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ロデオ★座★ヘヴン


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座組も内容もこれまでの集大成と言える2つの作品

演劇と真摯に向き合ってきたロデオが新作2本の上演で迎える“分岐点”

俳優・澤口 渉と音野 暁によって2011年に旗揚げされ、毎回異なる座組で意欲的な作品を放ってきたロデオ★座★へヴンが、12回目となる公演『1 dozen of RODEO THE HEAVEN "period"』を行う。小栗 剛(qui-co.)の脚本&演出による『アイラブユー』と、脚本&監修を柳井祥緒(十七戦地)、演出を望月清一郎(鬼の居ぬ間に)が手掛ける『日本演劇総理大臣賞』の2本を上演するこの公演で、ロデオ★座★へヴンは活動休止となる。彼らはそれを“分岐点”と呼び、そこにネガティブなトーンはない。澤口&音野にその真意を尋ねるとともに、2作品の作&演出陣と、旗揚げからロデオのデザインワークを手掛けている加藤和博にも加わっていただいてインタビューを行った。


インタビュー写真

最後に一獅ノやりたい人を挙げると1作品では収まらなかった

――― 今回の公演でロデオ★座★へヴンとしての活動を休止するとのことですが、その理由は?

澤口「基本的に、僕と音さん(音野)が二人とも舞台に立ってこそのロデオ★座★へヴンだということでやっていたんですけど、毎回キャスティングをする中で、僕は入れなくてもいいんじゃないかという気持ちに少しずつなっていって……それ以外にもいろんな理由はあるんですけど、個人的に、舞台に立つのは今回限りかなというのがあって、この機会にロデオとしては一旦止まってみようということになりました」

音野「公演ごとにいろんな脚本家さん、演出家さんをお呼びして、メンバーも二人なので毎回違うゲストさんに出ていただいている。じゃあロデオ★座★へヴンって何かって言われたら、俺たち二人が出演しているっていうことだけなんですよね。俺一人が出てもロデオにならない。だったら一旦区切ろうかと」

――― つまり、お二人が舞台に立つロデオを一度畳もうと。

澤口「そういうことを表に打ち出すべきなのかどうかという葛藤もありましたけど、どうせなら恥ずかしくてもいいからやっちゃおうかって」

音野「休止というのは中途半端だから、解散って言った方がいいという話も出たんです。でも、いろんな方にオファーしていくうちに、もったいないねということになって(笑)。フライヤーにも書いているとおり、二度とやらないかもしれないけど、やるかもしれない。だったら、やるかもしれないときのために“休止”がいいんじゃないかと」

――― そこで新作2本を上演するというところからも、実際は前向きな行動だという印象を受けます。

澤口「生き急いでいます(笑)。これを1本ずつやるとなると、休止までの期間が延び延びになってしまうので、2本一獅ノやっちゃおうと」

音野「ロデオを閉めるとなったときに、呼びたい人を挙げていくと1つの作品では無理だなということで、こういう形になりました」

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ロデオならこういうこともできるだろう、を全部ぶち込んだ

――― そのうちの1本『アイラブユー』を手掛ける小栗さんは、2015年の『ドリームランド』で作演出を担当していますが、当時はどういういきさつで?

澤口「小栗さんのことは、僕が信頼しているスタッフから教えてもらったんです。それで台本を読ませてもらって、ロデオにお誘いしたいと思って飲みに行ったら、面白い人だったからぜひお願いしようと」

小栗「だから、うちの芝居を観てないんですよ(笑)。いいの?って思ったんですけど、そのときお酒を奢ってくれたから、絶対いい人だろうと思って(笑)お引き受けしました」

澤口「芝居の話、ほとんどしなかったですよね」

小栗「お互いの恋愛観の話をしているうちに、これが意気投合ってやつなのかという感じになって。気がついたら“よろしくお願いします”と(笑)」

――― 実際にやってみてどうでしたか?

小栗「さっきの二人の言葉を覆してしまいますけど、僕は二人が出ているからロデオだとは思ってなくて、極端な話、二人とも出てなくてもロデオだなと思うんです。作品に人が集まるのってすごく大きなことで、ロデオの場合、この二人が選んでいるというより、この二人のもとに集まるみたいな感じになっているような気がする。二人の表現者としての魅力がこういう座組を作っているわけで、そんな戦い方もあるんだなと衝撃を受けました。僕も自分のユニットを持っているので、それに対する考え方も影響を受けているし……だから一言で言うと、一獅ノやって楽しかったです(笑)」

澤口「『ドリームランド』はすごく評判が良くて、お芝居とかに全然馴染みのない僕の兄貴も“すごく面白かった”と言っていました」

音野「公演が終わったときから、またやってもらいたいねと話していて、今回満を持してオファーさせていただきました」

――― 今回はどういう作品にしようと?

