活動開始から10年という節目を迎えた2019年のアリスインプロジェクトは、押しも押されもせぬ代表作に成長した『アリスインデッドリースクール』に明け暮れたといってもいいだろう。本来のスタイルに加えて、スピンオフ作品としての松扇アリスによる『オトナインデッドリースクール』(オトナの女性キャスト版)、『オヤジインデッドリースクール』(男性キャスト版)なども上演され、この作品がもはやガールズ演劇の枠を越え、普遍的な作品に成長したことを証明してくれた。
そんな節目を乗り越えたアリスインプロジェクトだが、新たな周回に入った彼女たちがどこへ向かってどのように成長するかはファンにとって大きな関心事だと思う。それを占うひとつの要素になるのが2020年第一弾の作品なのかも知れないが、そんな栄えある作品に選ばれたのが『ダンスダンスダンス ダークダンジョン バージョン』というわけだ。架空の高校を舞台に行われる、各クラブ対抗のダンス合戦を描いたコメディ満載のこの作品に挑むメンバーから、聞間彩、鈴木楓恋、永瀬がーな、星ゆりかの4人に話を聞いた。
――― こうして並んでいるところを見ると、ベテランと3人のニューフェイスといったところですが(笑)、永瀬さんは一連のアリスインプロジェクト作品に何度も出演されてますよね。
永瀬「昨日数えてみたら9回目でした(笑)」
――― 他の皆さんは初のアリスインプロジェクト作品ですね。では早速舞台に向けての抱負をうかがいます。
永瀬「9回目といっても、この作品は初めてなんです。コメディだしダンス対決という日常にはない設定でどう展開するかが楽しみです」
聞間「私はこの作品は3回目の舞台になります。作品中での私はリーダー的存在なのですが、開幕する頃までにそこにまでなれるか心配です。それにダンスもありますから、演技共々頑張っていきます」
鈴木「生徒会長役なのですが、子役をやっていた頃以来の舞台出演なので多少の不安がありますけど、それよりも今は楽しみの方が上回っていますね。コメディでもあるのでまずは自分が楽しみたいと思います。それにダンスは小学三年生の頃からやっているので、そちらも勿論頑張ります」
星「私は2回目の舞台出演なのですが、1回目は所属事務所の公演だったので色々な皆さんとご一緒するのは今回が初めてなんです。ほぼ初舞台みたいなものですね。だからけっこう緊張しています。アリスさんの舞台は一度見たことがあって、私もやってみたかったので楽しみです。今回の私はお嬢様の役なので、おしとやかに、でも楽しく演じられたらいいなと思っています」
――― 学校のクラブ対抗のダンス合戦ということですが、皆さん実際の学生生活で、クラブ活動には参加されましたか?
永瀬「私は音楽系。合唱とか吹奏楽部とか。トロンボーン吹いていたんですよ、手が短いのにね(笑)」
聞間「中学は華道部で高校では英語のクラブでした」
鈴木「私は高校で陸上部です」
星「中学は茶道で、高校は軽音部ですヴォーカルやってギターもやってベースも弾いてドラムもちょっとやって(笑)」
――― ひとりけいおんじゃないですか(笑)。
星「えへへ(笑)。あいみょんとかスキャンダルとかのコピーバンドですね」
――― 結構皆さん頑張ってますね。でも芸能活動やアイドル活動もこなしてさらに学校の部活じゃ大変ではないですか?
全員「大変です(笑)」
星「でもアイドルの頃は活動が週末だったので、学校の部活とはあんまり被りませんでした」
――― もう一つの大きな要素はダンスですが、鈴木さんはずいぶん真剣にやられていたみたいですね。
鈴木「主にヒップホップダンスをやっていて、他にはジャズダンスなどもやりました。どちらかと言うとガツガツ踊る方が好きですね。イエィ!って感じで(笑)」
――― 他の皆さんはそこのところどうですか(笑)。
聞間「私もダンスを習っていましたし、バレエを2歳半からやってます。バレエといってもモダンバレエですからクラシックとはだいぶ違いますけど、小学6年生くらいまで続けました。中1から高3まではグループで活動していましたから、そこそこダンス経験はあるけど、今は身体も硬くなっちゃったからなあ(笑)」
星「私もアイドル活動を4年していましたが、ちょこちょこ歌いながら踊るのはともかく、ガチなダンスは経験がないので、ちょっと不安です。覚えはいいと思うんですが、さあ動けるかどうか(笑)、歌や演奏はいいんですけどね」
永瀬「実は私の今回の役柄は、皆のダンス対決を実況する役なんです。だからあんまり踊らないので(笑)そこは安心してます」
――― ではコメディやダンスなどを総合して、お客さんに注目して欲しいポイントに、最後に一言決意を付け加えてお願いします。
永瀬「2019年はデッドリーの年でした。2020年になって初めてのデッドリーでない舞台ですから頑張りたいですね。皆に伝わるような的確な実況をします! 古舘さん目指して!!」
聞間「コメディ作品なので、何も考えずに来てもらって、それで最後に笑顔で帰ってもらえれば良いなと思います。私も全力で楽しみます!」
鈴木「ダンスと笑いがいっぱいあって、観に来てくださった皆さんと一緒に楽しめる作品だと思います。初めての読み合わせの時から出演者も笑っていて、既に私たちも楽しくなっています。みんなで一緒に楽しみましょう。全力スマイルで!」
星「ダンスも見所だと思うのですが、私の役には最後にちょっと驚くような展開もあるので、そこをご期待ください。絶対観に来てくださーい!」
――― ありがとうございました。
(取材・文&撮影:渡部晋也)