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小松政夫


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老コメディアンの記憶をめぐり、巡り往く女たちの思惑とは

小松を演じる小松が送る、小松政夫の「集大成」

 昭和のテレビで人気を集めたコメディアンの一人、小松政夫。若い世代には独特の味わいを感じさせる名優の一人としてのイメージが強いが、昭和世代にとっては山のようなギャグが速射砲のように口から飛び出す唯一無比のコメディアンだ。
 そんな小松が主演を務める舞台が幕開く。『「うつつ」小松政夫の大生前葬』と題されたこの作品で小松は個性的な5人の女優と共に舞台に立つ。タイトル通り、小松政夫の集大成が期待されるこの舞台について本人に話を聞いた。


インタビュー写真

――― この作品で小松が演じるのは往年の名コメディアン「小松政夫」。3年前、あることがきっかけで記憶を失った彼を巡って、妻や前妻との娘、巻き込まれる偽の娘、そして記憶回復センターの院長、その職員という5人の女性が登場し、物語を転がしていくという。

「今回共演する女優さんは、みなさんただの俳優さんじゃ無いんだと思います。一癖も二癖もありそうな、百戦錬磨の女優さん達ばっかりですよ。その彼女たちが記者会見の時に自前の喪服で出てきたときは、なんでこの格好なの?ってなっちゃった(笑)。考えたら〚小松政夫の大生前葬〛の会見だったわけで。ともかく皆さんはまり役な人が集まったと感心したのが第一印象ですね。『リア王』で一緒だった棚橋さん以外は初めてご一緒します。まあクセはあったほうがいいよね。カワイイだけじゃなくて」

――― 本物のお寺で行われた記者会見には主役の小松自身も驚いたようだが、タイトルにあるとおり「大生前葬」なのだからシャレが効いているのは当然だろう。ただ、小松の役である「小松政夫」が一世を風靡したコメディアン、というのはシャレでも何でもない。純然たる事実だ。日本の高度成長期後半は小松政夫(そしてその他のコメディアン達)が巻き起こす笑いと共にあったといっても言いすぎではない。

「一世を・・・・・・とかいわれてもね。そもそも『目立たず隠れずそーっとやって50年』それこそが僕のやりかたなんです。一番手になるとすぐ落ちてしまって現代ではもう上にあがれない。でも目立たないと生きていけないということですよ」

――― それでも昭和世代の笑いは、小松が生んだギャグと共にあった。

「私の「ギャグは」いわばはやり言葉。他人が言っていることを私が盗んで誇張して作ったものですよ。例えばバーでとなりに座っている人ひとが『どうして、どうして?』と繰り返しもう50回くらい言ってた。そういう事がネタになるわけです。これを伊東(四朗)さんに言わせると『あなたは重箱の隅をつつく名人だね』となる。そんなはやり言葉は何十個もあるけど、それらをずっと言い続けることで今がある訳です。一発ギャグはそれだけでお終いになるけどね」


インタビュー写真

――― なるほど、続ける力というのは確かに強い。さらに小松の場合は絶妙なリズム感がある。普通に話しているところに絶妙なタイミングで滑り込んでくる『はやり言葉』。これこそ小松政夫の真骨頂だろう。

「あるディレクターは私のことをリズム&ギャグだといいました。谷啓さんが絶賛した『ニンドスハッカッカ、マー! ヒジリキホッキョッキョ!』なんて小学校の先生が言ってのを持ってきたのだけどリズム的にすごくいい。なんだろうなあ、あまり意識したことはないんだけどね。『わりーね、わりーね。ワリーネ・デートリッヒ』なんて(マレーネ・)デートリッヒ知らなきゃ訳わからないけど何となくおかしいでしょ(笑)」

――― 平成世代からは小松政夫はドラマや映画をもり立てる名バイプレイヤーとしてのイメージが強いだろう。でもこの舞台を見れば小松が生粋のコメディアン=喜劇人だと解るはずだ。

「名優なんて言われるのは恥ずかしいけれど、昔はコメディアンなら何でもできなきゃダメだと言われたものです。メイクを施したら歌舞伎役者にも負けず、日舞も洋舞も新国劇も新派でもこなせる。でも若い人はそういったものを知らないんです。元を知らないとパロディもできない。だから今の芸人さんはパロディができないし、自分で作った芸が飽きられたら終わりにならないかな?と僕は思います。そういった部分でコメディアンと芸人はちょっと違うところがあるし、そこを見せていきたいですね」

――― ではこの作品で小松が舞台から客席に届けたいものはなんだろう。

「感動の涙です。悲しみではなくて感動の、です。私の喜劇役者としてのポリシーは、この白髪頭を振り乱し、汗びっしょりかいて演じた最後にほろっと涙させる。これこそが喜劇なんです。『おもしろうてやがてかなしき(鵜舟(うぶね)かな)』ですよ。感動させたいですね。キンケロ・シアターでの芝居は大劇場ではない良さがある。こういう芝居もあったのかと思って見てもらいたい。個性的な女優陣も勢揃いで腕によりをかけた芝居をしますから、是非来てくださいね」

――― 生粋のコメディアン、小松政夫。コメディアン生命を賭けた「大生前葬」だからこそ、香典持参でその姿を脳裏に焼き付けに行くべきだ。


(取材・文&撮影:渡部晋也)



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PROFILE

小松政夫(こまつ・まさお)のプロフィール画像

● 小松政夫(こまつ・まさお)
福岡県出身。高校卒業後俳優を目指して上京。幾つものアルバイトやセールスマンを経験した後に、クレージーキャッツの一員として人気を博していた植木等の付き人に応募。約600人から選ばれ付き人となる。その後、『シャボン玉ホリデー』でコメディアンとしてデビュー。街の人々や身近な人が見せる気になる言葉や素振りをヒントにした数々のギャグで人気を集め、伊東四朗とのコンビで活躍したテレビ番組『みごろ!食べごろ!笑いごろ!』での『しらけ鳥音頭』『電線音頭』は子供達を中心に全国区の人気を得る。その後は、俳優として数多くのテレビドラマや映画に出演。独特の個性をもつ俳優として活躍を続けている。

公演情報

「「うつつ」 小松政夫の大生前葬」のチラシ画像

「うつつ」 小松政夫の大生前葬

2019年10月31日 (木) 〜2019年11月4日 (月・祝)
中目黒 キンケロ・シアター
HP:公演ホームページ

18名限定!7,800円(全席指定・税込)→ 6,300円 さらに200Pゲット!

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