澤口「僕はDrop'sというバンドが好きなんですけど、ボーカル&ギターの中野ミホさんが弾き語りしている動画をYouTubeで観て、小栗さんの世界観でこの人の音楽を使わせてもらったらすごくいいだろうなと思ったのが最初のとっかかりです。小栗さんは、作中で音楽の使い方がとても上手な方なので」

小栗「やっぱり『ドリームランド』でやり切れなかったこともあるし、この二人を知って、ロデオというものを知って、じゃあこういうこともできるだろうなということもあったので、今回はそれを全部ぶち込んでやろうという感じです」

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約1年前から考えていた、とっておきのプロットを提供

――― もう1本の『日本演劇総理大臣賞』で脚本&監修を務める柳井さんは、2014年の『幻書奇譚』を皮切りにロデオでは4作品を手掛けています。

澤口「十七戦地の座長の北川義彦さんと僕が客演先で初めてお会いして、十七戦地の『花と魚』(再演/2013年)に出させていただいたんです。そのとき、柳井さんとは二度とやらないんじゃないかというくらい険悪ムードだったんですけど(笑)、最後の本番が終わってバラシのときに、柳井さんが“次も出てください”って言ってくださって、そこからの付き合いです」

音野「その『花と魚』と、次の『眠る羊』(2014年)も見に行って、めちゃくちゃ面白かったので、ぜひロデオで書いてもらいたいと思ってオファーしたのが『幻書奇譚』でした」

――― 柳井さんから見たロデオの印象は?

柳井「えー……(しばらく考えるが、出てこない)」

(一同笑)

澤口「これだけいっぱいやってきたのに(笑)」

柳井「いっぱいやりすぎているから(笑)……えーと、芝居に対して真面目ですよね、やっぱり」

音野「……以上でよろしいですか?(笑)」

――― ー険悪ムードから一転して深い付き合いになったのは?

柳井「そこで険悪になったので、遠慮がなくなったんじゃないですかね。どの作品を作るにしても、お互いに遠慮がないですね」

澤口「今回の『日本演劇総理大臣賞』は、柳井さんの方から、こういう題材があるんですけどどうですかということで出てきた作品なんです」

柳井「オファーを受ける1年くらい前にタイトルとプロットを思いついて、当時は劇団員が反対するだろうなというのがあってできなかったんですけど、どこかでやろうかなと思っていました。そうしたら、ロデオが最後だというので、じゃあとっておきのこれがいいかなって」

澤口「今、この題名に挑むのってけっこうなことだと思うんです。一旦書き上げた後も何度も改稿してくださっているんですけど、すごく面白いと思います」

ーーーそして演出は、十七戦地の『あさどらさん』(2019年)で柳井さんとタッグを組んだ望月さんが担当します。

澤口「出演者もそうなんですけど、今回は今までやったことない人ともやってみたいなというのがありました。鬼の居ぬ間にの作品は、『人魚ー死せる花嫁ー』(2018年)と『逆柱ー追憶の呪いー』(2019年)を観に行って、どちらもすごく良かったんです。今回一獅ノやる役者さんともつながりができたらいいなというのもあって、今後のためにもぜひやってもらいたいと思ってお願いしました。そのあたりは、今までのロデオのスタンスと同じですね」

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望月「ロデオの舞台は3、4回観ていますけど、舞台上のお二人にすごく温かい空気を感じて、お近づきになりたいと思っていました。今回の作品については……すごく好きです。演出家として、この脚本と、この役者の皆さんと戦えることが楽しみですね。挑戦になるでしょうし、僕も演出家として成長できそうな作品になるだろうなと勝手に思ってます」

フライヤーは左右対称のデザインでシンプルに表現

――― そして今回は、ロデオのデザイン周りをずっと手掛けていらっしゃる加藤さんにも来ていただきました。

澤口「宣伝美術はもちろんのこと、ロゴやTシャツ、劇中の映像まですべてお願いしています。おしゃれって言ってくれる人がいるんですけど、それは全部加藤さんのおかげです(笑)」

加藤「もともとは、僕がずっと宣伝美術を担当しているブラボーカンパニーに澤口くんが手伝いに来てくれていて、ブラボーのチラシとかを気に入ってくれていたんです。すごく褒めてくれるから、いい子だなと思って(笑)」

――― 演劇の宣伝美術は、素材がないところから始まることも多いと思うのですが、どんなふうに進めていくのですか?

