽古前の段階ですが、作品について何か話はしていますか?

山田「楽しく、ハチャメチャにやって終わりたいって言ってましたね」

町田「確かに、お客さんもずっと“楽しいのかな?”と思って見ていたら……ええっ!?というような感じですよね」

山田「あまり作って演じる必要はないというか、会話の妙で全然成り立つと思うし」

町田「団地に住んでいる奥さんたちの会話も、普通に話しているだけで絶対に面白いから(笑)」

山田「濃い人たちが集まっているしね」

――― 暗い事件が題材になってはいますが、先ほどユーモアという言葉も出ましたし、あまり重く考えずフラットな状態で見るのが良さそうですね。

山田「そう思います。“こう観ていいんだ”ということを、いかに最初にお客さんに届けるかが勝負ですね。あまり堅苦しくならないようにしたいです」

――― では最後に、お客様に向けて一言ずつ。

山田「もちろん作品自身も面白いんですけど、今回は役者陣の顔ぶれがかなり見どころだと思うんです。こんなキャスティングって見たことないと思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね」

町田「シアター711というお客様とすごく距離が近い空間で、団地の一室で起こる物語をやるということのリアルもあると思いますし、どんな演出になるんだろうとか、ト書きで書かれたことをどう表現するんだろうというのは、すごく楽しみです。それにやっぱりキャスティングがすごいので、そこは本当に見逃さないでいただきたいです……って結局、山田さんと同じことになっちゃいましたけど(笑)」

山田「いやほんと、普通に観に行きたいですよ、これ。出るんじゃなくて観たい(笑)」

(取材・文&撮影:西本 勲)

キメ画像2

PROFILE

山田百次(やまだ・ももじ)のプロフィール画像

● 山田百次(やまだ・ももじ)
1978年8月1日生まれ、青森県出身。
10代より青森を拠点とする劇団、弘前劇場で俳優活動を行う。2008年から東京での俳優活動を始める。その後、津軽弁を多用する劇団野の上を旗揚げ、作・演出・出演を行う。2013年『東京アレルギー』で劇作家協会新人賞最終候補に入選。2016年、(別ユニット、ホエイで上演した)『珈琲法要』札幌劇場祭TGR2016最優秀作品賞受賞。津軽弁による一人芝居『或るめぐらの話』を全国各地で行うほか、早稲田大学の講義でも上演。また、俳優としてサンプル、小松台東、渡辺源四郎商店など客演も多数。平田オリザが主宰する劇団青年団、演出部所属。

町田マリー(まちだ・まりー)のプロフィール画像

● 町田マリー(まちだ・まりー)
1979年7月16日生まれ、千葉県出身。
立教大学在学中、江本純子と毛皮族を旗揚げし、看板女優として活躍。近年の出演作は流山児★事務所『わたし、と戦争』、『薔薇と白鳥』、ベッド&メイキングス『あたらしいエクスプロージョン』、テレビ『SUITS』、映画『孤狼の血』など出演多数。2009年公開の主演映画『美代子阿佐ヶ谷気分』では、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2016年、ロ字ック『荒川、神キラーチューン』の演技に対し、演劇最強論-ing2016最優秀女優賞受賞。2017年には、中込佐知子と共に“家庭と演劇の両立”をテーマにパショナリーアパショナーリアを立ち上げ。2018年の第2作『40才でもキラキラ!』では脚本・演出も担当した。

公演情報

「「夜が掴む」」のチラシ画像

オフィスコットーネプロデュース
「夜が掴む」


2019年2月2日 (土) 〜2019年2月12日 (火)
シアター711
HP:公演ホームページ

全席指定:4,500円
お得チケット:4,000円(2/5昼と2/7夜の回のみ)
※金額はすべて税込

※最前列は小さいパイプ椅子でのご観劇となります。

詳細はこちら

「「夜が掴む」」のチラシ画像

オフィスコットーネプロデュース
「夜が掴む」


2019年2月2日 (土) 〜2019年2月12日 (火)
下北沢 シアター711
HP:公演ホームページ

10名限定!4,500円 (全席指定・税込)→ 【指定席引換券】3,800円さらに100Pゲット!

詳細はこちら