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山内圭哉・福田転球


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13年前の前回公演は全都市ソールドアウトした、伝説の公演が復活!

演劇? コント? 山内圭哉×福田転球が“笑えること”だけ追求する舞台

 個性的なキャラクターで舞台、映像問わず引っ張りだこの山内圭哉と、演劇界を席巻しつつも未だブレイクしきれない“関西の秘密兵器”福田転球。そんな2人のユニット公演『2Cheat』が13年ぶりに復活する。“笑えること”だけ追求する、演劇ともコントとも決められない、台本のない約90分。一体何が起きるのか?


インタビュー写真

福田転球の一番面白いところを皆に見てもらうための公演

――― 13年ぶり4回目ですが、今回もこれまでと同じく台本無しですか?

山内「そうですね。そもそもそういう作り方にしたのは、僕が今まで楽屋で死ぬほど笑わされてきた転球さんを舞台に乗っけたい、っていうところからなんですね。転球さんの劇団だった転球劇場も、台本なくて作ってはったんですよ。今はずいぶん役者っぽくなりましたけど、転球さんは役者として特殊な方で、書いてある台詞を読むと途端に面白くなくなって、自由にシチュエーション与えるとべらべら喋り出す。それがいちいちおもろくて、要はアーティストなんですよね。その、皆に一番見て欲しい転球さんを舞台に乗せるには、台本あったらあかんやろ、ということなんです」

――― 台本がなくて、どう作っていくのでしょう。

山内「稽古はディスカッションに近いですよね。“こないだこんなおもろいおっさんおってな、あの人のキャラで何かやってみよう、例えばバイト先の面接官だったら嫌だな”とか。そんなんを延々言うてて、ほなじゃあやってみようか、って感じで作ってたと思うんですけどね。だいたい10日くらいでしたよね」

福田「うん。どんな風に稽古してたか、もうちょっと覚えてないな。途中で流す映像を撮りにタイに行ったのが楽しかったのは覚えてるけど」

山内「転球さんの一番おもろいところを出すために、台本敢えて作るシーンもあったりとか。つなぎの部分なんかは敢えてお芝居っぽくしてみたり、いろいろ工夫はしましたけどね。なので今回も、そういうことになるんだと思うんですけど、なんせ13年ぶりなんでね。まだ何にも考えてません」


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ちょっとは売れたけど、やっぱりとことんアホらしいことがしたい

――― 前回と比べて、役者としてのお二方の立ち位置も随分変わりましたよね。

山内「この13年で2人とも、役者として認知されたり、仕事でも信頼持って依頼されることが増えてきて。でも、そもそもそんなしっかりした役者でもなかってんけどな、俺ら、みたいな。もっとアホなことしててんけどなっていうね。一回目やった時は、当時東京のお芝居はまだ全然出てない頃でしたけど、関西ローカルで深夜番組なんかもやってて、こういうノリでこういうことやってはる僕らを応援してくれた人たちが、いっぱい居てたんですよね。その人らが、今、僕らがやってる仕事見たら、“ちゃんとした人にならはったな、あるいはちょっと売れはったな”みたいな、寂しい思いされてるのかも分かんないですけど、基本全然変わってないしね。タイミングがなくて13年できなかったですけど、やっぱりとことんアホらしいことやるっていう時間は作っておきたかったんで。あと、最近知った人は、福田転球のポテンシャルをまだよう知らんと思うよ、ってとこもありますし。ほんまに神がかって面白いですからね、楽屋では。舞台に出ると一切輝き失うんですけど」

福田「そんな輝き失ってる奴が、まだこの世界で生き残ってるのが大したもんやな(笑)」

山内「あと前回は、東京の演劇プロデューサーに、ボロカス言われた時期やったんですよ。『あなたが今やっていることじゃキャリアになんないです』って、はっきり言われたことがあって。役者として食うていきたいなら、僕らに頭下げて蜷川さんとことかNODA MAPに出させてくれと言うて来なはれ、と。東京の演劇プロデューサーってこういう事言うんや、アホちゃうか?というのもあったと思います。だから、お客さんが見に来て、“これ、ええと思わんとあかんのかな?”みたいに書いてるお芝居作ってる人に対して、『とことんアホらしいことで、ああ、おもろかった!って皆を帰して貰う銭の方が尊いで』って言いたかったと思うんです。そういう時期でしたね」

――― この13年間で、お二人とも朝ドラや日曜劇場など、メジャー作品にも出演されました。

山内「年齢もそれなりになって、いろんな場所で一生懸命やってる人も見てきて、システムとか役者の仕事がどういうものかもだんだん分かってきて、って言うところでは大人になってるんでしょうけど、でも、それ、おもろいか?って思ってるのは常にありますしね。基本変わってないと思います」

福田「ふふふ(笑)」

山内「ほんまにおもろいのって、結局誰か屁こいた時ちゃうん?みたいなんとか、やっぱ思てまうんですよね」

――― そこを面白がる感覚は、昔から共有していた?

山内「昔から割とそういうとこで、2人でゲラゲラ笑ってたとこはありますね。おもろいと思うことが近かったっていうか」

福田「そうね」

山内「当時、大阪の、ギャラも出えへんようなお芝居出てね、演出家いじったりとかね。そんなことを肴に飲んで、ゲラゲラ笑って。悪い二人ですよ(笑)」

福田「(笑)」

山内「でも、今でもそういうとこは残ってますね」

福田「あるよね、なんか。普段は隠してますけど、お前、ほんまおもんないな!って言ってみたい時、あります」

山内「ただ、僕がどうなんやろうと思ってるのは、時代が変わって出てきた、コンプライアンス的なことですよ。それはすごい怖いなと思ってて。別に露悪的なことやってたわけじゃないけど、ちょっと頭弱い子みたいなんは全然やってましたし。今、同じことやって、ちょっと試したいなってところもありますけどね。まだこれ、笑てくれる?それとも怒る?みたいな。舞台はそういうことがまだできるのかも分かりませんけど」


インタビュー写真

――― もしかしたら、結構攻めた笑いになるかも?

