えびはら武司原作の漫画「まいっちんぐマチコ先生」は、1980年から連載をスタートし現在もシリーズが連載中、TVアニメ化されると社会現象を巻き起こした人気コミックだ。私立あらま学園を舞台に女性教師・麻衣マチコとその生徒達がエッチでドタバタな学園生活を繰り広げる。
グラビアアイドルの登竜門として数々の実写化や舞台化を重ね、永くファンに愛されるマチコ先生。舞台版3度目となる今作ではマチコ役に椎名香奈江を迎え、お馴染みのキャラクターたちが大暴れする。
先生へのタッチは思いっ切り!
――― 3年連続上演、おめでとうございます!
ゴブリン「3年間もありがとうございました!」
田沢「終わっちゃった!(笑)」
ゴブリン「皆さんに愛されている作品なので最初も緊張しましたが、この緊張度合いがどんどん増してきますね。今作も期待に応えられるように一生懸命頑張っていきたいと思います」
――― 椎名香奈江さんはどんなマチコ先生になりそうですか?
ゴブリン「今までのマチコ先生は初めましての役者さんが多かったのですが、初演に参加していてこれまでの過程をよく知っている椎名さんが演じてくださるので、最強になるのではないでしょうか。3回目にして最高のマチコ先生をお送りできると思っています」
椎名「歴代のマチコ先生はグラビアアイドルとしてとても活躍されている方が演じられてきた中で『私でいいのかな?』っていう気持ちもありつつも、これまで演じてきた皆さんに負けないように、最高だったねと言ってもらえるように頑張りたいと思います。
ファンの方々には『やっと香奈江ちゃんで観られるんだ』『これが観たかった』と喜んでくださる方が多くて、マチコ役が決まって本当に良かったなぁと。あと一緒に舞台に立ってきた仲間達も「マチコになるんだね、おめでとう!」と私以上に喜んでくれていてとても嬉しいです。だからこそプレッシャーも感じています。発表された頃はずっとマチコ先生の稽古の夢を見ているくらいプレッシャーを抱えていたようで……ひとりだけ台本が違って演出のゴブさんに冷たくされるとか(笑)」
――― 本作初参加となるお笑い芸人・2 丁拳銃小堀裕之は、生徒たちと一緒にセクハラをする、エロエロなコケダルマ校長役を演じる。
小堀「実は前回の舞台を拝見していまして、楽しそうで稽古場や本番がすごく羨ましくて! 女の子ばっかりで絶対稽古場は楽しいじゃないですか!(全員爆笑)稽古でもパンツは見せるの?」
椎名「(笑) 実際の衣裳を付けて試したりはします、どんな具合にスカートがめくれるかとか」
小堀「なんでもやりますよ! 僕が扇風機回しますから! 本当に羨ましく思ってたんです。ほんだら出演することになったので、ゴブリンさんに感謝ですよ(全員爆笑)」
――― 舞台経験者で続投の田沢涼夏さん、しいはしジャスタウェイさん。過去の作品を振り返って、今だから言えるエピソードはありますか?
田沢「私はケンタ役を演じますが、役作りは素のママで演じましたね。先生へのタッチも思いっ切り! 手加減するとゴブさんはめっちゃ厳しいんです。角度とかもとても細かくて、頭が上がりすぎると『おっぱいが見えないからもう少し下げて』とか」
ゴブリン「ケンタのボインタッチは重要ですから。田沢さんは2年目ですから完璧だよね」
田沢「はい、頑張ります! 遠慮してしまうのはケンタではないのでガッツリいきますよ!」
しいはし「僕は山形国男先生役で3回連続出演します。歴代のマチコ先生を見てきているので、パッと見で胸の大きさがわかるようになりましたね。役的に一番間近ですごく見なくてはいけないので…」
――― ちなみに椎名さんのサイズは?
しいはし「ボリュームをとるのか、形をとるのか……何の話でしたっけ(全員爆笑)ずっと同じ役ですが周りが変わっているので、空気を引き継ぎつつ新たな現場を作っていけたら」
ゴブさんがエロいことを真剣に指導します
――― 物語は、あらま学園に交換留学生と外国人の先生がやってくるところから始まる。セクシーな海外留学生にケンタ君たちは大騒ぎ! せっかくの交流がいつしかよくわからない交流に!? 来年に東京オリンピックを控えた今、あらま学園で先走ったエッチなオリンピックが始まる!!
ゴブリン「その国々のセクシーさって違うじゃないですか。各国のセクシー代表者がマチコ先生にチャレンジしてきます。新しい年号に変わり、来年オリンピックということでたくさん海外の方が日本に来られると思うんですよ。ここで『日本のセクシーというものはこういう物だ』と、ぶちかまして声高々にかかげていきたいですね」
――― 「スケベな演出盛り沢山、今回はいつも以上にエロ要素ボインボイン」とのことですが、新ギミックなど期待してしまいます。
ゴブリン「そうですね! 基本的にはなぜマチコ先生が愛されてきたのかは必ず中心に置きたいなと思っています。 1980年からスタートした原作が今も愛される国民的なエロ漫画なので、そこはこだわって、80年代の良さを残しつつ“現代にマチコ先生がいたらこうなのか”という所を取り込めたらいいなと」
――― 役作りで考えていることは?
