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西川信廣・七瀬なつみ


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岐阜県可児市とイギリスのリーズ、満を持しての共同制作

幸せそうな家族だけど、ほんとうは違うかもしれない……

「こんな幸せなことはないです」と出演者の七瀬なつみが語るのは、2020年2月に新国立劇場で上演される舞台『野兎たち』について。英国のピンター賞受賞戯曲作家のブラッド・バーチの新作舞台だ。共同で企画をしたのは、日本でも代表的な地域劇場である岐阜県の可児市文化創造センターと英国リーズ市のリーズ・プレイハウス。ふたつの文化が混ざる現場と物語。家族とは? 幸せとは? 共同演出のひとり、西川信廣と、出演の七瀬なつみに話を聞いた。


インタビュー写真

どんな家族も問題をかかえている

――― 『野兎たち』はできたての新作ですが、脚本を読まれての感想は?

七瀬「始まりは幸せそうなんです。私の演じる女性には、超エリートの息子と、イギリスに留学している娘がいて、その娘がイギリスの人と結婚することが決まって、彼のお母様も一緒に日本に来て初対面するというスタートです。幸せそうな始まりですが、そのうちに、うちの超エリートの息子が実は失踪してしまったことが明らかになる。なにもかも隠して暮らしていたものが、もう押さえきれなくなって、家族が壊れてしまうんじゃないか……となっていく。私は母親役なので、親としてよかれと思って一生懸命やってきたことが、どうもうまくいかない方に転がってしまったのかも、とすごく切なかったです」

西川「どんな家族もさまざまな問題を抱えてるってことはありますよね。幸せに見えてそうじゃない。みんなが知らないだけで」

七瀬「はたから見るとすごく幸せそうに見えるんだけれども、うまくいかない何かを抱えている家族って、実はたくさんいるだろうなぁ。でも、家族ってやっかいだけれどもものすごく愛おしかったり、家族でしかできないぶつかり合いがあるのはなんて素敵なんだろうと思わせてくれる作品です」

西川「家族に起こる問題って、たぶん大なり小なり社会を反映してるんですよね。経済的なこととか、就職とか、時代の影響があるうえで家族の問題は起こってる。だからこの作品は、どこにでもいる家族みたいだし、この家族を通して時代や社会が見えると思うんです。冒頭から「国際結婚かぁ、これからどう話が広がるのかな?」と観ていると、結婚ではなく家族の過去の問題が勃発してくる。ミステリーではないけれど次々と新しいことが生まれて、希望が感じられたり、大変さを考えさせられたりもする。家族ってなんなのかな、家族ってどうあったらいいのかなと感じる作品ですね」

インタビュー写真

イギリスとの共同制作、なにが起こるかわからない

――― 日英の共同制作。どんなことを期待していますか?

西川「俳優もスタッフも日本とイギリスから半分ずつ集まるんです。演劇人同士だからわかりあえるところもあるし、まったく違うところもある。芝居の創り方や、感性が違うところでは、もちろんぶつかるし議論にもなるんだろうな。でも、イギリスの文脈と日本の文脈がぶつかりあったときに『第3の文脈』がうまれた時に「ああ、コミュニケーションができた」と思うはずなんですよ。それぞれの違いがぶつかって、お互いに良い発見があるのは楽しみですね。なにが起こるんだろうな」

七瀬「喜びもいっぱいだけれど、不安もいっぱいです……。私、海外の方とお芝居をつくるのはまったく初めてなんですよ。5月にこの作品のワークショップのためにイギリスに行って、初めて海外の方と一緒に演劇をしました」

西川「そうそう。その時はまだ七瀬さんの出演は決まってなかったけれど、とりあえずワークショップに参加してもらって、イギリスの演出家も作家も僕も「七瀬さんいいな」と思った。日本語でゲームしたり、英語でゲームしたり、楽しかったね」

七瀬「すごく貴重な経験でした……。イギリスの役者さんとはなにもかも違うように見えるし、私は英語がまったくしゃべれないんですが、役者同士でピタッとわかりあえる瞬間が確かにあったんですよ。そういうものがこれからのお稽古の中でたくさん見つけられたらどんな化学反応ができるのかなと楽しみです。まったく向こうの演出家さんやスタッフさんだけだと不安なんですけど、西川さんがいてくださるのはとっても心強いですし」

――― 演出は西川さんとマーク・ローゼンブラットさん。2人で演出ってどうするんでしょう?

