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小池ミモザ


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世界を牽引するアーティストたちが繋がり、ダンスの現在(いま)を映し出す

滅亡の街と化した劇場で、最後に見出される希望とは?

3月、ダンスパフォーマンス『Memory of Zero』が神奈川県民ホールで上演される。今公演は、神奈川芸術文化財団の芸術総監督で作曲家・ピアニストの一柳慧、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督で演出家・俳優の白井晃、両名が共同で新たな芸術表現を追求する「神奈川芸術文化財団芸術監督プロジェクト」の第3回目にあたる。第1部は「身体の記憶」と題し、クラシックバレエからモダンバレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンスへというダンスの変遷を辿る。2部では、人気作家ポール・オースターの小説『最後の物たちの国で』をもとにした作品を上演。今公演で主演を務める、モナコ公国モンテカルロ・バレエ団プリンシパルの小池ミモザに話を聞いた。


インタビュー写真

――― 『最後の物たちの国で』は、何もかもが破滅に向かい、毎日色々なものが失われ、限りなくゼロに近付いていく世界を描いた小説。この原作小説や、白井さんによる構成台本をご覧になった感想は?

「頭に浮かんだのは、グレーの世界。何もかも無くなってゼロになった時に、人は何に希望を持って生きるのか?それを問う作品だと思いました」

――― 主人公のアンナは、ディストピアの中で生き抜こうとする女性。その力強さがぴったりだという白井さんの推薦で、小池さんにオファーしたと伺いました。

「ありがたいですね。このお話をいただく前に、白井さんとお会いしたことはなかったんですけど、何を見てそう感じてくださったのかは、そう言えば聞いてないな。今度聞いてみます(笑)。白井さんからアンナについて言われた“芯が強い女性”っていうのはその通りだと思うし、色々イメージはしてるんですけど、まだ振付も始まっていない段階なので、私1人だけでキャラクターを作りすぎてしまわないようにしてます。作品ってみんなで創るものだと思うし、下地が白い方が、いろいろな色を塗れるじゃないですか。振付の遠藤(康行)さんがもうすぐモナコに来て一緒に振付を始めるので、アイデアやイメージをいただきながら、段々作っていきたいです」

――― 今までにも何度も一緒にお仕事をされてますが、遠藤さんのクリエーションについては、どんな印象がありましたか?

「一緒に仕事をしていて、すごく楽しい人なんですよ。コミュニケーションをとりながらものを創るということがすごく得意な人だと思います。あと、イマジネーションがすごく自由ですね。私、アーティストはみんな、大きい子供じゃないけれども、どこか少し子供の部分を持っていないといけないと思うんですよね。子供って、何の枠も無しに、自由に思ったことが言えたり表現できたりするじゃないですか。そういうところは絶対忘れちゃいけないと思ってて。私は(ニースにある)シャガールやマチスの美術館でもパフォーマンスをやっているんですけど、彼らの作品を見ても、大きい子供みたいに感じる時がすごくありますね。で、遠藤さんはそういうところも持ってるアーティストだと思います」

――― 少し本題からは逸れますが、今のお話にあったシャガールとマチスの美術館は、とても素敵な場所ですよね。私も大好きです。

「マチスは色紙で切り絵をしてたので、パフォーマンスしながらいろんな色紙を上から落としたり、シャガール美術館は、夜になったら絶対あの絵からみんな出てきて楽しく遊んでいそうだなってイメージがあったので、その絵から出てきた人になって踊ってみたりしました。そういうことをしていると、イマジネーションの仕方って本当にいっぱいあるなと思うんですよね。その時、頭でどうしようこうしようって考えるのも必要なんだけど、見た瞬間に何を感じるか、そして浮かんだイメージをそのまま体に出してみるっていうのもすごいすごく必要だと思うんですよ。そのバランスですよね」

インタビュー写真

――― 楽しそう! 見てみたかったです。

「次のシャガール美術館のパフォーマンスでは、新しいアイデアがあって。今まではあらかじめちゃんと創った作品をやってたんですけど、今度は即興のパフォーアンスをやったら面白いんじゃないかって。例えば、美術館の人に、シャガールからイメージする言葉を20個書いてもらいます。当日それを観客に配って、中から3つ選んでもらって、そこからイメージした即興を踊る。もちろん、どういう組み合わせになるかは当日まで分かりません。あとは、ディレクターにその場でシャガールの絵を一つ選んでもらって、お客さんと一緒に何分か見て、その絵からインスピレーションされるものを即興で踊る。

