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松本陽一・椎名亜音


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江戸の瓦版屋を舞台にした同時刻同時進行痛快ハイスピードコメディー!

「気楽なコメディーだと構えていたら、物凄い嵐に巻き込まれますよ」

計算された言葉の掛け合い、パワフルで疾走感溢れるハイスピードコメディーを主軸としながら、繊細な心情を描き、物語性に重きを置いた作品も多数排出してきた劇団6番シード。結成26年目の秋公演は、劇団代表の松本陽一による新作書き下ろしの時代劇コメディーだ。天下泰平、華のお江戸のちょっと北、宿場町「極嵐(ごくらん)」の瓦版屋を舞台に器量自慢の看板娘が、あらゆる事件を痛快に解決する!? 瓦版屋の牛の正刻(正午)からの1時間を、表の辻の騒動を描いた第一景と、同じ時刻の奥座敷を描いた第二景という構成で描く“同時刻同時進行”という新しい試みを取り入れ、松本が「間違いなく凄い熱量とスピード感になる」と語る最新作は、もう、嵐の予感しかしない。


インタビュー写真

想像を斜め上に裏切る!お客さんもうかうかできない?

――― 時代劇としては2014年の『オレンジ新撰組』以来となりますが、今回はコメディー要素に加えて、同時刻同時進行という新たな試みが入りました。

松本「割と現代劇を中心にやってきましたけど、時代劇は面白いのでそろそろやりたいねと話していました。普通に時代劇コメディーをやってもいいですけど、何かもう1つ上乗せをしたいなと。ファンミーティングで、どんな物語を観たいですか?とお客さんに聞いてみたら、『バックステージ(舞台裏)ものを観たい』という声がありました。過去にも『ミキシング・レディオ』や『ザ・ボイスアクター』など舞台裏系を作ってきましたが、それを時代劇でやったら面白いんじゃないかというのが最初の発想です。

今回は2時間のお話ですが、前半1時間は瓦版屋の前の辻(道端)でおこる騒動を描いて、後半の1時間は同時刻の瓦版屋の奥座敷では何があったかを描きます。お客さんは両方観たときにこうなるんだと繋がる仕組みにしようと思っています。
時代劇で良く題材となる侍や大奥といったものは敬遠したいと思っていて、皆さんにも馴染みのある瓦版屋というのを思いつきました」

椎名「松本から作品に構想を聞いたときに、今回はすぐにイメージとぴったり合いました。とにかく賑やかで華やかで、リアルな時代劇というよりは、少し傾(かぶ)いている人たちが、エネルギッシュにぶつかりあう派手なイメージですね。私は婚期も意に介さず、日々特ダネ探しに奔走する瓦版屋の看板娘を演じます。キャリアウーマンの走りというべきでしょうか(笑)」

松本「現代で言えば、アラサーぐらいの女性が結婚のこともあるけども、それ以上に仕事が大好きという活発なイメージですね。事件が7つ8つぐらいあって、全部解決してしまうみたいな」

椎名「えっ! そんなにあるんですか!?(チラシを見て) 確かに『瓦版屋の娘がすべて解決してみせます』って書いてある! これ、めっちゃ大変じゃないですか!」

松本「沢山、事件が起きると言いましたが、物凄く複雑にしたものをシンプルに見せるのが最近の僕の演出スタイルだと思っています。最近のお客さんは情報量が多いほうが良いという傾向があるかなと思っていて、そういった作品に慣れている人たちの目を満足させるという意味で、情報を沢山入れますが、最終的には演劇が持つシンプルさに帰ってくのではと思っています。今回は基本的には表1時間、裏1時間というシンプルな2幕構成で、色んな出来事が起こるけども観終わったらすごくシンプルに痛快、愉快だったという、いわば6番シードらしいとも言えます。

時代劇コメディーというと、ともすれば、どこか良くも悪くも古めかしくてチープなイメージがありますが、そういうのも斜め上に裏切りたいなという気持ちも込めています。お客さんもうかうかできないぞみたいな」