加藤「ロデオの場合は割とプロットが早い時期にあるので、まだ想像しやすいです。僕がロデオでよくやる手法は、エピソード0とかスピンオフ的なポジションの絵を考えることですね。例えば『ドリームランド』だったら、物語の中に出てくる遊園地のロゴマークとかシンボルマークを勝手に考えて象徴にしたりとか。本編に関わるそのまんまを形にするというより、その“側(がわ)”をどうしようかなと考えることが多いですね」

――― 今回のフライヤーもシンボリックなデザインです。

加藤「今回は作品が2つなので、左右対称にしたかったというのはあるんですけど、最初に『アイラブユー』『日本演劇総理大臣賞』というタイトルをもらったときは、あまりのストレートさにちょっと笑いました(笑)。でも、演劇に対してすごく真摯な態度で取り組んでいる二人のことを考えて、あまりゴテゴテ飾るよりもシンプルな表現がいいなと考えました」

――― そんなふうにクリエイティブなポジションで関わりながらも、本番はある程度客観的に観られる立場ではないかと思います。ロデオの舞台の印象はいかがですか?

インタビュー写真

加藤「単純に面白いですよ。僕もそんなにたくさんお芝居に関わってるわけじゃなくて、それこそロデオに関わってからいろんな作家さんや演出家さんの作品を観るようになったので、もしかすると身内贔屓もあるかもしれませんが、どれを観ても面白いなって思います。二人ともすごく貪欲に一獅ノやりたい人を集めてやっているし、そこに関わらせてもらっているのは幸せだなって、感謝の方が大きいです」

いい作品をたくさんの人に観てもらえる世の中であってほしい

――― 活動休止と言っても、いろいろな意味で今後につながる公演だと思いますので、ロデオ初見のお客さんにもたくさん観てほしいですね。そういう方に向けて、ぜひ一言ずつお願いします。

小栗「演劇の醍醐味というか、核になるものは本当につかみどころのないものだけれど、ロデオの二人はそれを感覚的にちゃんとわかっていて、役者たちや僕らのような人間からもそれを引き出すように接してくれていると思うんです。だから、ロデオの公演を観れば演劇の良さや醍醐味が確実にわかると保証できます。しかも、今回の2本はすごく真逆な作品なんですけど、そこで見られるのはたぶん同じものなんです。ぜひ2本を観比べて、両方に共通するものを見つけ出してもらえたらなと思います」

柳井「僕はいつも、ロデオ★座★へヴンでは戦いだと思って作品を作っているので、ラストバトルをぜひ観に来てください、というところでしょうか」

望月「活動休止ということで何かの最後ではあるんでしょうけど、全員で作り上げたものが次に何かになるような作品にできたらいいなと思っていますので、ぜひ観に来てください」

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加藤「もちろん玄人さんにも受ける内容だと思いますけど、お芝居ってどんなものなんだろう?って思っている方にぜひ観てもらいたいですね。今まで演劇を観たことのない人が、最初に観る演劇であってほしい。二人ともものすごく馬鹿みたいに真面目に取り組んでいて、ずるいことは1つもしていないので、間違いなく面白いと思います」

音野「とにかく面白いことをやりたいというだけで8年間やってきました。今回は今まで僕たちが関わってきた人たちにいっぱい出ていただいているし、関わりたかった人たちにやっと出てもらえたりっていうのがあるので、この2作品を観ていただけると、ロデオ★座★へヴンというものが何だったのか、きっと伝わると思います。まだお芝居を1回も観たことがない方も、最近ちょっと遠のいているなという方も、お芝居ってこんなに面白いんだよって伝わる2作品に絶対なりますので、ぜひ観に来てもらいたいです」

澤口「面白い劇団って本当にたくさんあるし、いい役者さんもたくさんいる。今回出てくださる皆さんも、いい役者さんばかりです。僕はずっとロデオでキャスティングには本当にこだわってきて、自分が舞台を観て琴線に触れた役者さんにお願いしているんですけど、こういう人たちがちゃんと活躍できる世の中であってほしいし、もっと世間の人たちに知ってもらえたらいいなと僕は思うんです……ちょっとうまく言えないな」

