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CR岡本物語


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小劇場界の「負の循環」を打ち破れ!

強い思いを持って創り上げる第4の物語。

2017年に結成され、これまでに3本の作品を送りだしている空想嬉劇団イナヅマコネコ。コメディ系の劇団で鍛えてきたベテラン俳優達をまとめるのは、脚本と演出を担当するCR 岡本物語。彼が送り出す高い脚本の高い完成度はもとより、無駄を省いて効率を突き詰めた独自のポリシーの下に創り上げた舞台は着実に観客の関心を惹きつけている。通算4作目となる新作公演「ソリチュードタウンの死神」を前にした今回のインタビューは、現在の演劇界で希有ともいえる、CR岡本物語の小劇場論に終始してみたい。


インタビュー写真

――― 役者は食える仕事なのか? 公演までは時間があるけどすでに始まっている稽古の終わり。駅までの長い道を歩きながらそんなことを考えた経験がある役者達はきっと多いことだろう。もちろんその結論はすぐには出ない。むしろ結論がでる隙が無いほどに現実が覆い被さっている。長時間の稽古、合間を埋めるバイトのシフト、そして公演を成立させるためのチケットノルマ等々……それらをこなしている内に若い時間は残酷に過ぎていく。これが現実だろう。

そんな状況に正面から立ち向かっているのが、空想嬉劇団イナヅマコネコを主宰するCR岡本物語だろう。劇団員の滅私奉公的な支えによって成立するという現状を、彼は「ブラック企業的な小劇場の悪しき慣習」と言い切る。

「脚本がしっかりしていて演出プランがあって、キャストやスタッフも決まっている。さらに関係する作業も体系的に整理されていれば稽古は短くて済むと考えています。もちろん稽古が無くて良いというわけではありません。でも普通の劇団だと1、2ヶ月前から週に3回とかやるわけだけど、そんなの人生の無駄遣いだとしか思えないんです。

「稽古の時間」ということでキャストにどれだけ時間を割かせているかを計算していない人が多すぎる。そして根拠なく稽古時間を割くのは作り手の自信のなさの現れとしか言いようがないです。それだけキャストの時間を使って、さらにチケットノルマを課したら、どうやっても食えないですよ。そんなのクリアできないゲームを強いているのと同じです」

――― 実に手厳しい。ただ庇うわけではないが、そんな稽古やノルマを理不尽に感じていない(もしくは感じているけど口にだせない)のは、彼らが状況に酔いしれているのでは?とも思えるのだが。

「学生さんならいいですよ。二十歳くらいの学生なら勉強期間だと思って必死にバイトして、ともかく舞台の数を踏むのもいいでしょう。でもそれはモノを知らないからであって、ちゃんと役者で喰うならそうはいかない」


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――― こうした厳しい言動を放つからには、当然それなりの裏付けが必要だろう。ただ、学生劇団に参加し、その後いくつかの劇団にも参加してきた岡本は、根拠もなくのめり込んで来た時期を乗り越えてきた。

「演劇とパチンコばかりの学生時代でしたね。当時僕のいた劇団(ペピン結構設計)が仙台のきらく企画、大阪のクロムモリブデンと共に選ばれて東京国際芸術祭に出ることになったのですが……。結局、大学をよそに舞台に出ていたら見事に留年しました。ともかく親に申し訳ないので、一回は就職して会社員になったんです」

――― その時に入社したのが大手のパチンコメーカー。芸名のCR岡本物語はそこから来ているということに納得。会社員を辞めた岡本はひとりの俳優として劇団に参加してきた。だから劇団の事情もよくわかっている。

「演劇人にはロマンチストが多いと思いますし、作品も本来ならどうしても伝えたいこと、表現したいことを優先すべきなのですが、劇団として公演を運営するとなると、どうしても「集客」が重要になってくる。だからキャストもキャラクターや人柄、演技力より集客できるかが重要になる。あとは日替わりゲストとかで知名度のある方を出すとかね。そうやって集客が増えてチケット代は高くなっても劇団員達には還元されず苦しさは変わらないんです」

――― さらに脚本家に対しても厳しく指摘する。

「脚本って、やる人、やりたい人は少ないんですよ。だってみんな役者がやりたいから。だから脚本家って需要過多になる。そして結果やりたくない人が書き始めたり。役者も、脚本に対しての意識もクオリティの要求もない。自分の役があって出演出来れば楽しいから。だからいまだに学芸会から抜けだせない劇団も多い。

