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桑野晃輔・谷佳樹


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“pet”と呼ばれる彼らが迎える、美しくも切ない終焉とは!?

特殊能力を持った男たちの生き様を描くシリーズが完結!

 TVアニメ化も予定されている三宅乱丈原作の人気コミック『ペット リマスター・エディション』(ビームコミックス/KADOKAWA刊)。2018年12月にシリーズ前編が初舞台化され、7月に後編が上演される。他者の脳内に潜り込み、記憶を操作することができる特殊能力を持った“ペット”と呼ばれる少年たちの生き様を描くサイキックサスペンス。作品を代表して司役/桑野晃輔と、悟役/谷佳樹に話を聞いた。


インタビュー写真

マラソンで言うとゾーンに入っていくような、そんな感じ

――― 物語はペットとヤマ親の特殊な関係、多くの強い絆で結ばれた人間関係と愛憎が描かれている。この完結編では隠されていた素性、悟の成長、そしてヒロキと司に訪れる切ない終焉が描かれる。ペットという響きからは想像もつかないハードな世界の中、役者たちは全力で挑んでいた。初演を振り返ると「役が憑依していた」という。

桑野「稽古場に入った時にピリピリ感というかすごく集中力が高く、全員が舞台『pet』にかける想いが溢れる稽古場でした。それはやはり原作の力でもあり、そして素晴らしいキャスト、スタッフチームがいて、僕らなりの舞台版が届けられたのかなあと思っています。この司という役は、やればやるほど病みつきになっていく役。セリフの量がお化けで本当にすごくて、自分と離れていた役でしたがどんどん自分にしみてくる瞬間があって。それがまたどんどん心地よくなってきて、マラソンランナーで言うとゾーンに入っていくような、そんな感じになっていきましたね」

谷「それ見てて感じてた! こうちゃんが長台詞を感情的に吐き出している時に、最初の頃はがんばれって見ていましたが、日に日に自分のものになって憑依する感じが伝わってきて稽古場から圧巻でした。見入っていましたね。日々磨かれていくなっていうイメージがあります」

――― 役を演じるにあたり大切にしていたことは?

谷「演出の伊勢さんとお話していたのは“説明を説明じゃなく言おう”と。この座組のテーマとして掲げていて、非日常のことを描いているけどこの世界はもしかしたら今生きている俺たちの中に本当にあるんじゃないかと、リアルさを僕は大切にしていて。人の記憶の中に入って破壊するわけですが、でももしかしたらこの組織が本当に存在しているかもしれない。僕はこの世界を信じて、その中で悟として生きようと心がけていました」

桑野「どのお芝居でもそうですが、一人でやろうとしても上手くいかないことの方がほとんどで、お芝居を作る上で相手から貰うことで生み出るものがけっこうあるんです。司という役は本当に発信することが多かったのですが、それと同じくらい皆から貰うものがたくさんあった現場だったので苦ではなくて、その中で自分の司が出てきたのかなと。頑張ったというよりも、みんなに助けてもらった、支えてもらったという印象の方が大きいですね」

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――― ほかに伊勢さんから言われた言葉で印象に残っていることは?

桑野「稽古場でシーン稽古から始まっていきましたが、司とヒロキ、悟とヒロキ、司と林とか2人の掛け合いが多くて伊勢さんがおっしゃっていたのは『とりあえず思うままにやってみよう』と。まずは演出をつけるのはなくて『自分から出た感情や動きで作っていけばいいと思う』 とおっしゃってくれて、僕はほっこりしたと言うか安心して。そこから良いところをピックアップして伊勢さんが演出してくださったので、そういう部分では僕は本当に助けられました。伊勢さんがまた役者をのせるのがうまいんですよ!この人のために頑張ろうって思える」

谷「そう!わかる!」

桑野「伊勢にぃと呼ばれていて、まさに兄貴。この人の思い描いていることをちゃんと再現したい、ついて行くぞという気持ちにさせてくれたのが伊勢さん」

谷「欲しい言葉をくれるんです。伊勢さんとだから作り上げることができた世界観だと思うし、その世界をちゃんと届けようと全員が同じ方向を向いていて、“このカンパニーは強い”ってみんなが感じていた。それはやはり伊勢さんが手引きしてくれたから。伊勢さんとガッツリお芝居をするのは初めてでしたが、心地良い空気を感じました」


こんなジャンルの作品もあるんだと知って欲しい

――― 今作では司の悟へのコンプレックス、悟の葛藤など、さらに人間ドラマが深く描かれると思います。挑戦になること、見どころと思うところとは?