このパフォーマンスの面白いところは、観客が中に入って来れる、参加できること。シャガール美術館には小さい劇場があるんですけど、そこでやると、やっぱり“観客”と“パフォーマー”になっちゃうんですよね。なので私は今までも、必ず全然違うところから出てきて、みんなを連れて行って、っていう風にやってるんですよ。そうすると観客は、ダンサーがすごく自分の近くを通るし、パフォーマンスの一部になるみたいな気持ちになってくれる。それってすごく大事だと思うんですね。で、実は、『Memory of Zero』にも、そういう仕掛けがあります」

――― 観客を巻き込むような?

「舞台の上に観客席を作って、ダンサー、演奏家、観客が一緒に舞台に上がるんです。だから多分、観客はすごく中に入れると思うんですよ。それって、壁を失くすじゃないけれども、外から全然関係ない人としてただ“見る”んじゃなくて、自分もその中に入っちゃうんじゃないかっていう“体験”ですよね。そのアイデアが、すごく素晴らしいなと思ってて」

――― 今までにない体験ができそうです。

「白井さんは、やっぱりすごい感性の持ち主だと感じました。あと、白井さんが言ってたのが、ダンスには演じることが必要だし、演劇には体を使うことがすごく大事だと。そのミックスっていうのが面白いなと思ってて。そういう意味でも、このプロジェクトに参加できるのはすごく幸せですね」

――― どんなものになるんだろう?と、イメージが膨らみます。宣伝ビジュアルも拝見しましたが、昨夏に撮影したそうですね。

「廃墟のような、ちょっと壊れた場所のイメージですね。実は私、もともとそういう不思議な場所でアートの写真を撮って、自分のInstagramに載せてたんですよね。いろんな劇場に行って裏側を探検するのが好きなんですよ。そういう場所を見つけると、ここで即興したら面白いんじゃないかとか、ここで写真撮ったら面白いんじゃないかってワクワクするんです。そうすると、そこの劇場が一層メモリーにもなるし。なので今回は、県民ホールの中の、いつも入れない場所に入れて嬉しかったです」

――― 県民ホールの中とは思えない、雰囲気のある写真でした。それでは、最後に読者へメッセージをお願いします。

「ダンスとかコンテンポラリーとかクラシックとか、そういう言葉になっちゃうと、何かすごく枠にはまっちゃう気がしていて。なので、ダンスを見に行くっていう目線じゃなくて、枠のない、どんな枠かまだ分からない新しい何かを一緒に体験していただきたいです。やっぱり生で見る良さっていうか、そうしないと分からない事っていっぱいあるじゃないですか。普段では見れないようなものになると思うので、会場の空間を共有して、その場の空気を一緒に吸っていただけたらいいな、って思います」

(取材・文:土屋美緒 撮影:平岩 亨)

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PROFILE

小池ミモザ(こいけ・みもざ)のプロフィール画像

● 小池ミモザ(こいけ・みもざ)
1998年よりフランス国立リヨン・コンセルヴァトアールに学び、首席で卒業。01年スイスのジュネーヴ・バレエ入団。03年モナコ公国モンテカルロ・バレエ団に移籍し、05年最年少でソリスト、10年にプリンシパルに昇格。10年よりモナコ公国の芸術研究機関であるLe Logoscopeで舞台芸術部門のディレクションを担当、16年ヴァイスプレジデントに昇格。15年モナコ公国より日本人ダンサー初シュバリエ文化功労勲章受賞。JAPON dance project メインメンバー。

公演情報

「Memory of Zero メモリー・オブ・ゼロ」のチラシ画像

一柳 慧×白井 晃 神奈川芸術文化財団芸術監督プロジェクト
Memory of Zero メモリー・オブ・ゼロ


2019年3月9日 (土) 〜2019年3月10日 (日)
神奈川県民ホール 大ホール
HP:公演ホームページ

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