インタビュー写真

椎名「私も舞台を観ていて情報量が多い方が好きですが、こちらが持てるだけの情報を解決できないまま客席に投げ続けて、はいおしまい!ってなるような、乱暴さ、やんちゃさみたいなものを出したいですね。6番シードは周りの座組と比べても大人が多いので、その大人たちによるやんちゃな大暴投ばかりがカッコよく繰り広げられて終わる、茶目っ気たっぷりな作品にしたいです」

松本「最初にネタ帳を書いたときに、『全員コメディー』と書いたんですよ。つまり普通の役がいないぞという意味です。病みボケ、テンションボケ、シリアスボケ、だいたいボケですね(笑)全員がお客さんにボールを投げられる状況を作ろうと。椎名君が突っ込みというか、舞台を回せる役柄を演じることが多くて、うまいので、遠慮なくボケキャラを配置できます」

椎名「松本さんの本はボケながら突っ込むキャラというか、攻めながら守るキャラが存在することが多くて、役割をボケと突っ込みに明確に固定させない配置が好きです。それが今回にも生かされていますし、キャストさんの顔ぶれを見ても、お互いを信頼して好き勝手暴れられるような舞台になりそうです」

松本「それは僕も期待していますし、たぶんありますね。本来であれば、分かりやすくボケと突っ込みを作らないといけないですが、そういう垣根を取っ払いたい。例えるなら戦術が20パターンあるサッカーをやるみたいな。チーム全員でゴールに向かっていたら、それがベストな陣形になっていたみたいな座組になれば面白いです」

結成26年目、まだまだ落ち着いていくつもりはない

――― ゲスト陣も個性的ですね。

松本「有難いことに、『次のゲストは誰が出るの?』という期待を頂いているなとひしひしと感じていて、実際、『是非一緒に』と沢山、声をかけて頂きます。なんでしょう、“大人のやんちゃ”というのがキャスティングの1つのキーワードかもしれないですね。今回のゲストの佐藤修幸さんしかり、石部雄一さんしかり。25年やってきた劇団ですが、年々落ち着いていくと思われたら嫌ですし、久しぶりのコメディーなのでそういう気合は特にあるかもしれないです。僕は他団体さんにコメディーを書くこともありますが、本公演のコメディーは『何かちょっと違うぞ』みたいな感覚はあるよね?」

椎名「ベテラン勢があんなに汗かいてヒーヒー叫んでいる団体は確かにないですね(笑)。5月の公演で年長の小沢和之と宇田川美樹が絶叫しながらコメディーやっている姿を観て、正直頭おかしいだろ?と少し思いましたが、そこが良い所なのかなとも思いました。でも最近はメンバーが集まると健康の話題ばかりです」(一同笑)

インタビュー写真

江戸庶民の息遣いが見える舞台に

――― リアリズムや細部にまでこだわるのも6番シードの特色ですが。

松本「今、まさに江戸庶民の暮らしや文化について色々と情報収集をしているところです。今回は江戸時代の長屋ものに近い話なので、もっと掘り下げて人々の息遣いが見える舞台にできれば面白いかなと。シチュエーションコメディーは結構、ちょっとした小道具が物語の伏線になっていたりするじゃないですか。今回はそういう要素がてんこ盛りに入ると思います。それを考えた時に当時の暮らしで面白いものは何だろうか。例えば当時に勝負パンツはあったのだろうかなどと考えを巡らせています」

椎名「大きいくくりで国や政治の仕組みについては歴史で学びますが、庶民の生活がどうだったとはあまり知らないですよね」

松本「例えば、読売新聞の社名の「読売」というのは当時、字が読めない人の為に読み聞かせをして売っていたところから来ているそうです。当時は幕府非公認だったので、二人一組で売りに出て、一人が取り締まりを見張る役だったみたいな。おそらく必要悪として、そこまで厳しくは取り締まられていなかったと思います」

椎名「そういう意味では、昨今のWEBライターみたいな感じなのでしょうかね。例えば茶屋の店員だったら、スタバの店員みたいな感じで、ああ分かる!みたいなものを江戸の知識で結びつけて納得させるみたいな」

松本「その考え面白いね。ユーチューバーとかもありかも!」

全員サッカーで攻めまくる!