椎名「私は初演の時に違う役で出演していてマチコ先生を見てきているので、変に身構えないほうがいいのかなって思っています。過去のマチコ先生と自分を比べてしまうと自分を見失いそうな気もするので……身構えずに新しい気持ちで貰った台本を見た上で自分の役割をちゃんと把握して、しっかり演じたいなと気持ちを持っているところです」
――― 新しいキャストが増えますが稽古場の雰囲気はいかがでしょうか?
田沢「楽しくできたらいいなと思っています」
しいはし「ゴブさんがエロいことを真剣に指導しているのを客観的に見ちゃだめだよって事ですね。すごく真面目に角度とか言います(笑)」
田沢「稽古場は本当に雰囲気が良くてゴブさんの稽古はとても楽しいんです。どんな人でもすぐに慣れてワイワイできると思います」
小堀「僕は校長先生で年上の役ですが、この作品については後輩ですから新人のつもりで挑みます(笑)。気持ちは若手の思春期のエロさで攻めたいと思います! 実は去年11月にゴブリンさんの演出を受けたことがあって、のびのびやらせてもらえましたね」
ゴブリン「はい、この校長先生はエロいんです。ここをマジで見たらだめだよとか、どう作品を観たらいいのかお客様に方向性を指示していくお芝居をしていただけたら。漫画を見ているようなイメージにしたくて、小堀さんはコミカルにできる方なのできっと面白い校長先生になると思います」
小堀「一つ質問ですが、僕は標準語ですか?」
ゴブリン「すみません、標準語です!」
小堀「わかりました! 標準語でアドリブをやられるとつい関西弁がでちゃうんですよ。なので先輩として言います、アドリブ禁止でお願いします」(全員爆笑)
過去、最前列は目線がばれないようにサングラスを用意
――― 80年代のゆるさも魅力の本作、80年代の良さで思うことは?
小堀「僕の頃は先生が良かったですね。ようどつかれましたもん。今の先生は大変やろうなって思います。目の下攻撃というものがあって、目の下を思い切りつままれるんです」
椎名「目が覚めそう!」
しいはし「いまだったら問題になりますよね」
ゴブリン「平気でありましたよね」
小堀「でもいまだにその先生とは年賀状のやりとりをしてますもん。TVを見て不安にさせてしまったのか、めちゃ米を送ってきて、松本先生に愛されています」
椎名「マチコ先生も生徒に対してとても愛があると思うので、それをちゃんと表現出来たら。もちろん校長先生には愛を持ってつねりたいと思います」
――― ちなみに皆さんは「まいっちんぐ台」を試したことはありますか?
しいはし「ないんです!マチコ先生だけの聖域なんです」
ゴブリン「今回もいくつか作る予定ではあります。あと毎回お客様にウチワを持ってもらって風力が足りない場合は補強してもらっています」
しいはし「最前列に座っている方はめちゃくちゃ見えるんですよね。ただガッツリ見るのも恥ずかしいので、以前の公演では目線がばれないようにサングラスを用意したんです」
椎名「え〜面白い!」
しいはし「サングラスをかけた人が最前列にズラッと。面白い光景でしたね」
ゴブリン「今回はどうなるのか! マチコ席については色々工夫をしまして特典もたくさん考えていますのでお楽しみに」
しいはし「今回席のネーミングがゴールド席に変わりましたよね」
ゴブリン「はい、シルバー席、ブロンズ席とオリンピックにちなんで」
田沢「なるほど! 先取ですね」
――― 最後にメッセージをお願いします。
ゴブリン「今回も更にエッチなお話満載で、エロだとしても何かいい物を観たと思っていただけるように努力しますので楽しみに待っていてください」
小堀「原作のある役どころを演じるのは初めてなんです。初の2.5次元作品! この響き恥いな〜(笑)俺2.5やるんねや。初めてなので原作をちゃんと読ませてもらって、そこにどんだけ僕らしさも入れられるか楽しみですね。頑張ります」
しいはし「毎回観劇されているお客様もいると思いますが、初めて観劇する方にもマチコ先生のエロくて楽しい世界が伝わればいいかなと。劇場でお待ちしております」
田沢「ケンタ役は2回目ですが、前回よりもさらに元気で活発な男の子にできたらなと思っています。山形先生との楽しい絡みは絶対で、学校生活の中でどれだけ仲良くなってきたかという所を舞台上で魅せることができたら。ケンタの元気さでこの作品は盛り上がるので、引っ張っていかなきゃと思います」
椎名「舞台に立つのはおよそ1年ぶりで久しぶりの主演ということもありますが、この作品はみんながワイワイしている様子が楽しい作品だと思うので、稽古場からいい作品をつくろうという空気作りから努めて、先頭に立って本作の面白さがお客様に伝わるように努力したいと思っています。劇場でお会いしましょう」
(取材・文&撮影:谷中理音)