桑野「僕は前回やり切ったので僕の司は終わった(全員笑)全身全霊をかけて挑んだので完結しました」

谷「終わってる(笑)」

桑野「今作では物語が急展開し色々なキャラクターの過去や嫉妬、愛憎とかがさらにうずまき合って混とんとしてくる中でそのキーパーソンになるのは確実に悟。あと個人的には君沢さんが演じる桂木の過去もきっと描かれるのでそのあたりを僕は注目しています。僕の司が終ったという前提で話をするとこの2人に注目かな」

谷「僕はそう言ってるこうちゃんが、台本を受け取った時にめちゃくちゃセリフがあってビックリする姿を早く見たいです。読み合わせの時の顔が楽しみです(笑)。前回同様プロジェクションマッピングも見どころですが、僕は後半の演出がどうなるのか気になります。人は喋っていても心の中で別のことを思っていたりしますよね、それが今回特に多いんです。むしろ心の声の方が多くて、“こいつ今何を思っているんだ?”でも言葉では『うんわかった』裏の裏の裏の読み合い。一言でも何かをこぼしたら負けるような、神経をすり減らすようなお芝居になるんじゃないかなと。それがどんな演出になるのか楽しみです」


インタビュー写真

――― 稽古場のピリピリ感がわかるようです。

桑野「でもそれが作風に合っていて良かった。カンパニーとしてはもちろん仲は良くて、みんながお芝居をつくる仕事をしている良い現場だと思います。
原作を読まないとわからないことも多いので、理解してもらうのにいかに説明じゃなくお客様を引き込ませるかが僕らの勝負。2.5次元作品と言われる原作がある作品はわかりやすいストーリーが多いと思いますが、この作品は“2.5”ぽくない。このわかりにくさが窓口となって、あらためて演劇に関心を持ってくれる人が増えたらいいなって思いますね」

――― 歌って踊っている作品ばかりでなく、その中で刺激を与えるような作品ですよね。

谷「2.5次元作品と言われる中でこんなジャンルの作品もあるんだと知って欲しいです」

――― 植田圭輔さんはどんな座長ですか?

桑野「あの人はすごいです。かれこれ次で共演は7回目になりますが、座長であるべき人ですね。中心に立つ人ってこういう人なんだろうなって感じます。我慢しちゃうところを彼は口に出して言ってくれたりとか、視野も広く見てくれるし、伊勢さんのように必要な言葉をかけてくれるんです。そういう気質を持った俳優さん。そして何より本番に強い! 彼が真ん中にいてくれたら後はなんでもできる。すごいなって思います」

インタビュー写真

谷「褒めたくなる人です。このカンパニーみんな、それぞれお芝居をやっていて心地良い方ばかりで楽しくて。植ちゃんと2人のシーンでもワクワクするんです。みんなを守ってくれる人だと思っています。時間が無い中でセリフも多くて追い込まれる立ち場でしたが、それを見せることなくやっていたのが印象的でした」

桑野「前回の稽古は途中合流でしたがある時、感情があふれて涙を流し鼻水たらしながらセリフをしゃべってくれた時があって、こいつ何者やん!と。忙しくても全部入れてくる。植田圭輔って何人おるのか聞いちゃいましたもん」
谷「聞いてた!分身してんの?って(笑)」

最後はみんな一緒に浄化させることができたら

――― 最後にメッセージをお願いします。

桑野「完結に向かって生きるのみです。この作品では役者は何を言っているのかわからなくてもいいと思っていて、ただ気持ちをどうお客様に届けられるか、どう作品に引きずりこめるかがテーマ。人間の嫌なところを表現する作品なので、そこにどっぷりと引きずりこんで、最後はみんな一緒に浄化させることができたらと思っています。ぜひ会場に遊びに来てください」

谷「プロフェッショナルが揃い、そんなみんなが一丸となってこの世界を作り上げています。僕は器用よりも不器用でもがむしゃらにやっている役者さんや作品が好きなんです。人から発するエネルギーって人に伝わるし響きますよね。僕は器用なタイプではなく熱量で演じているところもありますが、その熱量を出し惜しみすることなく全力でぶつかって悟と向き合い、お客様には何かすごいものを観たねと思うような作品にできたら。全力で挑みたいと思います」


(取材・文&撮影:谷中理音)


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PROFILE

桑野晃輔(くわの・こうすけ)のプロフィール画像

● 桑野晃輔(くわの・こうすけ)
1990年10月16日生まれ、兵庫県出身。舞台を中心にドラマ、映画他で活躍中。近作に舞台『文豪ストレイドッグス 三社鼎立』、つかこうへいを読む 2019 春 テキスト『熱海殺人事件』がある。8月21日〜少女都市 第8回公演『光の祭典』が控えている。

谷佳樹(たに・よしき)のプロフィール画像

● 谷佳樹(たに・よしき)
1987年6月8日生まれ、大阪府出身。舞台を中心に活躍中。代表作に舞台『ツキステ』シリーズ、舞台『妖怪アパートの幽雅な日常』、舞台『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』、舞台『文豪とアルケミスト』などがある。8月23日には1st DVDを発売する。

公演情報

「舞台「pet」 -虹のある場所-」のチラシ画像

舞台「pet」 -虹のある場所-

2019年7月29日 (月) 〜2019年8月4日 (日)
神田明神ホール
HP:公演ホームページ

12名限定!9,800円(全席指定・税込) → 【指定席引換券】8,000円さらに4,000Pゲット!(7/30 16時45分更新)

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