――― 今回は椎名さん演じる瓦版屋の看板娘がカギを握っていますね。

椎名「私はキャリアは長いですが、しっかりした主演というのは2度目という。でも主演に囚われなくても良い空気で座組が回せる気がしていて、私が一人でというよりはみんなでおーという感じがする作品なので、全員サッカーの感覚でやっていきたいですね」

松本「6番シードはあるこだわりがあって、必ず主演を発表します。チラシの並び順も都度変えています。常に新鮮でありたいのと、誰でも主演を張れる劇団でいたいなと。今回はデカデカと椎名が主演と告知させてもらっています。ある意味椎名が今、脂がすごく乗っている状態なのでとてもいいタイミングかもしれません」

椎名「さあ! 真ん中でどうぞ!と言われると、えー!?となりますが、個性強い人たちの中でなんとか生きてきたので、隙間産業がようやく芸として認められた気がするので(笑)普通の主演とは違う機動力を発揮したいと思います」

インタビュー写真

シンプルな欲望が原動力

――― 結成から26年目ですが、今後の6番シードの方向性はありますか?

松本「今はコメディー熱が再燃していて、来年もコメディー物を増やしていこうかなと考えています」

椎名「こんな感じで今、何がやりたいとかそういうものでずっと動いている気がします。そういうシンプルな欲望が来年の動きを決める原動力になっている気がします。あくまでも自分たちがやりたいことをやった結果、お客さんが喜んでくれるというサイクルが生まれているのかなと」

松本「結構、初期衝動は大事ですよね。それがブレると大体中途半端な公演になってしまうから」

殺陣以上に派手な会話劇に

――― 6番シード史上、屈指のコメディーになりそうな予感がしますね!最後に読者へのメッセージをお願いします。

椎名「久しぶりの主演ということで大変燃えております。やる方も観る方もワクワクしてしょうがない、ハチャメチャに楽しかった!と思ってもらえるような作品を作っていこうと思っております。舞台が始まるまでのお知らせにもワクワクを詰め込んで、本番が終わるまでお祭りみたいな日々を過ごしていきたいなと思っているので、是非観に来てください!」

松本「劇団として久しぶりの時代劇であり、コメディーなんですが、結構職人芸を盛り込んだある意味質の高い物語になるだろうという手応えがあります。殺陣などのアクションはない芝居ですが、それ以上に派手に見える会話劇とでも言いましょうか。でも観終わったときは『痛快に面白かった』というシンプルな8文字がツイッター上に踊るような物語が作れると確信しております。

そういう意味では老若男女、初めて観劇する方からコアなファンの方まで幅広く網羅してやろうという強い欲がこの作品に溢れてます。間違いなく凄い熱量とスピード感になると思います。気楽なコメディーかなと構えていたら、嵐に巻き込まれるよと。その熱量を楽しんで味わってもらいたいです。これが6番シードの本公演です」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

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PROFILE

松本陽一(まつもと・よういち)のプロフィール画像

● 松本陽一(まつもと・よういち)
1974年生まれ、広島県出身。
1997年に劇団6番シードに入団。2001年『ホテルニューバンプシャー206』で脚本・演出デビュー。2007年より代表。スピード感溢れるノンストップコメディーを身上とし、他団体への作品提供や演出も手がけるほか、映像作品の脚本や演劇ワークショップ、セミナーなどその活躍は多岐に渡る。

椎名亜音(しいな・あのん)のプロフィール画像

● 椎名亜音(しいな・あのん)
1982年生まれ、東京都出身。
2003年に劇団6番シードに入団。同年『ペーパーカンパニーゴーストカンパニー』でデビュー。作品ごとに精密機械のように演じ分けるバイプレーヤー。同劇団の作品だけでなく、劇団POSSIBILITY、ENG、ボクラ団義、アリスインプロジェクトなど数多くの劇団やプロデュース作品に参加している。

公演情報

「なまくら刀と瓦版屋の娘」のチラシ画像

劇団6番シード
なまくら刀と瓦版屋の娘


2019年11月6日 (水) 〜2019年11月10日 (日)
テアトルBONBON
HP:公演ホームページ

全席指定(一般):5,500円
全席指定(高校生以下):2,500円
(税込)

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