――― そのためには作品を作るしかないと。

澤口「そうなんです。同時期に上演される劇団チョコレートケーキさんの『治天ノ君』も最高にいい作品なので、ぜひ観てください」

音野「なんでよその作品を宣伝してるんだよ(笑)」

加藤「基本、こういう人なんです。ぜひ僕たちを!じゃないんですよね。いつもキャストが決まると“こんな人が出てくれるんです!”って、喜んで電話がかかってきますから(笑)」

澤口「話がまとまらなくてすみません(笑)。でも、本当にいい作品はもっと観てもらうべきだと思うんですよね。僕たちもこれが最後だとは思っていないし、形は変わるかもしれないですけど、この先も面白いものを作っていくつもりです」

(取材・文&撮影:西本 勲)

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PROFILE

澤口 渉(さわぐち・わたる)のプロフィール画像

● 澤口 渉(さわぐち・わたる)
1979年生まれ、岩手県出身。
ロデオ★座★へヴン主宰。AND ENDLESS作品などへの出演を経て、2011年にロデオ★座★へヴンを旗揚げ。十七戦地、荒馬の旅、こゆび侍など客演多数。映像作品にも出演しており、主な作品に、ドラマ『やすらぎの郷』『高嶺の花』『SUITS』、映画『スマホを落としただけなのに』などがある。

音野 暁(おとの・ぎょう)のプロフィール画像

● 音野 暁(おとの・ぎょう)
1979年生まれ、佐賀県出身。
ロデオ★座★へヴン副主宰。AND ENDLESS作品などへの出演を経て、ロデオ★座★へヴン旗揚げ後も数多くの作品に客演。最近の出演作は、疾駆猿『VAGUENIGMA -the Fates U-』、ぼっくすおふぃすプロデュース『雪の果』、劇団YAMINABE『自称芸人』『Sakura』など。11月には演劇企画heart more need『アンオーダブル』出演予定。

小栗 剛(おぐり・つよし)のプロフィール画像

● 小栗 剛(おぐり・つよし)
1977年生まれ、茨城県出身。高校卒業後、小説家を志し上京。数年のバンド活動の後、物語の創作を再開。2006年より東京の小劇団に座付作家として参加したのを機に演劇活動を開始。2010年、qui-co.(キコ)を設立し、脚本&演出を手掛けるとともに、自らも出演。ロデオ★座★へヴンでは『ドリームランド』(2015年)で脚本&演出を担当。

柳井祥緒(やない・さちお)のプロフィール画像

● 柳井祥緒(やない・さちお)
1979年生まれ、東京都出身。
2001年、演劇企画ミルク寺を旗揚げし、2009年の解散まで脚本&演出を担当。2010年、北川義彦らと共に十七戦地を旗揚げ。『ウルトラマンタイガ』など映像作品への脚本提供も行っている。ロデオ★座★へヴンでは『幻書奇譚』(2014年/2018年再演)、『鈍色の水槽』『座 〜私家版 罪と罰〜』(2016年)、『大帝の葬送』(2017年)で脚本&演出を担当。

望月清一郎(もちづき・せいいちろう)のプロフィール画像

● 望月清一郎(もちづき・せいいちろう)
1987年生まれ、宮城県出身。
2011年、張ち切れパンダ番外オムニバス公演『ぱんだの集い』の『笑う鬼婆』で脚本デビュー。2012年、鬼の居ぬ間にを立ち上げ、以降全作品で脚本&演出を担当。『人魚ー死せる花嫁ー』にて佐藤佐吉2018最優秀脚本賞受賞。十七戦地『あさどらさん』(2019年)で演出を担当。

加藤和博(かとう・かずひろ)のプロフィール画像

● 加藤和博(かとう・かずひろ)
福田雄一が主宰する劇団ブラボーカンパニーの宣伝美術/映像をはじめ、テレビ、映画のタイトルバックやアニメパートを数多く制作。お笑いコンビ、シソンヌの単独ライブでも宣伝美術を一貫して手掛けるほか、アイドルグループPASSPO☆のCDジャケットデザインも担当。ロデオ★座★へヴンには、ロゴ、フライヤー、映像などビジュアル全般に関わる。

公演情報

「「アイラブユー」「日本演劇総理大臣賞」」のチラシ画像

ロデオ★座★ヘヴン
「アイラブユー」「日本演劇総理大臣賞」


2019年10月3日 (木) 〜2019年10月13日 (日)
花まる学習会王子小劇場
HP:公演ホームページ

全席自由(一般):3,900円
全席自由(高校生以下):1,000円(要学生証)
(税込)

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