山内「僕の師匠の中島らもが、笑いっていうのは差別やで、っておっしゃってたんです。“ものすごいお金持ちのしっかりした人がバナナの皮で滑って皆が笑うっていうことも、差別なんだよ”って。“ただそれは、世の中で唯一あっていい差別なんだ、だから、その差別すらあかんってなったら、世の中は終わるよ”って。皆が笑ってることは、どこかしら差別で笑ってるんだってことを、お客さんにも認識してほしいなっていうんがあります。そこを分かった上でエンターテインメントを見て欲しいんですけど、今の時代、そういうこというと怒られるのかなあ。だからといって人種差別的なネタをやろうとは全然思ってないですよ、僕そんなん大嫌いですし。だから楽しみですよね、昔からのお客さんはそんなん全然容認してくれると思うんですけど、新しいお客さんがどう見てくれるのか?っていうのは」

――― 笑いって難しいですね。

山内「うん、難しい。100人おって100人が笑うことって、実は全然おもんないことなんですよね。それこそバナナの皮で滑った人見て、ってことと一緒ですから。100人おって3人がゲラゲラ笑っとって、あとは何で笑ろてんの?っていうのが、多分、一番面白いことやと思うんですよ。自分がコメディっぽいお芝居する時は、割とそういうことを狙ってやってきた方なんで、ほんま微妙なとこ、これおもろいなと思う人が何人かおるようなものにはなるんちゃうかなと思うんですけどね。いやでも、結果、ベタな事やってるかも分からへんもんな」

福田「難しいね。ただ、ここ何年か真面目に演劇ばっかりやってて忘れがちだったけど、自分はやっぱこういうことを最終的にやりたいんやなって、山内君の話聞いてて改めて思いました。確かに、なんで自分は劇団やったり、山内くんと組んで一緒にやったりしてるんかなって思った時に、やっぱり正直、見返したいとか、分からん奴に、おもろいっちゅうのはこういうもんやって分かって欲しいとかいう思いが結構強かったと思うんです。昔は、ミュージカルに出るのとかも、全部ネタのため、後でこういうことやるためにやってたんやなって」


インタビュー写真

人生は辛いことだらけ。だから劇場には笑いに来てくれればいい

――― それでは最後に、読者の方にメッセージを。

山内「中島らもが言ってた言葉で印象に残ってるのが『見終わった後、お客さんが、あ〜おもろかったね、けど、どんな芝居やったっけ?ってなる芝居が好きや』って言ってて。『人生は辛いことだらけなんだから、わざわざ劇場に辛い思いしに来る必要はない』と。20代前半の時に聞いたんですけど、それはずーっと残ってる。で、これって、そういうことがやれる機会なんですよね、僕にとって。演劇慣れしてない人も来やすいソフトだと思うんで、気楽に来て頂いて、笑ろてくれたら、明日また頑張ろって思てくれたらええなあって、心から思てます。同じことをおもろいと思てはる、この人ら、と思ってもらえたら嬉しいかな」

福田「そうなったら最高やね。今回は新規のお客さんも結構いるやろうけど、面白いのは間違いないんで、たくさん笑っていただけたらと思います」

山内「あと今回は、一回こっちに主導権戻さしてもらって、あなた方が見たいものをやるんじゃなく、一回ふるいにかけさせてもらって、これもおもろいと思ってもらえます?っていうタイミングでもあるかなと。上から目線で申し訳ないですけど。僕らを贔屓にしてくれてはる人は、自分がふるいにかけられることも、ちょっと楽しみにして来て欲しいなあ。これもおもろいわって思えるか、いや、これはさすがに。って思うか。そう言う、僕らにとっては幸せな機会なんやと思います」


(取材・文:土屋美緒 撮影:NAO(平賀スクエア))


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PROFILE

山内圭哉(やまうち・たかや)のプロフィール画像

● 山内圭哉(やまうち・たかや)
1971年生まれ、大阪府出身。子役を経て、92年より中島らも主宰「笑殺軍団リリパットアーミー」の中心メンバーとして活躍する。01年「Piper」加入、02年自身のプロデュースユニット「wat mayhem」を立ち上げる。個性的なキャラクターで舞台はもちろん、『あさが来た』『獣になれない私たち』等のテレビや映画でも活躍中。

福田転球(ふくだ・てんきゅう)のプロフィール画像

● 福田転球(ふくだ・てんきゅう)
1968年生まれ、大阪府出身。93年に「転球劇場」を旗揚げ、06年の解散まで座長を務め、全31作品に出演。12年には歌喜劇ユニット「マサ子の間男」立ち上げ、17年には大堀こういち・長塚圭史・山内圭哉と共に「新ロイヤル大衆舎」を結成するなど、多数の舞台で唯一無二の存在感を放ち、精力的に活動中。近年は『下町ロケット』など映像作品でも活躍中。

公演情報

「2Cheat 4」のチラシ画像

神保町花月
2Cheat 4


2019年5月10日 (金) 〜2019年5月19日 (日)
神保町花月
HP:公演ホームページ

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