西川「僕も不思議ですよ(笑)。これまで正式に共同演出をしたことはなくて、しかも僕は日本人で彼はイギリス人だから、彼も困ってるみたい。「どうしたらいいんだい?」って(笑)」

七瀬 「(笑)」

西川「でも、僕は楽観主義なので「なんとかなるんじゃないの〜」って思ってます。人間とやるんだからね。あと、やっぱり演劇人同士って、どこの国に行っても共通するところがあるんですよ。大事なのは、まず相手をリスペクトすることですよ」

――― 大事なのはリスペクト。

西川「そう。ちょっと話が大きくなっちゃうけど……いま、世界が対立している理由のひとつは“違いを認めない”からですよね。だからどんどん対立しちゃう。だけど「違うからダメ」っていうんじゃなく、お互いの違いを認めたうえで、相手の文化を尊重して「じゃあ僕たちはどう良くしていける?」と考える必要があると思います。今回の芝居も、そういう発想をすれば面白いんじゃないかな。だからどんどんアイデアを主張した方がいいんですよ。七瀬さんも今は大人しいけども、これから稽古に入ると「違う!」って相手役に言うでしょう(笑)」

七瀬「はい! イギリスの方々をリスペクトして、ちゃんと意思を出していきたい」

西川「イギリス人は議論が大好きだから、よく聞いてくれるよ」

七瀬「西川さんにも……。私、踊りたい! 花壇のお手入れをするシーンで踊りたい(笑)」

西川「そっか、よし、とりあえず聞いとく(笑)」

インタビュー写真

イギリスの地域劇場には人があふれている

――― 『野兎たち』の企画と物語がリンクしてますね。演劇の共同制作も、国際結婚も、どちらも違う国の人たちが一緒に何かに取り組もうとしている。

西川「そうそう。どちらも「違いを認めて、なにができる?」ということだよね」

――― “違いを認める”というと、イギリスと日本の劇場にはどんな違いがあるんですか?

西川「劇場にもよるけど……今回一緒にやるリーズ・プレイハウスがあるのは首都圏ではないのね。そういう地域劇場は“教育プログラム”を持っていて、地域の子ども達やお年寄りのために劇場を開放しています。日本でいえば昔の公民館のような感じで、地域の人が集まる場所なんです。でも日本の多くの劇場は、チケットを買って観に行く場所ですよね。公演がない日はほとんど人がいないんじゃないかな。でもイギリスの地域劇場には人が溢れています」

七瀬「ロンドンでもですか?」

西川「ロンドンは別かな。商業的な都市だから……。でも、わざとロビーを小さく設計して、公演の休憩時間にロビーから外に人が溢れるようにしているところは多いね。みんな休憩時間に飲み物を持って外に出て、おしゃべりしてる。あれがいいのよ。ロンドンじゃなく地域劇場はほとんどいつもロビーを開放していて、誰でも出入りしてる。いろんなイベントもやっていて、夜中にロックコンサートやってたこともあったね」

七瀬「夜中に!?」

西川「そう(笑)。芝居が終わって23時から深夜2時まで劇場でロックコンサートしたね。その売上はすべて地域の恵まれない子ども達にあげるっていう」

七瀬「素敵ですね」

西川「上演時間も日本と比べると遅いね。20時とか20時半とかだから、働いてる方が来やすい時間だろうね。終演後も深夜バスとか帰れる交通手段もあるし。タクシーか車で帰る人も多いから、たぶん観劇が日常化してるんじゃないかなぁ」

インタビュー写真

可児市では、「うちの野菜を食べて」と差し入れが……

――― 稽古は日本でやるんですか?

西川「まず12月に2週間はリーズで、それから可児市で稽古します」

――― 可児市で舞台を創ることの面白さはなんでしょう?