 僕の脚本・演出では基本的に一言一句違えない様に役者に要求します。でも、それが正しいとは言いません。読解力がある役者なら、必然的にそうなって来たし、小劇場界あるあるの「アドリブで笑いを取れば実力を証明出来る」と考えてボケる役者さんには、1日目でピシャリと言及します。多いですよ、実際。でもそう言う役者は脚本をなめているし、なめてしまうような舞台(つまり笑いの手数を増やさないとお客様が飽きる舞台)しか出てこなかったんだなと思うわけです。

 総じて小劇場の脚本のレベルは低過ぎますね。フリーマーケットですから。売上に税金も払っていないし、ギャラも手渡しだし、もちろん源泉徴収も無い。つまらなくても内輪の趣味だから許してねと言うところも多い。必要無い台詞、必要無いキャラ、必然性の無い設定。そしてチケットをさばく窓口増やしの為の当日ゲストや(どこでも出たい)若手のダブルキャスト。わかってますよ。今、めっちゃ偉そうなことを言ってます。反論もあるでしょう。でもこれは僕が実際20年近くもこんな世界で足掻いて時間を無駄にして来て、率直に感じた言葉の重みと捉えて貰えればと思います。

 だって、5〜60本舞台出演して来て、「最高の脚本だ」と思ったのなんて5本無いんですから。だから、こうして、自分に出来る戦いをしようと立ち上がった訳です。小劇場をもっと良くしていくために。それだけです。

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今、舞台(ことのはbox「見よ、飛行機の高く飛べるを」)にキャストとして参加していますが、永井(愛)さんの脚本はとても凄いと思います。計算し尽くされていますし。決して派手なことをしない2時間半なのに、お客さんの拍手が止まらないんですね。そんな脚本はいいなあとおもいます。やはり野田さん、つかさん、鴻上さんの舞台はわけわからない部分は沢山あるんですがちゃんと筋が通っているんですね。観客任せにしていない。だから演じる側も観る側も一生懸命読み取ろうとするんです」

――― こうした想いを背負って、岡本は劇団を立ち上げ、今この状況に立っている。もちろん口先だけではなく、自らの理念を実践しつつ。

「劇団として大きくして、発言権があるところまでたどりつかないと。発言できる立場になったら 小劇場のモデルを考えたいと明確に思ってます。立ち上げから3年目で3本書いていますが、まだ最初の数本は試されている期間かも知れません。また自分の脚本が面白いかどうかを客観的に判断できる能力も必要だと思います。でもその判断以前に観客の好き嫌いで片付けようとする脚本家が多いですね。幸いなことに僕の周りには忌憚なき意見をくれる人がいます。それはとてもありがたいです。そういう方は決して褒めるばかりではなく、だめな部分もちゃんと指摘してくれますから」

――― こんな岡本のことを単なるビッグマウスと片付けることは非常に簡単だ。でもそれは即ち小劇場系の劇団が陥りやすい不毛な状況を手助けすることでもある。では観客としての我々はどうしたら良いか。現状を打ち破ろうとする彼らの舞台を観て、正直な感想を岡本や劇団にぶつけるべきだろう。

演劇という娯楽にそんな労力をかけたくない、と言われるとしたら、それは本物の演劇に出会っていないのだと応えよう。演る側も、そして観る側も汗をかく。本当の感動や笑いや悲しみはそこまでしないと得られないものだから。


(取材・文&撮影:渡部晋也)

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PROFILE

CR岡本物語(しーあーる・おかもと・ものがたり)のプロフィール画像

● CR岡本物語(しーあーる・おかもと・ものがたり)
1980年4月22日生まれ。
脚本家・演出家、俳優、声優、芸人、ナレーター、ライター。2000年より俳優活動を始め、2001年〜2004年「ぺピン結構設計」の中心俳優として活動。一度パチンコ企画開発に就職するも、再びこの世界に戻る。これまでに50本以上の舞台作品に出演するが、目の当たりにしてきた様々な小劇場の闇に疑念を覚え、2017年「空想嬉劇団イナヅマコネコ」を旗揚げ。隙のない圧倒的なストーリーとクオリティを目指し、日々精進している。

公演情報

「ソリチュードタウンの死神」のチラシ画像

空想嬉劇団イナヅマコネコ
ソリチュードタウンの死神


2019年5月10日 (金) 〜2019年5月19日 (日)
上野ストアハウス
HP:公演ホームページ

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