西川「共同制作と言ってもいろんなものがある。商業的に、外国から演出家を呼んだり、外国のチームと一緒にやることで話題になって商売になることもある。でも今回は商業的な負荷はないんですよ。もちろんお客さんは入った方がいいけど、これで儲けなくちゃということはない。僕らは純粋に、いかに良い芝居をできるかということだけを考えられる。だから「西川さんその演出はウケないからもうちょっと派手に」とか「この人の出番を増やしてほしい」なんてことはないわけですよ(笑)」

七瀬「幸せだなぁ」

西川「作品のこと考えればいいんだもん、ほんとうに」

七瀬「純粋に作品を創れる場所に参加できるんだって、今さらに喜びが増えました!あと、私も可児市で作品を創ったことがあるので、お世話になるのが二度目なんです。前もそうでしたが、約1ヶ月ずっと滞在して、ただただお芝居のことだけを考えて過ごすことができるのは、役者にとってこんな幸せなことはないです。没頭して、お芝居に全エネルギーを注いで楽しみたいな」

西川「可児市文化創造センターにはサポーター制度があって、地元の人達が稽古場にずっとついててくれるんですよ。だんだんスタッフの一員みたいになってくるの。しかもみんな「うちで作った野菜があるから食べて」と言って、もうね、いっぱいくれるの」

七瀬「そう、あったかいんですよ〜」

西川「とってもフレンドリーだし、これが地域劇場のいいところ! 一般の人と演劇人が一緒になって芝居をつくる。そのことで、サポーターの方々が劇場のお客さんにもなり、可児市の人の繋がりをつくっていく……。なかなか東京ではできないけど、可児市文化創造センターは日本の地域劇場のあり方のひとつのモデルケースですよね」

――― 西川さんはこれまで長年、可児市文化創造センターとさまざまな企画に取り組んできましたね。

西川「そうなんです。今回はその集大成。さらに、可児市文化創造センターとリーズ・プレイハウスも5年間いろいろ一緒に取り組んできて、そのひとつの集大成が『野兎たち』なんです。ここからまた新たなスタートになるのかな。そこに七瀬さんが入ってくれて、とても楽しみです」

(取材・文&撮影:河野桃子)

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PROFILE

西川信廣(にしかわ・のぶひろ)のプロフィール画像

● 西川信廣(にしかわ・のぶひろ)
文学座所属演出家。1986年から1年間文化庁在外研修員として渡英。ロジャー・リース、ピーター・ホールらの演出助手を務める。文学座を中心に商業演劇から小劇場までストレートプレイを中心に幅広く活躍中。1992年『マイチルドレン!マイアフリカ!』で紀伊國屋演劇賞個人賞、芸術選奨・文部大臣新人賞受賞。1994年文学座本公演『背信の日々』で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞(その後『水面鏡』『寒花』などでも受賞)。新国立劇場演劇研修所副所長。東京藝大客員教授。日本劇団協議会会長。日本演出者協会理事。

七瀬なつみ(ななせ・なつみ)のプロフィール画像

● 七瀬なつみ(ななせ・なつみ)
1967年生まれ、埼玉県出身。
90年『第9回オリーブ映画祭』にて最優秀新人女優賞を受賞。06年には『第40回紀伊国屋演劇賞』個人賞、『第13回読売演劇大賞』女優賞を受賞。主な出演作品、05年「屋上庭園」「動員挿話」(新国立劇場)、13年「根っこ」( 赤坂RED/THEATER)、16年『お国と五平』(可児市創造文化センター)、17年『紙屋町さくらホテル』(保谷こもれびホール・地方公演)。テレビ/『大岡越前4』BS時代劇(18‘2月)、ANB「おみやさん」シリーズ等多数出演。

公演情報

「『野兎たち』<東京公演>」のチラシ画像

公益財団法人 可児市文化芸術振興財団
『野兎たち』<東京公演>


2020年2月8日 (土) 〜2020年2月16日 (日)
新国立劇場 小劇場
HP:公演ホームページ

22名限定!一般5,000円 → 4,200円さらに2500Pゲット!(2/6 19時20分更新)

詳細はこちら

「『野兎たち』<東京公演>」のチラシ画像

可児市文化創造センター×リーズ・プレイハウス 日英共同制作公演
『野兎たち』<東京公演>


2020年2月8日 (土) 〜2020年2月16日 (日)
新国立劇場 小劇場
HP:公演ホームページ

一般:5,000円(全席指定・税込)
U-25(25歳以下):2,500円(当日引換券・税込)

<U-25(25歳以下)チケットについて>
※指定券引換時に年齢のわかる証明書をご提示ください。
※当日、開演60分前より切符売場にて指定席券とお引換ください。
 連席でご用意できない場合がございます。予めご了承ください。

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